2011年03月21日 フィリーズレビュー G2
優勝馬:フレンチカクタス
プロフィール
- 生年月日
- 2008年03月31日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦3勝
- 総収得賞金
- 80,202,000円
- 母 (母父)
- ブラッシュウィズテキーラ(USA) by Broad Brush(USA)
- 馬主
- (株) ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
- 生産者
- 服部 牧場 (静内)
- 調教師
- 大竹 正博
- 騎手
- 北村 宏司
桜花賞(G1)への切符を賭けたトライアル、フィリーズレビュー(G2)は関東馬フレンチカクタスが快勝。初の関西遠征も何のその、見事な決め脚で桜前線に名乗りを上げた。
本馬は皐月賞馬イシノサンデーの故郷、新ひだか町静内の服部牧場の生産馬。昨年は同郷ロックハンドスターが圧倒的な強さで岩手競馬3冠を達成し、地元ファンを虜にしている。牧場は静内神森に本場、新冠町西泊津に分場を構え、現在、繁殖牝馬が22頭、スタッフ8名が働いている。
同牧場・専務取締役の服部健太郎さんはレース当日、阪神競馬場でその走りを見守っていた。「パドックではどっしり構えて落ち着いていました。レースが1週延びて調整が難しい状況だったと思いますが、厩舎の皆さんが狂いなく仕上げてくれたのがわかりました。最後の直線では北村宏司騎手が馬場の良いところに持ち出し、馬もよく伸びてくれました。先頭に立った時は応援にも力が入りましたね。まだ実感が沸きませんが、レース直後から沢山のお祝いのお電話やメールをいただき、嬉しさがこみ上げてきました。クラブの会員の皆さん、厩舎、騎手、牧場スタッフのおかげです。感謝しています。」と、喜びを語ってくれた。開業後、初の重賞タイトルとなった大竹調教師、ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオンの会員の方と共に、栄えある口取り写真に収まった。
本馬の母はアメリカ産のブラッシュウィズテキーラ。現役時代はアメリカG2で2着の実績がある。2002年のアメリカ・キーンランドの繁殖セールに上場され、同牧場が購入した。伸びのある雄大な馬体と、日本に合うと踏んでいたブロードブラッシュの血統が購入の決め手になった。
お腹に宿していた父ヴィクトリーギャロップの持込馬・ダイワキングコンは伏竜Sを制し、皐月賞(G1)にも駒を進めた。フレンチカクタスは現5歳の全兄の馬体が素晴らしく、再びタイキシャトルを交配することになり、誕生した。牧場時代の本馬について服部さんは、「体高はあるけど薄くて、脚が長い馬でした。モデル体型の馬でしたね。」と、振り返る。2歳2月まで同牧場で過ごし、その後は門別の白井牧場で更なる育成が施された。
「2歳になって馬に幅が出てきました。大柄の牝馬でしたが、白井牧場さんのおかげで順調に成長してくれました。」と、服部さん。関東の新鋭、大竹厩舎からデビューし、安定したレースぶりでG1への道を切り拓いた。これまで右回り、左回りで共に勝利。道悪馬場でも輸送競馬でも結果を出した。若き牝馬ながら頼もしく映る。
本馬の半兄ダイワキングコンが出走した皐月賞(G1)にはディープインパクトがいた。今回もまた評判高い2歳女王が立ちはだかるが、競馬に絶対はない。服部さんは、「胸を張って挑んで欲しいですね。今は無事にゲートを出てくれたらと願っています。」と、エールを送る。選び抜かれた牝馬たちに与えられた晴れ舞台はもうすぐ。彼女の強さに心を打つ者はきっとまた増えるはずだ。