2011年11月26日 京阪杯 G3
優勝馬:ロードカナロア
プロフィール
- 生年月日
- 2008年03月11日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦5勝
- 総収得賞金
- 669,958,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- レディブラッサム by Storm Cat(USA)
- 馬主
- (株) ロードホースクラブ
- 生産者
- ケイアイファーム (三石)
- 調教師
- 安田 隆行
- 騎手
- 福永 祐一
グランプリエンゼル、ワンカラット、ジョーカプチーノといったスプリント重賞勝ち馬が揃った第56回京阪杯(G3)。実績のある古馬たちを押しのけて1番人気に支持された3歳馬ロードカナロアが人気に応え快勝。自己条件戦から4連勝で重賞初制覇となった。
本馬の生まれ故郷は新ひだか町三石のケイアイファーム。主な生産馬は、今年の中山牝馬S(G3)を制したレディアルバローザ、中央交流競走、関東オークス(Jpn2)優勝馬シンメイフジ、95年のサファイヤS(G3)勝ち馬ブライトサンディー、01年の函館記念(G3)勝ち馬ロードプラチナムなど、多くの活躍馬を輩出している。
ケイアイファームでは出産や種付けを行う繁殖牧場、当歳の離乳から1歳秋までを担当する中期育成、そして馴致、現役馬の休養などは育成牧場と3カ所に別れている。今回お話を伺った繁殖牧場では、場長の小森忠夫さん、杉山寿広さん、田村達人さんのスタッフ3人で30頭の繁殖牝馬を管理している。
当日は中村伊三美代表が競馬場へ応援に行き、スタッフはテレビの前でレースを見守った。「期待の方が大きかったですが不安もありました。はじめての重賞ですし、相手も強い。あまりにも人気になりすぎていて、大丈夫かな?って」と苦笑する杉山さん。しかしその心配は杞憂に終わった。「直線で前が開いてすごい手応えで上がって行く姿は、自分の所の生産馬ながら“こいつ強い!!”と素直に思いました」と興奮気味に振り返った。
ロードカナロアは08年3月11日、母レディブラッサムの5番仔として誕生。丁度その頃、半兄ロードバリオスが3歳マイル王を目指し重賞に出走していた。「活躍馬の半弟」だけに注目されていたのかと思いきや「母は悍性が強く、放牧地では常にボス。カナロアもその子供だけあって気は強かったと思うけど、目立つ存在ではなかったね」と小森場長。レディブラッサムは現在ディープインパクトとの子供をお腹に宿しており、牧場にとってトップクラスの繁殖牝馬であることは間違いないが、カナロアに限らずどの産駒も当歳時は“能ある鷹は爪を隠す”タイプなのかも知れない。
春のスプリントG1、高松宮記念(G1)を目標に掲げるロードカナロアには、多くの重賞馬を送り出しながら未だ叶っていない牧場初G1制覇の期待がかかっている。「3歳と若く、まだ緩さも残っている。これがパンとした時にどこまで強くなるのか、また、成長と共に距離の融通も効いて1200だけでは終わらない馬だとも思っています」と杉山さん。関係者の願いはひとつ。その期待に応え、大きな勲章をもたらしてくれることだろう。