重賞ウィナーレポート

2011年05月22日 東海S G2

2011年05月22日 京都競馬場 曇 不良 ダ 1900m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ワンダーアキュート

プロフィール

生年月日
2006年03月14日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:20戦9勝
総収得賞金
876,306,000円
カリズマティック(USA)
母 (母父)
ワンダーヘリテージ(USA)  by  Pleasant Tap(USA)
馬主
山本 信行
生産者
フクダファーム (三石)
調教師
佐藤 正雄
騎手
和田 竜二
  • ワンダーヘリテージと今年の当歳(牡)
    ワンダーヘリテージと今年の当歳(牡)
  • 父はケイムホームです
    父はケイムホームです
  • ワンダーグラスと今年の当歳(牝)
    ワンダーグラスと今年の当歳(牝)
  • 父はストラヴィンスキーです
    父はストラヴィンスキーです

 中京競馬場の改修工事のため、京都競馬場で行われた東海ステークス(G2)は5歳馬ワンダーアキュートがレコード勝ち。G1で好走歴のあるシルクメビウス、テスタマッタ、バーディバーディといった有力古馬を撃破し、重賞勝利をまた一つ積み重ねた。

 本馬の生産は新ひだか町三石のフクダファーム。本馬の半兄で種牡馬入りしたワンダースピードやキクノサリーレといった重賞勝ち馬が生まれている。繁殖牝馬は10頭。

 同牧場の福田真一さんにお話を伺った。今回は出産・種付け時期でもあり、自宅のテレビで観戦していたという。「G2でメンバーが揃っていましたし、道悪で時計の出やすい馬場に対応できるか心配はありましたが、強い競馬でしたね。昨年は長らく休養していたので、3歳時の力が戻るか不安もありましたが、佐藤正雄厩舎の皆さん、和田竜二騎手をはじめ、携わってくれた皆さんのおかげです。オーナーもたいへん喜んでいました。」と、笑みをこぼした。ダート路線ですっかり有名になったワンダー兄弟。本馬の半兄ワンダースピードと合わせると重賞は8勝目。“兄弟揃って偉い馬だ”と福田さんは感慨深げに話す。

 牧場時代のワンダーアキュートについては、「上の兄は気性の強いところがありましたが、この馬は手のかからない、大人しいタイプでした。」と、振り返る。1歳秋まで同牧場で過ごし、浦河町の吉澤ステーブルで育成された。

 母はアメリカ産のワンダーヘリテージ。タップダンスシチーの父として知られるPleasant Tapの血を引く。現役時代は未勝利に終わったが、母として2頭の重賞ウイナーを送り出し、繁殖牝馬としては抜群の成績を残している。

 「母馬は人には悪さはしませんが、馬同士では強く、ボス的存在です。牧場に来た当時はタップダンスシチーもデビューしていなかったし、未知な血統でどうかと思いましたが、配合もハマって素晴らしい結果を運んでくれました。良い馬にめぐり逢うことができましたよ。」と、福田さんは語る。ワンダーヘリテージはこれまで9頭の仔を産み、今年はエンパイアメーカーの種付けを試みている。4番仔で2勝したワンダーグラスは里帰りし、跡取りの牝馬も心配ご無用だ。

 牧場では本馬の妹、弟が順調に育っている。1歳は父アルデバランの牝馬、当歳は父ケイムホームの牡馬がいる。福田さんによると、「1歳は手がかからない馬で、芝が向きそうな感じです。当歳はやんちゃで元気いっぱい。均整のとれた馬体をしています。」出世した兄に続き、相性の良いJBBA種牡馬との配合でまた長打を狙っている。

 ワンダーアキュートは夏場を充電期間にあて、吉澤ステーブルで過ごすようだ。福田さんも久しぶりに会いに行く予定でいる。「次は秋のG1になると思いますが、出られるだけでもありがたいことだし、とにかく無事に走ってきて欲しいです。都合がつけば応援に行きたいと思っています。」と、福田さん。

 再び大舞台へ、胸高鳴る秋となりそうだ。半兄ワンダースピードは僅かの差でG1制覇に届かなかったが、G3、G2と快調に階段を上がってきた弟に、何とかG1の壁をぶち破って欲しい。