重賞ウィナーレポート

2011年09月04日 新潟2歳S G3

2011年09月04日 新潟競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:モンストール

プロフィール

生年月日
2009年04月08日 02歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
79,239,000円
アドマイヤマックス
母 (母父)
イソノスワロー  by  デヒア(USA)
馬主
前田 幸治
生産者
村下農場 (荻伏)
調教師
尾関 知人
騎手
柴田 善臣
  • モンストール~ブリーズアップセール当日
    モンストール~ブリーズアップセール当日
  • モンストール~日高育成牧場時代(左側)
    モンストール~日高育成牧場時代(左側)

  第31回新潟2歳S(G3)は4番人気のモンストールが1分33秒8のタイレコードで重賞初制覇。デビュー戦からの2連勝に花を添えた。生産した村下農場、管理した尾関知人調教師、そして父親のアドマイヤマックスにとってはJRA初重賞勝ちとなった。

  モンストールが生まれた北海道浦河町は、レースが行われる週半ばから台風12号と日本海側に停滞していた前線の影響で雨続き。レース前日には村下農場の近隣地区で川の堤防が決壊するなど不安定な状況にあった。「幸い、当牧場に大きな被害はありませんでしたが、そんな状況もあってテレビで応援していました」と村下公典代表。

  レース前は「期待半分、不安半分」だったそうだが、終わってみれば抜群の瞬発力で馬場の真ん中を突き抜けた。「ここまで育ててくれたJRA日高育成牧場と、良い状態に仕上げてくれ、よい騎手を手配してくれた調教師のおかげです」と感謝している。

  牧場時代は「ひとことで言えば心身ともに健康な馬。祖母のイソノルーブルは激しい気性でしたが、この馬は性格もおっとりしていて、扱い易い馬でしたよ。大きな怪我や病気もなかったです」と村下さんは振りかえる。そして、2010年のサマーセールに上場し、JRA日本中央競馬会によって購買された。この勝利は、JRA育成馬にとっては昨年のニュージーランドトロフィー(G2)(勝馬エイシンオスマン)以来の重賞勝ちとなり、2世代連続の重賞勝ちとなった。

  「函館競馬でデビュー勝ちした半兄のトラストワンも購入していますが、この馬も甲乙付けがたい点数の馬でした」というのは、モンストールの購入、そして育成に携わったJRA日高育成牧場の石丸睦樹業務課長だ。「トラストワンとの比較では、兄が力強いタイプだったのに対して、弟の方が体の柔らかい馬でしたね。性格も素直で、順調にメニューを消化してくれました。」と育成時代の思い出を語ってくれた。日高育成牧場時代はBTC軽種馬調教育成センターの生徒の練習馬としても活躍したそうだ。

  「この世代は、基礎体力をつけることに主眼をおいて育ててきた世代です。坂路で早い時計を出し始めたのは例年よりも1ヶ月ほど遅いくらいですが、有酸素能力を高めるための乳酸値などのデータを取りながら、強い負荷をかけてきました」という。新潟2歳S(G3)当日は、ちょうどサマーセールの前日。「一足先に行なわれた小倉2歳Sにも育成馬が出走していましたし、新潟は2頭出しでした。勝つことももちろんですが、出走させることができたことも嬉しい」と語り「。これからも購買者の方々に喜んでもらえるような馬を送り出し、強い馬づくりに役立てたい」と意気込みを語っている。