重賞ウィナーレポート

2010年09月19日 ローズS G2

2010年09月19日 阪神競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アニメイトバイオ

プロフィール

生年月日
2007年01月30日 03歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:10戦3勝
総収得賞金
211,660,000円
ゼンノロブロイ
母 (母父)
レーゲンボーゲン  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
バイオ (株)
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
牧 光二
騎手
後藤 浩輝

  ローズS(G2)に出走した3頭のノーザンファーム生産馬(アニメイトバイオ、ワイルドラズベリー、アパパネ)。実はその3頭共に、ノーザンファーム空港牧場の同じ育成厩舎で育てられてきた馬だった。

  「この3頭の中で、夏に調整で戻ってきていたのがアニメイトバイオでした。3頭共にいいレースを見せて欲しいと思っていましたが、ついこの間まで自分の元にいただけに、アニメイトバイオだけにはひいき目がありました」と笑顔で話してくれるのは、ノーザンファーム空港牧場の窪田淳厩舎長。オークスの後から8月中旬まで窪田さんの元で調整されることとなったアニメイトバイオ。その時、管理をする牧調教師とは調整の確認をした程度で、具体的な指示は伝えられなかったという。

  「牧先生とは同じ方向性や考えを持っているので、調整でも今までの流れを崩さないように心がけました。こちらに戻ってきたアニメイトバイオはそれほど疲れも見られませんでしたし、入厩まで苦労したことは無かったですね」(窪田厩舎長)

  今から振り返っても「ベストな調整」だったと窪田厩舎長に言わせたアニメイトバイオは、予定通りにローズS(G2)へと登録する。そこには夏の期間を国枝厩舎で過ごしたアパパネ、そして栗東近くの育成牧場で調整されたワイルドラズベリーと窪田さんの厩舎を巣立った3頭の名前もあった。

  最後の直線、窪田厩舎の3頭の中で、真っ先に飛び出したのは二冠牝馬のアパパネだった。しかし、そこからクラシックを制したような末脚が見られない。伸びあぐむアパパネを見て、「なら私が頑張る」と言わんばかりに大外を強襲してきたのがワイルドラズベリー。その時、牧場での併せ馬を思い出したかのように、2頭の間を縫ってきたのがアニメイトバイオだった。

  「一瞬、育成馬だけでワンツースリーフィニッシュを決めてくれるのではないかと思ったのですが、ワンツーフィニッシュでも凄いことだと思います。勝利という結果も嬉しいですが、重賞という高いレベルに3頭も育成馬を送り出せたことも光栄ですね」(窪田さん)

  勝ったアニメイトバイオ、2着のワイルドラズベリーだけでなく、4着のアパパネには史上3頭目となる牝馬三冠の期待もかかる秋華賞(G1)。窪田さんは巻き返しが期待されるアパパネだけでなく、3頭全てを応援したいと話す。

  「当日は京都競馬場に応援に行く予定です。厩舎としてもまだ秋華賞は勝っていないレースなので、3頭のいずれかが勝ってくれて、自分たちにとっての牝馬三冠を達成してほしいですね。できることなら、3頭1着同着があってほしいと思うのですが」そう話して窪田さんは苦笑いを浮かべた。