重賞ウィナーレポート

2011年11月05日 ファンタジーS G3

2011年11月05日 京都競馬場 小雨 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アイムユアーズ

プロフィール

生年月日
2009年01月15日 02歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
249,752,000円
ファルブラヴ(IRE)
母 (母父)
セシルブルース  by  エルコンドルパサー(USA)
馬主
ユアストーリー
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
手塚 貴久
騎手
I.メンディザバル

 4年連続でノーザンファーム生産馬が勝利している阪神JF(G1)。このレースで2勝(08年ブエナビスタ、10年レーヴディソール)を含む3連対(07年2着レーヴダムール)を果たしているのがノーザンファーム早来牧場の日下厩舎である。

 今年の小倉2歳S(G3)も育成馬のエピセアロームが勝利し、5年連続勝利の期待も持たせる中、同じ日下厩舎の育成馬であるアイムユアーズが、ファンタジーS(G3)を優勝。快挙に向けてこの上ない援軍となった。

 「2着となった函館2歳S(G3)の後、手塚先生やオーナーからはファンタジーS(G3)を目標にすると告げられ、レースの1か月前まで牧場で調整をしていました。レースまでは時間もあるので、こちらに来て1か月半ほどは疲れを取るためにゆっくりさせていましたが、回復も早かったですし、レースを経験してきたこともあるのか、心身共に成長も感じられました」とは日下和博厩舎長。

 デビュー前から背中に跨ってきた日下さんは、その乗り味とスピード能力の高さから、「スプリント向きの馬」との評価を持っていた。2戦目に2歳未勝利戦を勝ち上がった後、函館2歳S(G3)では外に進路を取りながら2着に入ったレースぶりは、まさにスプリンターとしての資質を示したとも言えたが、休養で久しぶりに調教コースに出たとき、日下さんはこれまでと違った印象を持った。

 「成長してきたこともあるのか、動き、走り共に決してスプリンターの枠に収まる馬ではないなと思いました。元々おとなしくて気性も素直でしたし、こちらの指示に従う賢さも持ち合わせていたので、距離はスプリントより長くなっても大丈夫だと確信しました」(日下さん)

 ファンタジーS(G3)には函館2歳S(G3)で先着を許したファインチョイスも出走していたが、距離が一ハロン伸びる今回は充分に逆転できるとの思いも生まれていた。それだけに8番人気という低評価には驚いたという。

 「人気こそありませんでしたが、厩舎スタッフの誰もが勝てると信じて応援していたと思います。休み明けでのレースともなりましたし、期待通りの結果を残してくれたことは本当に嬉しかったですね」(日下さん)

 次走は更に距離は一ハロン伸びる阪神JF(G1)を目指すこととなるが、それでも日下さんは充分にこなせる条件だと確信しているどころか、まだ距離の融通が利くと睨んでいる。

 「ファルブラヴの産駒は短距離戦で結果を残していますが、今年のオークス(G1)でもスピードリッパー(牝3)が5着に来ていることからしても、同世代の牝馬が相手で能力の高さがあればこなせないことは無いと思っています。また、牝系はオークス馬のダイナカールに繋がる血統ですし、エアグルーヴ、アドマイヤグルーヴなどG1馬の名前もあるだけに、今後、どんな競走馬になってくれるのか楽しみでなりません」(日下さん)