重賞ウィナーレポート

2011年02月05日 小倉大賞典 G3

2011年02月05日 小倉競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サンライズベガ

プロフィール

生年月日
2004年04月23日 07歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:32戦6勝
総収得賞金
245,853,000円
アドマイヤベガ
母 (母父)
オーパスワン  by  Theatrical(IRE)
馬主
松岡 隆雄
生産者
下河辺牧場 (門別)
調教師
音無 秀孝
騎手
秋山 真一郎
  • 牧場では十数頭の当歳馬が誕生している
    牧場では十数頭の当歳馬が誕生している
  • 牧場の厩舎
    牧場の厩舎
  • 牧場の看板
    牧場の看板

 冬のローカル重賞、小倉大賞典(G3)。ハンデ戦らしく、入線後の着順掲示板には写真判定の文字が出た。勝利が目前に迫っていた古馬3頭の激しい叩き合いは、重賞制覇の重みを表す熾烈な幕切れ。譲れない争いを制したのは3歳春からこのシビアな戦いに挑んできた7歳馬サンライズベガだ。オーナーゆかりの小倉の地で、待望の初重賞制覇の瞬間が待っていた。

 本馬の生産は日高町の下河辺牧場。名馬の故郷としてファンにもおなじみの牧場だ。最近ではダッシャーゴーゴー、ブロードストリート、レッドスパーダなどの生産馬が大舞台で好勝負を演じている。

 同牧場の下河辺行雄さんにレースの感想を伺うと、「これまで重賞で2、3着には来ていて、能力があることは証明していたので、ようやく重賞ウイナーの仲間入りを果たすことができたという気持ちです。重賞制覇は牧場スタッフの士気も上がりますし、たいへん嬉しいです。今年で7歳になりますが、息長く一線で活躍してくれて、丈夫な馬ですね。牧場のコンセプトに合った競走馬ですよ。」と、喜びを語ってくれた。レース当日、現地・小倉競馬場へは下河辺俊行社長が応援に駆けつけ、オーナーと共に歓喜の瞬間を分かち合った。

 母オーパスワンは現役時代3勝。祖母は同牧場がアメリカで購入してきた馬で、オーパスワンは持込馬だ。今年20歳となるが年齢以上に若く、健康状態は良好。今春、種付けを予定している。母について行雄さんは、「配合する種牡馬の良さを引き出してくれる馬で、優秀な繁殖牝馬です。雄大で手のかからない馬ですね。」と、紹介。本馬の500kgを超す恵まれた馬体は母譲りかもしれない。

 牧場時代の本馬については、「立ち姿のきれいな、見栄えのするタイプでした。すこぶる順調に育ちました。」と、行雄さん。しなやかな馬という印象が残っているという。

 本馬の兄弟には半姉エクシードワン、ピサノキャニオンがJRA2勝、半姉アッチッチがJRA3勝をマークし、3頭とも繁殖入りしている。本馬の重賞制覇でこのファミリーへの期待度も更に高まったことだろう。

 本馬の3歳下の半妹オーパスクイーンは現JRA500万下で、この先ステップアップが十分見込める一頭だ。デビュー前の3歳には父タニノギムレットの牝馬(馬名:オークヴィル)と、父ネオユニヴァースの2歳牡馬がいる。行雄さんは、「3歳の牝馬はがっちりした馬で、デビューも近いでしょう。2歳の牡馬はネオユニヴァースの特徴がよく出ていて、共に楽しみな馬です。」と、期待を寄せている。

 本馬はこれまで32戦を消化したが、堅実なレースぶりが光り、ほとんど掲示板を外していない。今後も安定感たっぷりの走りを見せてくれそうだ。

 「これからも無事に走って、コンスタントに重賞戦線で活躍してくれたら嬉しいですね。」と、行雄さんはエールを送る。今後も芝中距離路線の顔として競馬場を盛り上げて欲しい存在だ。ひとまず、ひたむきに走り続けて手にした勲章に、大きな拍手を送りたい。