重賞ウィナーレポート

2011年09月11日 セントウルS G2

2011年09月11日 阪神競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エーシンヴァーゴウ

プロフィール

生年月日
2007年03月19日 04歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:15戦7勝
総収得賞金
217,285,000円
ファルブラヴ(IRE)
母 (母父)
カンザスガール(USA)  by  サンダーガルチ(USA)
馬主
(株) 栄進堂
生産者
栄進牧場 (浦河)
調教師
小崎 憲
騎手
田辺 裕信

 サマースプリントシリーズの最終戦「第25回セントウルS」(G2、芝1200m)は浦河町の栄進牧場生産で2番人気のエーシンヴァーゴウ(牝4歳、父ファルブラヴ)が混戦のゴール前で抜け出して優勝。アイビスサマーダッシュ(G3)に続いて重賞2勝目を記録し、第6代目となる夏の快速チャンピオンに輝いた。

 「当日は競馬場で応援できました。嬉しかったです」と声を弾ませたのは岡山県にある栄進牧場の久世育成センターの竹内昭利調教主任だ。栄進牧場では秋の阪神開催時に従業員を半数ずつに分けて社員研修を行なっており、奇しくも竹内さんはこの日が研修日だった。「3頭出しでしたし、エーシンヴァーゴウとエーシンリジル(3番人気)が人気になっていましたから、とても楽しみでした」と当日の興奮ぶりを語ってくれた。

 ファンファーレが鳴り、そしてゲートが開く。ダッシュ良く飛び出したエーシンヴァーゴウはテイエムオオタカを先に行かせてのマイポジション。スプリント重賞としては早いペースではなく各馬が一団となって4コーナーを周るとインコースから伸びてきたのはエーシンリジルの方だった。「うまくコースが開いてくれたので、あのときは力が入りましたね。一方のヴァーゴウはダッシャーゴーゴーに交されそうに見えましたが、本当によく頑張ってくれました。抜け出してからは香港の馬(ラッキーナイン)が迫ってきましたがゴールを先頭で駆け抜けてくれたことは目で確認できました」と喜びを語った。そのあとは、同行の12人とともに口取りに参加した。「思い出に残りますね。帰りのバスの中でも、みんなまだ興奮していましたから」と嬉しそうだ。

 エーシンヴァーゴウのふるさと栄進牧場では北海道絵笛にある本場で繁殖業務と中期育成業務を行い、97年からは岡山県にある久世育成センターで後期育成業務を行っている。

 「エーシンヴァーゴウは1歳の夏過ぎくらいに北海道から移動してきました。ブレーキング時代の印象はほとんど残っていないので、そのあたりまでは優等生だったと思います」という。その優等生が“豹変”したのはデビューにむけた本格的な調教を行うようになった2歳の夏前くらいだったという。

 「だんだん時計を詰め、メニューに併せ馬を取り入れたくらいからです。突然のように気負うようになって、行きたがって行きたがって大変でした。この年は早い時計を出すことよりも基礎体力をつけることを念頭においた世代なのですが、この馬のスピードは当時からすごいものがありました。とにかく抑えるのが大変でした」というから、当時から快速女王の片鱗は見せていたということになる。

 そんな快速牝馬の次走は、自身初のG1舞台となるスプリンターズS(G1)。「今回は海外組も混じって強い相手になりますから、気楽な気持ちで観戦です」という。そして「夏に厳しい競馬が続きましたから、レースが終わればひと息いれるために戻ってくると思うんですが、そのときは労いの言葉をかけてあげたいですね」と、久しぶりの再会を楽しみにしている。