重賞ウィナーレポート

2010年10月23日 富士S G3

2010年10月23日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンヨーヨー

プロフィール

生年月日
2006年04月07日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:11戦6勝
総収得賞金
212,846,000円
ダンスインザダーク
母 (母父)
フローラルグリーン  by  フォーティナイナー(USA)
馬主
(株) ダノックス
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
音無 秀孝
騎手
北村 友一

 父ダンスインザダーク、そして近親にナリタトップロード。血統のイメージからすれば、ステイヤーとの印象を持ってしまいがちなダノンヨーヨーであるが、初の重賞制覇を果たしたのは、全6勝をあげている得意なマイルの舞台だった。

 「育成を行ってきた頃から相当の能力を持ち合わせた馬だと思っていました。ただ、2歳時の頃など様々なトラブルがあって順調に行かず、結果として3歳の4月までデビューがずれ込んでしまいました」と話すのは、ノーザンファーム空港牧場の犬伏健太調教主任。当時のダノンヨーヨーは、馬体こそ目立っていたものの、気性に難しい面が見られており、体と心のバランスが上手く取れていなかったような状態だったとも振り返る。

 「結局、3歳の年明けまでここで調教することになりました。その後、2戦目で未勝利を勝ち上がってくれたのは良かったのですが、歩様が悪くなって再び牧場へと戻ってくることとなったのです」(犬伏調教主任)

 牧場に帰ってきたダノンヨーヨーは、脚元の様子を見ながら軽めの調教を施されていく。だが、当初に思っていたほど状態は悪くなく、徐々に調教のペースを上げていくと、その年の年末には最入厩を果たすことができた。

 「その後すぐに音無厩舎へと行く機会があったのですが、いい状態だと聞いていました。ただ、その後、順調にレースを使いながら、クラスを上げていったのは驚きました」(犬伏調教主任)

 復帰を果たしたダノンヨーヨーは、複勝圏を外さない安定したレースを続けていく。1000万下条件を連勝し、格上挑戦で望んだポートアイランドSも優勝。初の重賞挑戦となった富士S(G3)でも、G1戦線で活躍を見せている馬を相手に2番人気の支持を集めた。

 「ポートアイランドSの時もそうですが、富士S(G3)のレースを見ても、流れが速くなるほど気持ちよく走っているような印象を受けました。ただ、今回のレースも抜け出してから少しよれてみせるところは、精神面の幼さなのかもしれませんが(笑)」(犬伏調教主任)

 一気にマイル界の新星となったダノンヨーヨーだが、犬伏調教主任はここまで馬の状態を見ながらレースを使ってきた、音無調教師への感謝を口にする。「自分の厩舎から音無先生のところに行ったオウケンブルースリ(牡5)もそうですが、馬の調子を見ながら大事にレースを使ってくれるので、古馬となってからも長く戦える馬が出てくるのでしょう」(犬伏調教主任)

 この後、出走が予定されているマイルCS(G1)でも人気を集めそうなダノンヨーヨーだが、犬伏調教主任は競馬場まで応援に行くことを決めている。「オーナーのダノックスさんには、高い能力を持った馬を任せていただいていますし、その期待に応えるだけの結果を残して欲しいですね」(犬伏調教主任)

 重賞をたやすく突破した今のダノンヨーヨーなら、G1の壁など関係ないのかもしれない。