2011年04月23日 福島牝馬S G3
優勝馬:フミノイマージン
プロフィール
- 生年月日
- 2006年03月14日 05歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:16戦5勝
- 総収得賞金
- 290,283,000円
- 母 (母父)
- シンコウイマージン(USA) by Dixieland Band(USA)
- 馬主
- 谷 二
- 生産者
- シンコーファーム (門別)
- 調教師
- 本田 優
- 騎手
- 太宰 啓介
新潟競馬場で行われた福島牝馬S(G3)は格上挑戦だった前走の中山牝馬S(G3)でも2着に好走していたフミノイマージンが、9番人気の低評価を覆し後続を2馬身突き放す完勝で重賞初制覇。手綱をとった太宰啓介騎手にとっても初めての重賞勝ちとなった。
同馬を生産したのは日高町のシンコーファーム。代表の井ノ上忠宏さんは、当日テレビの前で生産馬を応援していた。「前走の中山牝馬S(G3)でもメンバー中もっとも早い上がりを叩きだしていたことから、今が絶好調と感じ、どんなレースをしてくれるかとても楽しみにしていました。直線抜け出した後もぐんぐん伸びて、強い勝ち方でしたね」と喜びを語った。
フミノイマージンの母、シンコーイマージンは97年の当歳時に米国のせりで購入され日本に輸入された。中央3戦(3着2回)、地方1戦(2着1回)、わずか4戦で繁殖入りとなった経緯は繁殖としての成功を見据えてのことだった。「牝系にステークスウィナーがズラリ。これだけの血統に加えて素晴らしい馬体の持ち主でしたから、競馬に使っていけばいずれ勝てることは解っていました。でも、ここで消耗させるよりはと早々に繁殖入りさせました。父Dixieland Bandの肌馬は米国で一番旬な血統と言われていますし、これで正解だったと思います」と目を細めた。
筋肉が勝った胴詰まりの短距離馬体型だというシンコーイマージンには同タイプの種牡馬が配合された。3年目、これまでと違うタイプの種牡馬を求め、誕生したのがフミノイマージンだった。
「これまで生まれた産駒とは全然違い、いかにもマンハッタンカフェらしいスラッとした線の奇麗な馬でした。配合種牡馬を選ぶ時は常に“こんな子供が生まれたらいいな”と想像して決めますが、これほど期待通りの馬が生まれることは滅多にないです。体型だけでなく“距離延長”もしっかり叶いましたし、そこがまた嬉しかったですね」
生まれ落ちからいい馬と感じた井ノ上代表のインスピレーションは成長するごとに自信を深め、2007年北海道サマーセール・サラブレッド1歳に上場されると、当日の牝馬最高価格となる903万円で落札された。この金額での落札は井ノ上さんにとって最高の評価となった。
「生産者である自分がしたことはここまで。牧場を送り出したあとのことは馬主、調教師、騎手をはじめとする関係者の皆さんが大事に作り上げた結果です。真面目で丈夫な馬でしたから、今まで通り元気に走り続けて欲しいです」と、充実の一途をたどる生産馬にエールを送った。