2011年03月26日 フラワーC G3
優勝馬:トレンドハンター
プロフィール
- 生年月日
- 2008年04月25日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:4戦3勝
- 総収得賞金
- 78,559,000円
- 母 (母父)
- ロイヤルペルラ by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- 飯田 正剛
- 生産者
- 千代田牧場 (静内)
- 調教師
- 松田 博資
- 騎手
- 岩田 康誠
東日本大震災の影響で、史上初めて阪神開催となった第25回フラワーカップ(G3、芝1800m)には桜花賞(G1)、オークス(G1)を目指す18頭が出走し、新ひだか町の千代田牧場が生産したトレンドハンター(牝3、栗東・松田博資厩舎)が1分47秒0で優勝した。初めての芝コースで大仕事をやってのけた。
同馬は、父マンハッタンカフェ、母ロイヤルペルラ(母の父ブライアンズタイム)という血統。千代田牧場ゆかりのビューチフルドリーマー系ワールドハヤブサ分岐ではなく、近親に米国の名牝レディーズシークレット(米年度代表馬)がいる血統だ。
「祖母のスターマイライフはキーンランドのジュライセールで大きな期待を込めて購入した馬です。米年度代表馬レディーズシークレットの半妹で、父ストームキャット(米チャンピオンサイアー)という誰もが欲しがる血統でしたが、運良く落札することができました」と20年前の出来事を飯田正剛社長は教えてくれた。
競走馬としてのスターマイライフは未勝利戦を7馬身差で圧勝し、格上初戦で2着するなど底を見せないまま繁殖牝馬となったものの、これまでに生んだ仔がすべて牝馬ということもあって、期待ほどの結果を残せないままだった。そんなスターマイライフ産駒のロイヤルペルラ(11歳、父ブライアンズタイム)が4番目に生んだ仔がトレンドハンターだ。
「牧場時代から雄大な馬格で目立つ1頭でした。ただ、この馬に限らず現在の3歳世代は蹄に問題が多く出た世代でした。スタッフと装蹄師、獣医師がひとつになって問題に取り組んで、乗り越えてくれました。そういう意味で、この世代の活躍は本当に嬉しいです」と口元を緩ませた。そんな千代田牧場が生産した3歳世代は、今回の勝利で20勝目となった。これは、3月終了時点で日高地区ではダントツのトップだ。
「いつも言うことですが、特別なことは何もしていません。配合から生産、育成、調教、入厩というサイクルの中で、北海道の牧場と千葉の牧場の全員が、馬にとって最善の方法を考え、そして共通意識を持つ。そうした積み重ねの結果だと思っています。だから、手掛けた馬の活躍は本当に嬉しいです」と誇らしげだ。
トレンドハンターはデビュー前の追いきりでレーヴディソールをあおるような動きを見せている。初戦は出遅れて2着だったものの、その後はダートで2連勝「芝の中距離レースは牡馬との顔合わせになる。確実に2勝目をあげてクラシックへ挑む」という青写真どおりの軌跡を描いている。前走のレース中に6針縫う外傷を負ったために予定していたクイーンC(G3)を使えなかったのは予定外だったというが、中山で行なわれるはずのフラワーC(G3)が阪神開催になって輸送の負担が消えたのは嬉しい誤算だ。
この勝利で、桜花賞(G1)にはホエールキャプチャとの2頭出しとなった。「昨年、一昨年は出走させることの難しさを痛感しました。無事に桜花賞(G1)を迎えたい」と静かに意気込みを語ってくれた。