重賞ウィナーレポート

2011年08月07日 函館2歳S G3

2011年08月07日 函館競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ファインチョイス

プロフィール

生年月日
2009年01月24日 02歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
90,026,000円
アドマイヤムーン
母 (母父)
アフレタータ  by  タイキシャトル(USA)
馬主
宮川 純造
生産者
富田牧場 (浦河)
調教師
領家 政蔵
騎手
上村 洋行
  • 母アフレタータとアフレタータ2011と牧場の皆さん(左から2番目が富田秀一さん)
    母アフレタータとアフレタータ2011と牧場の皆さん(左から2番目が富田秀一さん)
  • 母のアフレタータ
    母のアフレタータ
  • アフレタータ2011(牝、父スペシャルウィーク)
    アフレタータ2011(牝、父スペシャルウィーク)

 第43回函館2歳S(G3)は浦河町の富田牧場生産のファインチョイスが3番手追走からあっさりと直線抜け出し、2着アイムユアーズに1馬身2分の1差をつけて優勝した。2009年生まれ世代の初重賞勝ちとなった。勝ち時計は1分10秒8(良)。また、新種牡馬アドマイヤムーンにとっても、これが重賞初勝利。新種牡馬産駒の函館2歳S優勝は08年のフィフスペトル(父キングカメハメハ)以来になる。

 同馬を生産した富田牧場は1940年創業と、日高でも有数の歴史を持つ牧場だ。これまで1967年の安田記念に勝ったブツシヤンや74年の天皇賞(秋)を制したカミノテシオのほかテキサスワイポン(中山大障害)、メイショウエイカン(京都大賞典(G2))、ナイスナイスナイス(きさらぎ賞(G3)、京都記念(G2))、メイショウドメニカ(福島記念(G3))。あるいは74年のダービー2着馬インターグツドなどを送り出している。現在は日高軽種馬農業協同組合の理事を務める3代目場主の富田秀一さん(65)が30へクタールの土地と20頭超の繁殖牝馬を揃えて、若いスタッフとともに強い馬づくりに励んでいる。ファインチョイスは富田牧場に08年5月の京都新聞杯(Jpn2)(勝馬メイショウクオリア)以来、3年ぶりの重賞優勝をもたらした。

 「新馬戦でよい競馬をしてくれましたが、何しろまだキャリアの浅い馬ですからね。どんな競馬をしてくれるのか半信半疑でしたが、強い勝ち方をしてくれました。私自身も大変嬉しいですが、厩舎の方々や馬主さんの期待に応えてくれたことの方が嬉しいです」と代表の富田秀一さんは笑顔でレースをふりかえってくれた。

 「牧場時代から、この年に生まれた牝馬グループの中では評価の高かった馬です」と牧場時代の印象を語ってくれた。1歳違いの弟も同じアドマイヤムーンの産駒。その事実は雄弁だ。

 そして、40年近い歴史を持つ中期育成牧場「オロマップ育成牧場」の広い放牧地でたっぷりと鍛えられた同馬は、本格的な育成を施すために新ひだか町のヤマダステーブルへと移動する。同ステーブルの山田秀人社長は「牝馬ですから最初はカリカリしたところがありましたが、調教を積むにつれて体がしっかりしてきました。1月生まれの割には華奢なところがあったのでメニューには気を使いましたが、送り出すときには抜群の動きをするようになっていましたね」と成長力を絶賛。「レースぶりには高いセンスを感じさせます。折り合いに不安はないようなので、距離もある程度は融通が利くと思いますよ」と期待している。

 そんなファインチョイスの活躍に「お母さんのアフレタータは違う牧場で生まれた馬なんですが、縁があって当牧場に迎え入れることができました。JRAで4つも勝ってくれた馬で、若いうちから重賞勝馬を送り出してくれて嬉しい限りです」と富田さんは声を弾ませている。「今年はスペシャルウィークの牝馬を生んでくれました。大切に育てていきたいと思っています」と第2、第3のファインチョイス生産へ意欲を見せている。