重賞ウィナーレポート

2011年11月06日 AR共和国杯 G2

2011年11月06日 東京競馬場 曇 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トレイルブレイザー

プロフィール

生年月日
2007年03月15日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:16戦5勝
総収得賞金
247,832,000円
ゼンノロブロイ
母 (母父)
リリオ(USA)  by  フォーティナイナー(USA)
馬主
前田 幸治
生産者
ノースヒルズマネジメント (新冠)
調教師
池江 泰寿
騎手
安藤 勝己
  • 母のリリオ~1
    母のリリオ~1
  • 母のリリオ~2
    母のリリオ~2
  • 母のリリオ~3
    母のリリオ~3

 伝統の古馬ハンデ戦、第49回アルゼンチン共和国杯(G2)は新冠町のノースヒルズマネジメント生産のトレイルブレイザー(牡4)が優勝。古馬の中、長距離戦線にニューヒーローが誕生した。

 同馬は、父ゼンノロブロイ、母リリオ(母の父フォーティナイナー)という血統。「母のリリオは1歳時にケンタッキー州のキーンランドジュライセールで購入した馬です。少し時間がかかってしまいましたが、こうしてその血統を花開かせることが出来てよかったです」と(株)ノースヒルズでゼネラルマネージャーを務める福田洋志さんが相好を崩した。

 レース当日は、牧場の次世代を担う馬を探しにキーンランドノーベンバーセールへと足を運んでいたが、スタッフからの電話連絡を受け、15分遅れで配信される映像を見ながら愛馬の勝利を確認した。「生まれたときから評価の高かった馬です。そして、何よりも健康でした。大きなケガやトラブルなく順調に厩舎へと送り出せたことだけを覚えています」と記憶の糸をたどってくれた。

 そしてその日、新冠町にある(株)ノースヒルズではレースの時間になると、スタッフ全員が仕事の手を休めて事務所のテレビの前で応援した。離乳からブレーキングまでを担当する岡研二チーフは「2番人気のビートブラックと2頭出しでしたので、レースの前はどちらも頑張れという気持ちでした。外枠で競馬がしにくそうなビートブラックに対して、こちらは終始スムーズな競馬をしてくれたと思います。早めに抜け出した分、ゴールするまではヒヤヒヤでしたが、ゴールの瞬間はみんなで声を出して応援しました」と笑顔。牧場時代に「粗野というか、荒削りな印象で、芯のしっかりした馬でした」というトレイルブレイザーの重賞初勝利を喜んだ。

 「これからは相手も強くなりますが、この馬もまだ上を目指せる馬だと思います。頑張って欲しい」とエールを送っている。

 この勝利でノースヒルズグループは今シーズン重賞11勝目。トランセンド、アーネストリー、リディルといった生産馬はもちろん、モンストールやラヴェリータ、オーブルチェフのように市場で購入した馬も結果を残している。「オーナーの考え方を、我々牧場スタッフはもちろん調教師の方々も理解してくれており、しっかりとコミュニケーションをとりながら目標を目指せることが一番だと思います」と福田マネージャーはチームワークの勝利を強調する。

 今回のトレイルブレイザーも、宝塚記念(G1)8着のあとは鳥取県の大山ヒルズで再調整され、準オープン特別を叩いての勝利となった。「上手に夏を越して、そしてスムーズな入れ替えができたことが、今回の勝利につながったと思います」と言い、「これからも同じ方向をむいて、精度を高めていきたいです」と、チーム全体でさらに上を目指したいと表情を引き締めた。