重賞ウィナーレポート

2009年09月27日 オールカマー G2

2009年09月27日 中山競馬場 晴 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マツリダゴッホ

プロフィール

生年月日
2003年03月15日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:24戦10勝
総収得賞金
650,139,000円
サンデーサイレンス(USA)
母 (母父)
ペイパーレイン(USA)  by  Bel Bolide(USA)
馬主
高橋 文枝
生産者
岡田スタツド (静内)
調教師
国枝 栄
騎手
横山 典弘
  • 喜びの岡田牧雄社長
    喜びの岡田牧雄社長
  • ご自宅にはお祝いの花が飾られていた
    ご自宅にはお祝いの花が飾られていた
  • 牧場看板
    牧場看板
  • マツリダゴッホの母ペイパーレイン(一昨年撮影)
    マツリダゴッホの母ペイパーレイン(一昨年撮影)
 産経賞オールカマー(G2)はマツリダゴッホが堂々の逃げ切り勝ち。同レース3連覇の偉業を達成した。生産は新ひだか町の岡田スタッド。主な生産馬には、交流重賞路線で快進撃を続けているスマートファルコンや芝マイル戦線で活躍しているマイネルレーニアらがいる。

 同牧場の岡田牧雄社長はレースを振り返って、「近走は負けていましたが、出負けして前に行けなかったことや、気性面で繊細なところがあって思うように力を発揮できていませんでした。今回は前のポジションで競馬をして欲しいと思っていましたが、その通り前々で気持ち良く走れていましたね。最初の1000mを61秒で通過したので、このペースなら押し切ってくれると思いました。馬の状態も良かったですね。」と、笑顔で語った。

 一昨年のグランプリホースにも輝いた本馬だが、輸送が苦手という面を持ち合わせていた。しかし、今回は増減なしの馬体重での出走。不安を抱える輸送もクリアし、相性の良い舞台で強いマツリダゴッホが帰ってきた。岡田社長は、「輸送については年齢とともに良くなってきましたね。秋になって調子を上げるタイプのようにも感じますし、夏を越してこれから更に実が入ってくるでしょう。」と、語る。今後は秋のG1を2戦する予定で、天皇賞(秋)(G1)かジャパンカップ(G1)に出走して有馬記念(G1)という青写真。前哨戦を勝った勢いに乗って、まだまだ素晴らしいパフォーマンスを期待できそうだ。

 本馬の半弟には父ロージズインメイの牡馬がおり、このほど美浦トレーニングセンターに入厩。デビューへ向けて現在調整中だ。半弟について岡田社長は、「マツリダゴッホとは少しタイプが違いますね。幅があって500kg近くあるかな。血統的に奥手のタイプだと思いますので、競馬を使っていくほどに力を付けていく馬だと思います。ちょうどゴッホと入れ替わる形で登場になりますし、兄に続いて活躍して欲しいですね。」と、期待をかけている。

 同牧場は静内目名の本場の他に、同町豊畑にノルマンディーファーム、日高町門別厚賀にオカダスタッドを構え、繁殖牝馬は100頭を超えるという。現在、夜間放牧の土地を求めて規模を拡大中だそうだ。

 「丈夫な馬を作るということを牧場では重視しています。広い放牧地で夜間放牧することで豊富な運動量をこなし、早期から坂路調教に取り組んで、丈夫で長持ちする馬づくりへ結び付けています。マツリダゴッホもケガや病気のない丈夫な馬です。体質が良くて競走生活も長いですし、種牡馬としての魅力も十分でしょう。」と、岡田社長。その言葉からは本馬の強さの背景が見えてくる。

 最後に、「今回勝てたことで、スピードシンボリとシンボリルドルフの持つ中山競馬場重賞・最多勝記録に並んだので、是非、中山重賞V7を達成して欲しいですね。記録に残る馬になって欲しいと思います。あとはこの秋の2戦、良いレースを見せて欲しいですね。」と、エールを送った。この秋はマツリダゴッホが記録に残る馬への階段を歩んでいく姿をじっくりと目に焼き付けておきたい。