2011年08月14日 北九州記念 G3
優勝馬:トウカイミステリー
プロフィール
- 生年月日
- 2006年05月10日 05歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:22戦6勝
- 総収得賞金
- 128,127,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- タイキミステリー(USA) by Green Forest(USA)
- 馬主
- 内村 正則
- 生産者
- 平野牧場 (三石)
- 調教師
- 安田 隆行
- 騎手
- 北村 友一
第46回北九州記念(G3)は道中は後方3番手を進んだトウカイミステリーが直線で末脚を炸裂。8番人気ながらメンバー最速の33秒6の末脚を繰り出して優勝した。トウカイミステリーがつかみ取った初重賞は、生産した新ひだか町三石の平野牧場にとっても嬉しい初の重賞勝ちとなった。
「安田先生にとっても勝ちたかったレースだと聞きましたし、平野牧場にとっても初めての重賞競走優勝です。本当に嬉しいです」とトウカイミステリーの生産者、平野牧場の平野謙二さんは笑顔でレースを振り返った。
現役ジョッキー時代には“小倉男”と呼ばれ小倉開催45週連続勝利を記録しながらもこのレースだけは勝ち運に恵まれなかった安田隆行調教師とともに勝利を喜んだ。「セレクトセールの会場で、この馬を見つけてくれたのが安田先生だと聞いています。だから、余計に嬉しいのかもしれません」。そして「今回の優勝は自分にとってもすごく意味のある1勝になりました。これも安田先生はじめ厩舎スタッフの方々のおかげだと思っています」という。
生まれたときからバランスのよい馬だった。そして、自分なりにも自信はあった。しかし、初勝利は3歳1月。その後も惜敗を繰り返した。「デビュー戦は芝の1800mで持ち味が出せませんでした。その後はダートを使ったり、そしてシャドーロールやクロス鼻革、チークピーシズなどを使用したり。やっぱり馬に足りない部分があったのでしょうね。輸送に弱いと言うのもそのひとつだったと思います。レースを使いながら、馬のそういう部分を理解、矯正し、厩舎はこのレースを狙ってきました。重賞っていうのはこうしなければ勝てないということを学びましたし、結果を出してくれたことには本当に頭が下がります」と感謝している。前走の新潟競馬で大きく減らした体重は、今回は滞在競馬でプラス18キロと戻していた。
レースは、牧場の事務所でスタッフとともに観戦していた。「レースの時間は、獣医さんの往診で治療を行っていました。それを終えてテレビをつけたら、ゲート前の輪乗りでしたね」。人気はなかったが、精一杯応援しようと思った。しかし、テレビにはあまり映らなかった。「人気もなかったですし、後ろからの競馬でしたからね。そのうちにスタッフから来てますよ!勝ちますよ!って」。牧場時代、その誕生花のイメージから“モモチャン”といわれていた栗毛の馬は、ピンクの帽子も鮮やかに先頭を駆け抜けていた。
「厩舎がいろいろと気を遣ってくれたことは知っていましたから、馬がその期待に応えてくれたことが一番嬉しかったですね。これで、ひとつの目標が叶ったわけですが、出来ることであれば今度はトウカイミステリーの仔を手掛けて見たいですね。そして、お世話になった馬主さんたちと一緒に喜びを共有したい。今までは市場で売却することが多かったのですが、そんなこともできたら良いなってそう思っているんです」と夢を広げている。