重賞ウィナーレポート

2010年05月08日 新潟大賞典 G3

2010年05月08日 新潟競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ゴールデンダリア

プロフィール

生年月日
2004年05月04日 06歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:18戦5勝
総収得賞金
181,664,000円
フジキセキ
母 (母父)
ナイストレビアン  by  ノーザンテースト(CAN)
馬主
田中 八郎
生産者
大栄牧場 (新冠)
調教師
二ノ宮 敬宇
騎手
柴田 善臣
  • 今年誕生したゴールデンダリアの全妹
    今年誕生したゴールデンダリアの全妹
  • 母のナイストレビアン
    母のナイストレビアン
  • 浜口社長と共に
    浜口社長と共に
  • 牧場では桜が咲いていた
    牧場では桜が咲いていた
 新潟競馬場で行われた新潟大賞典(G3)は6歳馬ゴールデンダリアが快勝。待望の重賞初制覇を飾った。

 ゴールデンダリアの生産は新冠町の大栄牧場。過去には1997年の菊花賞(G1)2着馬ダイワオーシュウ、1999年に新潟大賞典(G3)、新潟記念(G3)を制したブリリアントロードや、2002年のクイーンS(G3)優勝馬ミツワトップレディを生産している。最近ではスマートギアが強烈な末脚を武器にオープンクラスで活躍中だ。現在、繁殖牝馬は25頭。

 同牧場の浜口寛社長はレース当日、新潟競馬場まで応援に駆け付け、栄えある瞬間に立ち会うことができた。浜口社長は、「レース前に馬を見ていたら、落ち着いていて状態は良さそうだなと感じました。新潟競馬場は直線が長いので、後ろから来る馬に差されないか心配でしたが、強い内容で勝ってくれましたね。3歳時から重賞を勝てる能力を感じさせる馬でしたが、故障の期間が長かったですからね。嬉しさと安堵の気持ちでいっぱいです。オーナーもご家族で応援にいらしていて、たいへん喜んでいました。」と、歓喜の場面を思い起こす。

 3歳時に出走した日本ダービー(Jpn1)では6着に健闘し、続くセントライト記念(Jpn2)でも2着に好走。将来有望な若馬として注目を集めたが、蹄の病気である蟻洞(きどう)にかかり1年半以上の休養を余儀なくされた。不屈の闘志で昨年6月に復活すると、秋にはオープン入りを果たすや、一戦毎に高い能力が目覚め、いよいよ本領発揮の時を迎えた。

 本馬の牧場時代の印象については、「気が強いところがありましたね。やんちゃで元気一杯の馬でしたよ。」と、浜口社長。牧場の起伏に富んだ広々とした放牧地で、すくすくと成長した。

 大種牡馬ノーザンテーストを父に持つ本馬の母ナイストレビアンは、牧場が早くから繁殖牝馬として高い可能性を見込んでいた一頭。「祖母のクリスタルガーデンは気が強い馬でしたが、ナイストレビアンは人間に従順な馬で、受胎も良いです。今年はゴールデンダリアの全妹が産まれました。雰囲気はお兄さんに似ていますよ。」と、浜口社長は紹介する。

 全妹は3月20日に誕生し、順調に育っている。今年はブライアンズタイムを交配し、無事受胎したそうだ。1歳には父ブライアンズタイムの牡馬がおり、こちらは大きくて迫力のある馬とのこと。2歳にはゴールデンダリアと同じ田中オーナー所有で父マンハッタンカフェの牡馬が、デビューへ向けてファンタストクラブで育成されている。共に魅力十分のカップリングであり、兄に続く優秀な産駒の登場を予感させる。

 故障による辛い日々を乗り越え、ついに重賞タイトルを手にしたゴールデンダリア。近走では古馬の強豪馬相手に互角以上の競馬を見せており、今後の戦いぶりが楽しみな存在だ。浜口社長は、「6歳ですが休養期間が長かったので馬はまだ若いですし、今年は活躍の年になってくれれば嬉しいですね。」と、期待を込める。古馬になってからも成長を遂げるノーザンテーストのエッセンスも十分後押しをしてくれそうだ。