重賞ウィナーレポート

2010年02月27日 アーリントンC G3

2010年02月27日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:コスモセンサー

プロフィール

生年月日
2007年03月14日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:6戦3勝
総収得賞金
210,501,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
ケイアイバラード  by  リヴリア(USA)
馬主
(有) ビッグレッドファーム
生産者
川越ファーム (浦河)
調教師
西園 正都
騎手
石橋 脩
  • 母のケイアイバラードと右が川越敏樹社長と左が息子さんの祐樹さん
    母のケイアイバラードと右が川越敏樹社長と左が息子さんの祐樹さん
  • エントランスの看板
    エントランスの看板
  • 牧場風景
    牧場風景
 阪神競馬場で行われた第19回アーリントンC(G3)は、スタートから先手を奪った5番人気のコスモセンサーが直線後続を突き放し、逃げ切り勝ちで重賞初勝利を飾った。

 コスモセンサーを生産した浦河町の川越ファームは、01年の桜花賞(G1)、秋華賞(G1)などG1を3勝したテイエムオーシャン以来8年振りとなる重賞制覇の美酒に酔いしれた。

 出産、種付けシーズンを迎えて いる馬産地は1年で1番忙しい時期。川越ファームも例外ではなく、当日は自宅で生産馬を応援した。「今の時期はやっぱり家を空けられなくて。代わりに息子に行ってもらいました」と川越敏樹社長。大学生の祐樹さんは故郷を離れ京都で暮らしているため、新馬戦以降の全レースを応援に行っているそうだ。

 「今年緒戦ということもあるし相手は強いし、勝つとは思ってなかったというのが正直なところですね。うちの馬はマイペースで走れて、人気馬たちは勝負所でゴチャ付いて抜け出せなかった。今回は展開が向いたけど、次は楽に行かせてもらえるかどうか…」と冷静に分析した。

 コスモセンサーは地方交流競走を含め4勝をあげたケイアイバラードの6番仔として生を受けた。「母もそうですが、この血統は総じて大柄で、気性はおとなしくて従順。この馬も女の子みたいにおしとやかで、素直な子馬でした」と川越社長。真っ直ぐに成長したコスモセンサーは、2008年のセレクトセール1歳に上場される。

 キングカメハメハ産駒の牡馬、 見栄えのする立派な馬格に期待は大きく、お代は1200万円に決めた。しかし、その場では声がかからず主取りとなってしまう。「キングカメハメハ2年目の 産駒で、しかも1歳での上場。種牡馬の人気が一番落ちている時期だったのが不運でした」と川越社長は振り返る。その後再上場のオファーを受け950万円(税抜き)で落札されるのだが、実はその時、同じように再上場を求めて厩舎に駆けつけた人物がいた。その人物こそ、現在コスモセンサーを管理している西園正都調教師 だった。

 「せり場で気に入って、厩舎まで見に来ていたこと知ったのはコスモセンサーが入厩した後のことだったんです。それまで西園先生とは面識がなかったので。でも、もうすでに別の方と交渉していたのでその場は諦めたそうなんですが…。縁があったんですね」と、繋がった不思議な縁を思い返していた。

 アーリントンC(G3)の翌日行われた阪急杯(G3)も制し、2日連続重賞勝ちを収めた西園調教師に見初められたコスモセンサー。ニュージーランドT(G2)をステップに父も制したNHKマイルC(G1)へ挑む。