2010年09月26日 神戸新聞杯 G2
優勝馬:ローズキングダム
プロフィール
- 生年月日
- 2007年05月10日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦4勝
- 総収得賞金
- 694,668,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- ローズバド by サンデーサイレンス(USA)
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 橋口 弘次郎
- 騎手
- 武 豊
ダービーの借りを返した勝利。今年のダービー馬と2着馬が共に出走した神戸新聞杯(G2)は、ゴール前での壮絶な叩き合いを制したローズキングダムが、薔薇一族悲願のG1制覇に近づく勝利をあげた。
「馬体こそ増えての出走となりましたが、パドックからも状態のいいのは見て取れましたし、いい結果を残してくれるのではと思いながらレースを見ていました」と笑顔を見せるのは、ローズキングダムの育成を手がけてきたノーザンファーム早来牧場の林宏樹厩舎長。思い入れの強い育成馬が出走するときには、1人でレースを見るようにしているという林厩舎長だが、今回のレースも車のTVでレースを見ていた。
林厩舎長がそこまでローズキングダムに思い入れをしていたのにも理由がある。実はこの夏、ローズキングダムはノーザンファーム早来牧場へと戻り、林厩舎長自らが跨って調整を行っていた。
「牧場にはダービーの後に戻ってきました。順調に調教メニューも消化し、坂路では手応え充分の動きを見せていました。調教師からはしっかりと飼い葉を食べさせて欲しいと言われていたので、時計を出すよりも馬体を増やすことに重点を置いていました」(林厩舎長)
その成果はダービー時よりもプラス22㎏という充実した馬体となって現れた。ちなみにその馬体重は、林厩舎で計測した馬体重とほぼ一緒。輸送や調教などにも増減しない馬体を、ローズキングダムはこの一夏で手に入れていた。
ダービー以来の2400mとなった神戸新聞杯(G2)だが、普段から折り合いの付くローズキングダムにとっては、距離の不安は無かったと林厩舎長は語る。
「牧場だけでなく、厩舎に入ってからの調教も決して目を引く動きや時計こそ出さないのですが、それでもレースではしっかりと結果を残してくれる。こんな調教がしやすい馬は見たことがないですし、だからこそレースでも結果を残せるのでしょう」(林厩舎長)
ダービー馬エイシンフラッシュとの3度目の対決も期待される菊花賞(G1)。また、ライバルだけでなく、夏に力を付けてきた新興勢力との対決や、初距離となる芝3000mなど、ローズキングダムのクラシック制覇には幾つものハードルが待っている。
「先ほども話したとおりに折り合いも付く馬ですし、距離が伸びて引っかかるような走りはしないはずです。むしろ最近の菊花賞は上がり勝負になることが多いですし、前で競馬を進めながら、速い脚で3ハロンをまとめられるローズキングダムにとっては、好材料の方が多いのではないのでしょうか」(林厩舎長)
菊花賞はどちらで見られるのですか?という質問に対して、「げんも担ぎたいですし、また1人で見ようと思います」と林厩舎長は苦笑いを浮かべる。今年の菊花賞(G1)で、林厩舎長が歓喜の声をあげる場所は、どうやら車中となりそうだ。