2010年02月06日 小倉大賞典 G3
優勝馬:オースミスパーク
プロフィール
- 生年月日
- 2005年03月25日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:24戦6勝
- 総収得賞金
- 136,814,000円
- 父
- アドマイヤベガ
- 母 (母父)
- シルクスパークル by フォーティナイナー(USA)
- 馬主
- (株) オースミ
- 生産者
- 長谷川牧場 (門別)
- 調教師
- 南井 克巳
- 騎手
- 藤岡 康太
中京競馬場で行われた小倉大賞典(G3)は新進気鋭の5歳馬オースミスパークが見事逃げ切り勝ちを決めた。
生産は日高町の長谷川牧場。過去にはマイルCS(G1)で2着に好走したイイデザオウや、短距離~マイル路線でタフに活躍したビコーアルファーを生産している。今回の勝利は牧場にとって嬉しいJRA重賞初制覇となった。繁殖牝馬は14頭、ご家族の方と従業員1名で牧場を切り盛りしている。
同牧場の長谷川文雄さんにレースのご感想を伺うと、「今回は掲示板に載ってくれればと上出来だろうと思って見ていました。4コーナーをまわった時に騎手の手応えが良かったので、これならと思いました。よく勝ってくれました。」と、笑みをこぼした。
牧場のお婆ちゃん、長谷川ふみさんも感激のご様子で、「涙が出ましたね。あまり人気もなかったし、強い馬も出走していたので、最後はひやひやしました。レースの後は次から次へとお祝いの電話やお花が届いて、本当に喜んでいます。牧場を支えている家族に感謝しています。長生きして良かったです。」と、胸の内を語ってくれた。レースリプレイを何度も見て、歓喜の瞬間をかみしめたそうだ。
本馬は2005年のセレクトセール当歳に上場され、2,200万円(税抜)で落札された。牧場時代の本馬については、「小粒だったけど馬は良かった。」と、文雄さんは振り返る。競り落とした(株)オースミの山路秀則オーナーは本馬を高く評価していたそうだ。「山路オーナーもこの馬を見て“良い馬だな”っておっしゃっていました。山路オーナーが生きている間に重賞の1・2フィニッシュを見せてあげたかった。天国で応援してくれたと思います。」と、昨年亡くなられた山路秀則オーナーへの思いを言葉にした。
2歳秋にデビューした本馬は2戦目で早々に初勝利を挙げると、3歳春には2勝目を飾り、ダービートライアルにも駒を進めた。その後3勝目までは時間を要したが、昨秋1000万クラスを卒業すると、一気に連勝を伸ばして重賞タイトルをものにした。
「はじめの頃はパドックでイレ込んでいた馬でしたが、厩舎の皆さんがテンションの高さをうまくおさめてくれていますよね。」と、文雄さん。“南井調教師の腕は超一流ですよ”と太鼓判を押していた。
長谷川牧場は繁殖牝馬の購入に積極的で、本馬の母シルクスパークルの母クリスザレディーは同牧場が社台グループ・繁殖牝馬ウインターセールで購入した。クリスザレディーの産駒クリスザブレイヴ(ノーザンファーム生産)は軽快な逃げ脚を武器に9勝を挙げた快速馬で、その姿はどことなくオースミスパークと重なる。文雄さんの奥様・律子さんは、「クリスザブレイヴは中山競馬場でレコードを持っている馬ですし、母系の良さが出てきましたね。」と、導入した血統の本領発揮に嬉しそうだ。
やんちゃな馬という母シルクスパークルは、初仔から5頭連続で牡馬を産んだ。「そろそろ牝馬も欲しいね。」と、文雄さん。明け2歳には父ロックオブジブラルタルの牡馬がいて、栗東・白井厩舎に入厩予定だ。「半弟の2歳馬はがっちりしていますね。気品があって、落ち着いている馬です。」と、文雄さんは紹介してくれた。
過去を振り返って“牧場に牡馬がいるだけで、調教師さんが何人も見に来ていた時代もあった”と、文雄さんは話す。近年の厳しい馬産地の情勢を受けて、現在は仕事に対する構え方も変わってきたという。文雄さんは、「昔は勝たなければダメだと肩ひじ張っていましたが、2、3年前から“面白いな、可笑しいな、儲からないな”と思いながら仕事をするようにしました。」と語る。角度を変えて仕事をするうちに、牧場もうまくまわってきたという。一昨年からは馬と牛が放牧地で選ぶ草が異なることに着目し、草地改良のために牛3頭を飼い始めた。馬と牛が同じ牧場内にいる光景は新鮮に映った。
オースミスパークは古馬重賞戦線の成長株として楽しみな存在だ。文雄さんは、「これからも無事に走って、ファンの期待に応えて欲しいですね。強い逃げ馬としてレースを盛り上げて、馬券も売れてくれるといいですね。」と、望みを語った。得意の戦法に磨きをかけ、更なる高みを目指して欲しい。
この機会に文雄さんが手助けしているある人物を紹介したい。文雄さんは漫画雑誌「ヤングチャンピオン」に今年4月から連載予定の、馬産地日高・ホッカイドウ競馬を題材にした競馬漫画「スピーディワンダー」考案の協力に応じている。
