重賞ウィナーレポート

2011年04月02日 中山牝馬S G3

2011年04月02日 阪神競馬場 曇 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:レディアルバローザ

プロフィール

生年月日
2007年04月21日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:16戦4勝
総収得賞金
187,033,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
ワンフォーローズ(CAN)  by  Tejano Run(USA)
馬主
(株) ロードホースクラブ
生産者
ケイアイファーム (三石)
調教師
笹田 和秀
騎手
福永 祐一
  • 母のワンフォーローズ
    母のワンフォーローズ
  • ディープインパクトを受胎中
    ディープインパクトを受胎中
  • 繁殖部門の皆さんと共に
    繁殖部門の皆さんと共に
  • 牧場の放牧地
    牧場の放牧地

 中山牝馬ステークス(G3)はレディアルバローザが鋭い決め脚で他馬を一蹴。重賞馬の仲間入りを果たした。

 本馬の生産は新ひだか町三石のケイアイファーム。今春の牡馬クラシック有力馬ダノンバラードや、重賞獲りへ向けて勝ち星を積み重ねる古馬レディルージュ、ロードバリオスなど、魅力あふれる生産馬が目下の競馬場をにぎわせている。

 同牧場の繁殖スタッフ・杉山寿広さんにレースの感想を伺うと、「優勝できて本当に嬉しいです。今回は格上挑戦という形でしたが、これまで重賞で上位に来ていましたし、いずれ重賞馬になれる馬だと期待していました。後ろからいく戦法の馬で、これまでは不完全燃焼に終わったレースもありましたが、今回はこの馬の力が存分に生きましたね。」と、喜びを語った。レースは牧場の事務所でスタッフと共に観戦。直前に行われた小倉の特別競走でも生産馬レディパレードが優勝しており、度重なる勝利にどっと沸いたという。

 牧場時代の本馬については、「キングカメハメハの特徴がよく出ていましたね。動きが良く、素軽い身のこなしが目立っていました。」と、杉山さん。放牧地でぴょんぴょんと飛び跳ねていた姿に、秘める力を感じていたという。同級生の重賞馬シンメイフジらと一緒に1歳夏まで過ごし、その後は同牧場の育成部門に移って鍛錬を積まれた。

 本馬の母はカナダ産のワンフォーローズ。15勝を挙げ、3年連続でカナダの最優秀古馬牝馬に輝いた。アメリカの繁殖セールで同牧場が購入。実績馬でもあり、高値での取引となったという。父Tejano Runはケンタッキーダービー2着馬で、日本での直仔はほとんどいない。母馬については、「パワーがあって、どっしりした馬ですね。良いお母さんです。配合の選択肢が広いというのも強みですね。」と、杉山さん。馬格は雄大で落ち着いている。まだ12歳と若く、頼もしい存在だ。

 本馬はワンフォーローズの初仔で、2番仔に父ディープインパクトの2歳牝、3番仔に父ネオユニヴァースの1歳牡がいる。杉山さんによると、「2歳はレディアルバローザと雰囲気が似ており、能力は高そうです。1歳は動きが良いですね。やんちゃなところはありますが、この気性が良い方に向いてくれればと思います。」とのお話。ともに順調に育っているという。ワンフォーローズは現在、ディープインパクトの仔を受胎しており、5月出産予定だ。

 待望の初タイトルを手にし、伸び盛りの4歳として大きな可能性を感じるレディアルバローザ。今後の走りにも注目したい。杉山さんは、「次はヴィクトリアマイル(G1)を目指すようですね。相手は強化されますが、好勝負をして欲しいです。」と、期待を込める。牧場では大半の出産が終わったが、今度は連日種付けをこなす。とりわけ多忙な時期の中で、本馬の活躍は何よりの励みとなったことだろう。「また重賞の取材を受けられるように頑張ります。」と、杉山さん。過去から未来へ。スタッフの皆さんと笑顔で記念写真に収まると、再び強い馬づくりの現場に戻っていった。