重賞ウィナーレポート

2010年06月20日 マーメイドS G3

2010年06月20日 阪神競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ブライティアパルス

プロフィール

生年月日
2005年04月14日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:14戦6勝
総収得賞金
128,551,000円
ダイタクリーヴァ
母 (母父)
ストームサンデー(USA)  by  Storm Bird(CAN)
馬主
小林 昌志
生産者
雅 牧場 (平取)
調教師
平田 修
騎手
藤岡 康太
  • 雅牧場の生産スタッフの皆さん
    雅牧場の生産スタッフの皆さん
  • 母ストームサンデー
    母ストームサンデー
  • 母ストームサンデー~2
    母ストームサンデー~2
  • ストームサンデー2010(牡、父ダイタクリーヴァ)
    ストームサンデー2010(牡、父ダイタクリーヴァ)
  • お祝いのお花
    お祝いのお花

 牝馬限定のハンデキャップ競走「第15回マーメイドS」(G3)は、ブライティアパルスが2番手追走から直線の競り合いをクビ差制して重賞初勝利。同馬を生産した雅牧場にとっては、ダイタクバートラムの04年ステイヤーズS(G2)以来、じつに5年半ぶりのJRA重賞勝利となった。

 単勝3番人気ながら、「人気先行だと思っていたし、期待しないで気楽に見ていた」と雅牧場代表の清水哲朗さん。レース当日は法事のため、親戚一同と共にテレビで観戦していた。

 「まさか勝つとは思っていなかったので、本当にビックリしました。オーナーにとっては初めての中央重賞ですから、ああ、勝てて良かったって。嬉しいのはもちろんですが、ホッとした気持ちが大きかったですね」

 「『秘訣は何?』ってよく聞かれますが、時別なことは何もしていないんです」と清水さんは笑うが、積極的に繁殖の入れ替えを行うなど、小規模なりに常に上を目指してきた。

 そして何より、人との繋がりを大事にしてきた。 

 生産部門を任されている鈴木三二男さんは、16歳の時に牧場で働きはじめて、以来28年の付き合いになる。情にもろく、馬に真摯な鈴木さんに、清水さんは全幅の信頼を寄せてきた。

 「彼の下で働いてくれている2人も、こちらが驚くほど真面目で、馬に愛情を持ってくれています。私はここ数年、馬に触っていませんからね(笑)。余計な手出しはしないで、一切を彼らに任せています」

 清水さんは今年いっぱいで一線を退いて、鈴木さんに跡を譲ることが決まっているという。血縁を超える絆を築くことは、もしかしたらG1馬を育てることよりも難しいかもしれない。

 「彼と出会い、育てたことが、私のホースマン人生最大の功績」

 こう話す清水さんは、やはり名伯楽なのだろう。

 ブライティアパルスについて「小さい頃は華奢で、それほど印象に残る馬ではありませんでした」と話すのは、来年から牧場を任される鈴木さん。父ダイタクリーヴァも同牧場の生産馬だけに、喜びもひとしおだ。

 「本当に、ビックリで。嬉しかったですね」
 
 言葉数こそ少ないが、その目はずっと優しいかたちをしている。「この仔はお姉ちゃんによく似ています」と、ブライティアパルスの全弟にあたる『ストームサンデーの2010』を頼もしそうに見つめた。

 母仔を囲んで、みんな笑顔の記念撮影。

 雅牧場の未来はこれからも、ずっと、続いていく。