原作者の綱元将也さんは、「文雄さんからは色々なお話を聞かせていただきました。お世話になっている長谷川牧場生産馬の重賞勝ちは、まるで自分のことのように嬉しいです。」と、舞い込んだニュースに沸き立っていた。綱元さんは今後も牧場へ足を運ぶそうで、“作品を通じて競馬業界を盛り上げていきたい”と意気込んでいる。
生産は日高町の長谷川牧場。過去にはマイルCS(G1)で2着に好走したイイデザオウや、短距離~マイル路線でタフに活躍したビコーアルファーを生産している。今回の勝利は牧場にとって嬉しいJRA重賞初制覇となった。繁殖牝馬は14頭、ご家族の方と従業員1名で牧場を切り盛りしている。
同牧場の長谷川文雄さんにレースのご感想を伺うと、「今回は掲示板に載ってくれればと上出来だろうと思って見ていました。4コーナーをまわった時に騎手の手応えが良かったので、これならと思いました。よく勝ってくれました。」と、笑みをこぼした。
牧場のお婆ちゃん、長谷川ふみさんも感激のご様子で、「涙が出ましたね。あまり人気もなかったし、強い馬も出走していたので、最後はひやひやしました。レースの後は次から次へとお祝いの電話やお花が届いて、本当に喜んでいます。牧場を支えている家族に感謝しています。長生きして良かったです。」と、胸の内を語ってくれた。レースリプレイを何度も見て、歓喜の瞬間をかみしめたそうだ。
本馬は2005年のセレクトセール当歳に上場され、2,200万円(税抜)で落札された。牧場時代の本馬については、「小粒だったけど馬は良かった。」と、文雄さんは振り返る。競り落とした(株)オースミの山路秀則オーナーは本馬を高く評価していたそうだ。「山路オーナーもこの馬を見て“良い馬だな”っておっしゃっていました。山路オーナーが生きている間に重賞の1・2フィニッシュを見せてあげたかった。天国で応援してくれたと思います。」と、昨年亡くなられた山路秀則オーナーへの思いを言葉にした。
2歳秋にデビューした本馬は2戦目で早々に初勝利を挙げると、3歳春には2勝目を飾り、ダービートライアルにも駒を進めた。その後3勝目までは時間を要したが、昨秋1000万クラスを卒業すると、一気に連勝を伸ばして重賞タイトルをものにした。
「はじめの頃はパドックでイレ込んでいた馬でしたが、厩舎の皆さんがテンションの高さをうまくおさめてくれていますよね。」と、文雄さん。“南井調教師の腕は超一流ですよ”と太鼓判を押していた。
長谷川牧場は繁殖牝馬の購入に積極的で、本馬の母シルクスパークルの母クリスザレディーは同牧場が社台グループ・繁殖牝馬ウインターセールで購入した。クリスザレディーの産駒クリスザブレイヴ(ノーザンファーム生産)は軽快な逃げ脚を武器に9勝を挙げた快速馬で、その姿はどことなくオースミスパークと重なる。文雄さんの奥様・律子さんは、「クリスザブレイヴは中山競馬場でレコードを持っている馬ですし、母系の良さが出てきましたね。」と、導入した血統の本領発揮に嬉しそうだ。
やんちゃな馬という母シルクスパークルは、初仔から5頭連続で牡馬を産んだ。「そろそろ牝馬も欲しいね。」と、文雄さん。明け2歳には父ロックオブジブラルタルの牡馬がいて、栗東・白井厩舎に入厩予定だ。「半弟の2歳馬はがっちりしていますね。気品があって、落ち着いている馬です。」と、文雄さんは紹介してくれた。
過去を振り返って“牧場に牡馬がいるだけで、調教師さんが何人も見に来ていた時代もあった”と、文雄さんは話す。近年の厳しい馬産地の情勢を受けて、現在は仕事に対する構え方も変わってきたという。文雄さんは、「昔は勝たなければダメだと肩ひじ張っていましたが、2、3年前から“面白いな、可笑しいな、儲からないな”と思いながら仕事をするようにしました。」と語る。角度を変えて仕事をするうちに、牧場もうまくまわってきたという。一昨年からは馬と牛が放牧地で選ぶ草が異なることに着目し、草地改良のために牛3頭を飼い始めた。馬と牛が同じ牧場内にいる光景は新鮮に映った。
オースミスパークは古馬重賞戦線の成長株として楽しみな存在だ。文雄さんは、「これからも無事に走って、ファンの期待に応えて欲しいですね。強い逃げ馬としてレースを盛り上げて、馬券も売れてくれるといいですね。」と、望みを語った。得意の戦法に磨きをかけ、更なる高みを目指して欲しい。
この機会に文雄さんが手助けしているある人物を紹介したい。文雄さんは漫画雑誌「ヤングチャンピオン」に今年4月から連載予定の、馬産地日高・ホッカイドウ競馬を題材にした競馬漫画「スピーディワンダー」考案の協力に応じている。
原作者の綱元将也さんは、「文雄さんからは色々なお話を聞かせていただきました。お世話になっている長谷川牧場生産馬の重賞勝ちは、まるで自分のことのように嬉しいです。」と、舞い込んだニュースに沸き立っていた。綱元さんは今後も牧場へ足を運ぶそうで、“作品を通じて競馬業界を盛り上げていきたい”と意気込んでいる。