重賞ウィナーレポート

2011年09月10日 朝日ChC G3

2011年09月10日 阪神競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミッキードリーム

プロフィール

生年月日
2007年02月05日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:12戦5勝
総収得賞金
188,205,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
フローリッドコート  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
野田 みづき
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
音無 秀孝
騎手
和田 竜二

 3連勝での重賞初制覇。結果だけ見ると夏の上がり馬がその勢いのまま重賞を制したようにも見えるが、ミッキードリームの戦歴を見ると、決して「上がり馬」の枠には収まらない馬だったことが分かる。

 「育成時からクラシックに出ていても不思議ではない馬だと思っていましたし、実際、入厩時期も2歳の5月と早かった馬ですからね」とはノーザンファーム空港牧場の犬伏健太調教主任。実際に2歳馬の取材において、フローリッドコートの07こと後のミッキードリームは、セレクトセールの高評価だけでなく、動きの良さからも話題に上がっていた馬でもあった。

 「音無先生にも『将来が楽しみな馬です』と話をしていました。実際、時間こそかかりましたが3歳の早い時期にオープン入りしてくれただけでなく、毎日杯(G3)でも2着になってくれて、賞金面でのクラシック制覇をほぼ確定させてくれましたからね」(犬伏さん)

 だが、喜びもつかの間、毎日杯(G3)のレース後に右前膝を骨折。当初の予定では全治3か月との診断だったが、実際にミッキードリームが復帰を果たしたのは、約11か月後のことだった。

 「当初の予定では年内に復帰予定でした。でも、完治まで思った以上の時間を要しただけでなく、全く不安の無い状態で厩舎へと送りだそうということで、時間をかけて立て直していくことに決めました」(犬伏さん)

 この復帰時期の変更は、犬伏さんと音無調教師との話し合いの中で決められたものだった。普段から音無調教師との連絡を欠かさない犬伏さんに対し、音無調教師も牧場での管理を一任。ここで完璧な状態まで仕上げたことが、後の重賞制覇へと繋がっていく。

 「2歳の頃から跳びが大きくて、かなりの馬になると思っていましたが、休養を経てからパワーも備わってきました。それにつれて動きもしっかりしてきましたね」(犬伏さん)

 復帰後の重賞レースこそ結果を残せなかったが、1000万下に降級してからは力の違いを証明し続ける。この連勝の影にあったもの。それを犬伏さんは気性の成長とも話す。「2歳の頃からピリッとした一面はのぞかせていました。だからこそ2000mとなると勝ちきれなかったのかもしれません」(犬伏さん)

 だが、朝日ChC(G3)では距離を克服しただけでなく、たたき合いも制して見せると、気性を上手くコントロールした走りを見せた。朝日ChC(G3)と同じ芝2000mで行われるのが天皇賞(秋)(G1)。陣営もこの勝利の後に出走を表明している。

 「オーナーの馬で初めて重賞馬となったのが、ノーザンファーム生産馬であることを嬉しく思います。元々オープンで競馬をしていた馬ですし、この重賞制覇も後に通過点と思えるような活躍を期待したいですし、まずはG1でどれだけのレースを見せてくれるか楽しみです」(犬伏さん)