2008年03月16日 中山牝馬S G3
優勝馬:ヤマニンメルベイユ
プロフィール
- 生年月日
- 2002年02月18日 06歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:22戦6勝
- 総収得賞金
- 224,094,000円
- 母 (母父)
- ヤマニンアリーナ by サンデーサイレンス(USA)
- 馬主
- 土井 肇
- 生産者
- 錦岡牧場 (新冠)
- 調教師
- 栗田 博憲
- 騎手
- 柴山 雄一
季節の移ろいを感じることが出来ないほどに馬産地の春は忙しい。気がつけば放牧地を覆っていた雪は溶け、母親に寄り添う当歳馬の数も日に日に増えている。種馬場には種付を待つ馬運車がところせましとならび、獣医師も往診車で駆け回っている。
そんなとき、最も心の支えとなるのが生産馬たちの活躍だ。それが、早くから素質を評価されながらもなかなかきっかけがつかめなかった馬の活躍ともなれば、喜びもひとしおだ。
「母のヤマニンアリーナも期待されながらも、大きいところには手が届かなかったですからね。ケンタッキーオークスを勝ったティファニーラス系の良血馬だからといって特別扱いしたわけではないけど、こうして重賞を勝ってくれるとほっとしたような気分ですね」と繁殖場長の高見進さん。「坂をあがったところではやっぱり声がでましたよね。スタッフみんなでテレビ観戦でしたけど、ゴール前は“そのまま、そのまま”の連呼でしたよ」と振り返った。「栗田調教師からは調子が良いと聞いてましたから、応援馬券を少しだけ買っていました」とスタッフの須藤竜太さん。「ぼくと入れ違いくらいに出て行った馬ですからね。ほとんど記憶にはないのですが、一度だけ手綱を引いた覚えがあります。そのときはおとなしい馬でしたよね」と相好を崩した。
ヤマニンベルメイユは3歳5月とデビューが遅れ、そのレースで致命的な不利をこうむって4着。立て直して初勝利は秋の札幌開催の未勝利戦となったが、2戦1勝で強気にローズSに挑戦(4着)するほど素質を高く評価された馬だった。昨年の同レースは逃げて時計差なしの3着。福島牝馬Sも勝馬からコンマ1秒差の3着だった。
「勝つということは、それだけ簡単じゃないということです。それだけに勝ったときは嬉しい」と愛馬がなしえた6歳春の初重賞優勝に高見さんが再び笑顔を見せた。しかし、喜んでばかりもいられない。
生産牧場は出産、種付のピークを迎えようとしている。身内で行ったささやかな祝勝会当日も1頭の出産があり、繁殖スタッフはそっと会場を抜け出して出産に立ち会ったという。「ぼくたちの仕事は、派手ではないかもしれない。でも社長から預かった馬すべてを受胎させて、生まれた仔はすべて競馬場に送り出したい。それは本当に難しいことなんだけど、そのためなら努力を惜しまないよ」という高見さんの声に居合わせたスタッフ全員がうなずいた。
競馬は、そういう人たちによって支えられているのだ。
そんなとき、最も心の支えとなるのが生産馬たちの活躍だ。それが、早くから素質を評価されながらもなかなかきっかけがつかめなかった馬の活躍ともなれば、喜びもひとしおだ。
「母のヤマニンアリーナも期待されながらも、大きいところには手が届かなかったですからね。ケンタッキーオークスを勝ったティファニーラス系の良血馬だからといって特別扱いしたわけではないけど、こうして重賞を勝ってくれるとほっとしたような気分ですね」と繁殖場長の高見進さん。「坂をあがったところではやっぱり声がでましたよね。スタッフみんなでテレビ観戦でしたけど、ゴール前は“そのまま、そのまま”の連呼でしたよ」と振り返った。「栗田調教師からは調子が良いと聞いてましたから、応援馬券を少しだけ買っていました」とスタッフの須藤竜太さん。「ぼくと入れ違いくらいに出て行った馬ですからね。ほとんど記憶にはないのですが、一度だけ手綱を引いた覚えがあります。そのときはおとなしい馬でしたよね」と相好を崩した。
ヤマニンベルメイユは3歳5月とデビューが遅れ、そのレースで致命的な不利をこうむって4着。立て直して初勝利は秋の札幌開催の未勝利戦となったが、2戦1勝で強気にローズSに挑戦(4着)するほど素質を高く評価された馬だった。昨年の同レースは逃げて時計差なしの3着。福島牝馬Sも勝馬からコンマ1秒差の3着だった。
「勝つということは、それだけ簡単じゃないということです。それだけに勝ったときは嬉しい」と愛馬がなしえた6歳春の初重賞優勝に高見さんが再び笑顔を見せた。しかし、喜んでばかりもいられない。
生産牧場は出産、種付のピークを迎えようとしている。身内で行ったささやかな祝勝会当日も1頭の出産があり、繁殖スタッフはそっと会場を抜け出して出産に立ち会ったという。「ぼくたちの仕事は、派手ではないかもしれない。でも社長から預かった馬すべてを受胎させて、生まれた仔はすべて競馬場に送り出したい。それは本当に難しいことなんだけど、そのためなら努力を惜しまないよ」という高見さんの声に居合わせたスタッフ全員がうなずいた。
競馬は、そういう人たちによって支えられているのだ。