重賞ウィナーレポート

2011年04月17日 マイラーズC G2

2011年04月17日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シルポート

プロフィール

生年月日
2005年03月24日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:35戦9勝
総収得賞金
397,328,000円
ホワイトマズル(GB)
母 (母父)
スペランツァ  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
百万 武夫
生産者
タイヘイ牧場 (静内)
調教師
西園 正都
騎手
小牧 太

 安田記念(G1)を目指す名マイラーが集う第42回マイラーズカップ(G2)は、新ひだか町のタイヘイ牧場生産のシルポートが堂々と逃げ切り、今春の京都金杯(G3)に続いて重賞2勝目を記録した。

 青森県八戸市にあるタイヘイ牧場は創業昭和12年という歴史ある牧場だ。現在は、新ひだか町で生産をし、その後は広大な敷地のある本場で中期育成を行なっている。

 自宅のテレビで観戦していた六郎田靖社長は「牧場としてはキングストリートと2頭出しでした。ただ、人気がありません(7番人気)でしたし、スタートしてハナに行くまで脚を使わされたのでちょっと流れが厳しいなと、最初はそう思いましたね」とレースを振り返ってくれた。前半3ハロンは35秒0。半マイルは46秒6と流れは早い。テレビの画面が18頭の隊列を映し出し、そして前を行くシルポートをとらえたときには「もう後続に3~4馬身の差をつけて逃げていました。どうなるかと思いましたが、そのまま十分な手応えのまま4角をまわったときには、もう勝てると思いましたよ」と声を弾ませた。

 シルポートの祖母フジャブは六郎田社長が愛国で買い求めて輸入した馬だ。自身は英国で1勝のみだったが、その後に半妹のトランクイリティレイク(父ラーヒ)がゲイムリーH(米G1)イエローリボンS(米G1)などに勝ったことから、再度ラーヒを配合するために渡米させるほどの期待馬だった。残念ながら、その仔は牡馬だったが、多くの牝馬を生んでファミリーを広げている。シルポートの母スペランツァもその1頭だ。1回函館競馬初日にデビューし夏の北海道シリーズで5戦2勝2着2回3着1回。ウインラディウスやタシロスプリング、ヒマラヤンブルーなど、のち重賞勝馬に混じって堅実な成績を残している。

 血統にも大変造詣が深い六郎田社長は「ホワイトマズルとの配合は私自身が決めました。血統的な相性や体型から絶対によい仔を出してくれるという、確信のようなものがありましたよ」といい「実際に生まれた仔も大型でゆったりつくりの馬でした。私自身も手応えを感じていた馬ですが、馬主さんにも評価をいただいて嬉しかったのを覚えています」と当時をふり返った。

 そうした期待の大きさは、シルポートが育成に入ってからは確信に変わる。仕上がりもよく、動きも良かったのだが、入厩を直前に控えて怪我をしてしまう。「あのときは本当に残念でしたけど、若いうちに無理をしなかったから、こうして6歳になって重賞を2つも勝ってくれたのかな、とそう思っています」と喜びを語った。

 G3、G2と勝ち進み、次は念願のG1獲得を目指して京王杯スプリングC(G2)が有力だ。「今回もゴール前は流していたにもかかわらずに1分32秒台で勝ってくれました。前に行く馬なので目標にされる不利はありますが、この馬にたずさわった多くの人たちのためにも頑張ってほしいですね」と期待されている。