重賞ウィナーレポート

2011年11月20日 福島記念 G3

2011年11月20日 新潟競馬場 曇 重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アドマイヤコスモス

プロフィール

生年月日
2007年03月03日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:9戦7勝
総収得賞金
101,158,000円
アドマイヤマックス
母 (母父)
アドマイヤラピス(IRE)  by  Be My Guest(USA)
馬主
近藤 利一
生産者
辻 牧場 (浦河)
調教師
橋田 満
騎手
上村 洋行
  • 母アドマイヤラピス
    母アドマイヤラピス
  • 牧場風景
    牧場風景
  • 牧場看板
    牧場看板

 96年以来16年ぶりの新潟競馬場開催となった「第47回福島記念(G3)」は地方競馬から再入厩後、条件戦を4連勝していたアドマイヤコスモスが重賞初挑戦ながら1番人気に応えて優勝。地方競馬時代を併せると7連勝を記録した。地方競馬からからJRAへ再転入した馬のJRA重賞制覇はアンタレスS(G3)(勝馬ゴルトブリッツ)以来となった。

 同馬は父アドマイヤマックス、母アドマイヤラピス(母の父ビーマイゲスト)は、浦河町の辻牧場の生産馬だ。父のアドマイヤマックスはサンデーサイレンス直仔のG1ウイナーで、母のアドマイヤラピスは牝馬ながらも長距離で活躍し、97年のステイヤーズS(G2)2着という活躍牝馬。半兄にアドマイヤホープ(全日本2歳優駿(G1))、アドマイヤフジ(日経新春杯(G2)、中山金杯(G3)2回)を持つ良血馬として産声をあげた。

 今回、競馬場でアドマイヤコスモスの快走を見届けた同牧場の辻助さんは「骨折により出世が遅れてしまいましたが、厩舎でも高い評価をいただいていた馬です。馬が、その期待に応えてくれたことが嬉しい」と喜びを表現した。早めに抜け出してしまったためにゴール前では「ヒヤリとした」とそうだが、後ろから馬が来ると再び伸びた愛馬を「大変心強く感じました。橋田先生にとってはJRA重賞通算50勝目という記念のレースになりましたし、この勝利で16年連続の重賞勝利と聞いています。父のアドマイヤマックスも、母のアドマイヤラピスも当牧場の生産馬ではありませんが、両親ともに橋田先生のお世話になった馬ですから、そういうメモリアルに立ち会えて嬉しいです」とレースを振りかえった。

 それにしても、ここまでの道のりが凄い。3歳4月のデビュー戦で経験馬を相手に圧倒的な1番人気に推されていた同馬は、そのレース中に骨折。手術の結果、ケガは癒えたもののJRAの未勝利戦には間に合わずに公営笠松競馬へと転出される。そこで2連勝を記録しJRAに復帰すると特別レースを4連勝。中でも前走の大原Sは京都競馬場の2000mレコードを塗り替える1分56秒8の快走劇だった。「我慢してくれた馬主さんと、大切に使ってくれた厩舎のおかげだと思っています。もう、ここまで来れば生産者としてというよりも、ファンとして応援するだけです」と喜んでいる。

 「アドマイヤマックスの初年度産駒の1頭で、またアドマイヤホープ、アドマイヤフジの半弟という血統馬でもありますし、生まれたときからバランスのよい馬で、牧場としても大変期待の大きな馬でした。当牧場にいる間はケガや病気なく、順調すぎるくらいの馬でしたから、逆にあまり印象がないほどです」とふりかえる。今後については「大きなケガをした馬ですから、このあとは無事に競走生活をまっとうして欲しいと思っています。中央競馬に復帰後は中距離レースを使ってくれていますが、今後はさまざまな選択肢があると思います。どこを使ってきても応援したいですね」と期待に胸を膨らませている。