重賞ウィナーレポート

2010年05月09日 NHKマイルC G1

2010年05月09日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンシャンティ

プロフィール

生年月日
2007年04月28日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:5戦3勝
総収得賞金
185,734,000円
フジキセキ
母 (母父)
シャンソネット(GB)  by  Mark of Esteem(IRE)
馬主
(株) ダノックス
生産者
ダーレー・ジャパン・ファーム有限会社 (門別)
調教師
松田 国英
騎手
安藤 勝己
  • ダーレージャパンファームのスタッフの皆さん
    ダーレージャパンファームのスタッフの皆さん
  • ダーレージャパンファームの放牧地
    ダーレージャパンファームの放牧地
 第15回NHKマイルカップ(G1)は、前半1000mの通過が56秒3という稀にみるハイペースとなった。とはいえ、良馬場を味方につけた先行各馬もそう簡単には止まらない。4コーナーを回った時点でダノンシャンティの位置取りは後方16番手だった。

 「届くか――」TV画面を見つめる福原博さん(ダーレー・ジャパン・ファーム繁殖主任)の目線が左右した約30秒後、ダノンシャンティは涼しい顔で前の15頭を抜き去っていた。電光掲示板に点った赤文字の数字は1.31.4。従来の記録を0秒1更新する日本レコードだった。

 これがダーレー・ジャパン・ファームの自家生産馬として、記念すべき初めてのG1勝利。一緒にTV観戦をしたスタッフの中には、感極まって泣き出す者もいた。福原さんは言う。「結果がみんなの自信になるんです」

 2004年の創業から今年で6年目。ダノンシャンティが生まれた当時は60頭前後だった繁殖牝馬も、今では軽く100頭を超える。牧場の規模が大きくなればなるほど、必然的に超えるべきハードルも上がってくる。「これまでも重賞レベルだと思える生産馬は何頭もいましたが、なかなか成績には直結しませんでした。どうしてだろう、何か間違っているのかな、って考えてしまうこともありましたね」

 日高地区最大級となったビッグファームが求めていたのは、何よりもまず結果だった。
「だから、今回の勝利でようやくスタートラインに立てたような気持ちです。マグレではなく、これを今後ずっと続けていかないと。自信を持って前に進んでいきたいですね」

 ダノンシャンティの未来もまた、上へ上へと伸びている。もはや王道に近づきつつあるNHKマイルカップ(G1)→日本ダービー(G1)の“変則二冠”達成へ。生産馬初のダービー出走とあって、福原さんの気持ちも徐々に高ぶってきている。

 「まだ粗削りな部分が見受けられますし、これからひとつひとつ強くなっていくのでしょう。でも、出るからには上を目指してほしい。彼らしい走りができれば、良い結果がついてくると信じています」

 2007年度産駒の頂点を目指して。ゲートインの時は刻一刻と迫っている。