重賞ウィナーレポート

2009年12月20日 朝日杯フューチュリティS Jpn1

2009年12月20日 中山競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ローズキングダム

プロフィール

生年月日
2007年05月10日 02歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
694,668,000円
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
橋口 弘次郎
騎手
小牧 太
 青いバラは咲かないというのが、これまでの定説だった。それは青いバラの花言葉が「不可能」であることにも証明されている。しかし、バイオテクノロジーの進歩により、04年に青いバラが誕生。今年の秋からは切り花として一般流通するようになった。

 競馬界の「バラ一族」も、G1とは無縁というのが定説となりつつあった。しかし、青いバラを誰もが愛でるようになった今年、ついにローズキングダムが朝日杯フューチュリティS(Jpn1)で大輪の花を咲かせてみせた。

 「何もかも上手くレースが運んだな、と思ったのがレース後の素直な気持ちでした」とはノーザンファームの中尾義信氏。確かにレースを振り返ると、道中は好位置につけ、直線でもスムーズに抜け出して見せただけでなく、上がり3ハロンの脚はメンバー中最速と、非の打ち所のないレースを見せてくれた。

 「直線でもムチを使っていなかったように、小牧騎手もこの馬の特性を掴んだ乗り方をしてくれていました。それは勝利騎手インタビューでの『完勝でした』という言葉にも表れていたと思います」(中尾氏)

 この朝日杯フューチュリティS(Jpn1)まで、バラ一族が積み重ねてきた重賞タイトルの数は15個。そして挑んできたG1挑戦の数は34回。さぞ中尾さんもこの勝利を感慨深く捕らえているのだろうかと思っていたが、実は全く正反対の気持ちを抱いていた。

 「これまではどうしてG1を勝てなかったのだろうか、と思い続けていました。それを導く手だてを牧場側としても試行錯誤してきたのは事実ですし、感慨深いというよりも、ホッとした気持ちでしょうか」(中尾氏)

 これで先週の阪神ジュベナイルフィリーズ(Jpn1)に続き、生産馬で牡馬と牝馬のG1を優勝。他のG1レースよりも育成調教の貢献度が高いと言われる2歳G1の勝利は、改めてノーザンファームの育成技術の高さを証明したような気もしてくる。

 「勝利という結果を残せたのは嬉しく思いますが、両方のG1レースにまだ出走馬を送りださなくてはいけなかったとも感じています。今週のラジオNIKKEI2歳S(Jpn3)だけでなく、来年の3歳重賞からも有力馬が出てくると思いますが、その中に生産馬が数多く入っていて欲しいですね」(中尾氏)