2009年03月15日 中山牝馬S G3
優勝馬:キストゥヘヴン
プロフィール
- 生年月日
- 2003年04月25日 06歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:26戦5勝
- 総収得賞金
- 328,988,000円
- 馬主
- 吉田 和子
- 生産者
- 正和山本牧場 (門別)
- 調教師
- 戸田 博文
- 騎手
- 横山 典弘
桜花賞馬キストゥヘヴンが有終の美を飾った。ハンデ戦のこのレースは戦前から混戦を呈していたが、横山典弘騎手の絶妙な手綱捌きに応え、GⅠ馬の意地を見せて競走生活を締めくくった。
生産した正和山本牧場は日高町正和に位置する。ちょうど日高町と新冠町の境にある。このレースで2着に入ったピンクカメオは同牧場と目と鼻の先にあるパカパカファームの生産馬で、牧場のご近所同士のワン・ツーとなった。
「以前、パカパカファームのハリーさんがアイルランドの競馬誌に掲載されたキストゥヘヴンの記事を、わざわざ額に入れてプレゼントしてくれたことがありました。今回のレース後はすぐに牧場に来てくれて、『優勝おめでとう!この地域の馬、走るね』と、祝福してくれました。」
と、山本正秋社長は嬉しそうに語った。
桜花賞制覇の後は勝ちに恵まれずGⅠレースの出走が叶わないこともあったが、トレセンでポリトラックを使いだしたことが功を奏し、昨年9月には3つ目の重賞タイトルを手にしている。実績馬ゆえに斤量条件には恵まれず、今回は56.5kgのトップハンデを背負うことになったが見事引退に花を添えた。
「小柄な馬だけどいつも目一杯走ってくれる馬で、本当に頭が下がりますね。」
と、山本社長はキストゥヘヴンの頑張りに感謝しきりのご様子だ。
過去を遡ると、本馬は1歳時のサマーセールで主取りになったいきさつがある。後の大活躍を思えば意外なところだ。
「当時は体が小さくて、父のアドマイヤベガも新種牡馬で未知数だったこともあり、購買者の反応が薄かった。」
と、山本社長は振り返る。夏の新馬戦が始まり、アドマイヤベガ産駒が活躍を見せるや状況が一変、買い手のつかなかった本馬に関心が集まった。
「主取りになった後、アドマイヤベガ産駒が勝ってくれたのが幸いしました。夏のセリでは下見でも購買者に素通りされていた馬が、電話で問い合わせを受けるようになった。」
夏に比べ、小ぶりだった馬体も成長し、続いて上場したオータムセールでは希望価格をゆうに上回る価格で落札された。
これまで14頭もの仔を出産した母馬ロングバージンは今も元気に過ごしている。
「今年22歳になりますが、年齢ほどの衰えはないですね。カイ食いも良いです。普段はおとなしいけど、何かの加減で怒らせるとうるさい馬ですね。」
と、山本社長は母馬の近況を教えてくれた。今年はハーツクライを種付けする予定で、
「キストゥヘヴンの父アドマイヤベガがトニービンの肌にサンデーサイレンスという血統だから、同じ血統構成のハーツクライが一番良いかなと思いました。年齢的にもう何頭も仔を残せないと思うと、少しでも良い種牡馬を選びたい。牝馬ができたら繁殖牝馬としてこの血統をつなげたいですね。」
と、将来を見つめている。
キストゥヘヴンの半弟(牡2歳・父ゼンノロブロイ)は日高町富川の加藤ステーブルで育成中だ。山本社長は、
「半弟の2歳はキストゥヘヴンとはちょっと違ったタイプですね。体型的には母馬似かな。わりとガサ(馬格)もあったし、長い距離でもやれそうです。」
と、期待を寄せている。
最後に、山本社長に長きに活躍した本馬への今の思いを尋ねると、
「ご苦労さまでした、ありがとう!という気持ちでいっぱいです。一番の思い出のレースは桜花賞。毎年春が来ると、あの時の感動を思い出しますよ。」
と、語った。今回の勝利で、正和山本牧場にとって思い出の季節がより深みを増したことだろう。
生産した正和山本牧場は日高町正和に位置する。ちょうど日高町と新冠町の境にある。このレースで2着に入ったピンクカメオは同牧場と目と鼻の先にあるパカパカファームの生産馬で、牧場のご近所同士のワン・ツーとなった。
「以前、パカパカファームのハリーさんがアイルランドの競馬誌に掲載されたキストゥヘヴンの記事を、わざわざ額に入れてプレゼントしてくれたことがありました。今回のレース後はすぐに牧場に来てくれて、『優勝おめでとう!この地域の馬、走るね』と、祝福してくれました。」
と、山本正秋社長は嬉しそうに語った。
桜花賞制覇の後は勝ちに恵まれずGⅠレースの出走が叶わないこともあったが、トレセンでポリトラックを使いだしたことが功を奏し、昨年9月には3つ目の重賞タイトルを手にしている。実績馬ゆえに斤量条件には恵まれず、今回は56.5kgのトップハンデを背負うことになったが見事引退に花を添えた。
「小柄な馬だけどいつも目一杯走ってくれる馬で、本当に頭が下がりますね。」
と、山本社長はキストゥヘヴンの頑張りに感謝しきりのご様子だ。
過去を遡ると、本馬は1歳時のサマーセールで主取りになったいきさつがある。後の大活躍を思えば意外なところだ。
「当時は体が小さくて、父のアドマイヤベガも新種牡馬で未知数だったこともあり、購買者の反応が薄かった。」
と、山本社長は振り返る。夏の新馬戦が始まり、アドマイヤベガ産駒が活躍を見せるや状況が一変、買い手のつかなかった本馬に関心が集まった。
「主取りになった後、アドマイヤベガ産駒が勝ってくれたのが幸いしました。夏のセリでは下見でも購買者に素通りされていた馬が、電話で問い合わせを受けるようになった。」
夏に比べ、小ぶりだった馬体も成長し、続いて上場したオータムセールでは希望価格をゆうに上回る価格で落札された。
これまで14頭もの仔を出産した母馬ロングバージンは今も元気に過ごしている。
「今年22歳になりますが、年齢ほどの衰えはないですね。カイ食いも良いです。普段はおとなしいけど、何かの加減で怒らせるとうるさい馬ですね。」
と、山本社長は母馬の近況を教えてくれた。今年はハーツクライを種付けする予定で、
「キストゥヘヴンの父アドマイヤベガがトニービンの肌にサンデーサイレンスという血統だから、同じ血統構成のハーツクライが一番良いかなと思いました。年齢的にもう何頭も仔を残せないと思うと、少しでも良い種牡馬を選びたい。牝馬ができたら繁殖牝馬としてこの血統をつなげたいですね。」
と、将来を見つめている。
キストゥヘヴンの半弟(牡2歳・父ゼンノロブロイ)は日高町富川の加藤ステーブルで育成中だ。山本社長は、
「半弟の2歳はキストゥヘヴンとはちょっと違ったタイプですね。体型的には母馬似かな。わりとガサ(馬格)もあったし、長い距離でもやれそうです。」
と、期待を寄せている。
最後に、山本社長に長きに活躍した本馬への今の思いを尋ねると、
「ご苦労さまでした、ありがとう!という気持ちでいっぱいです。一番の思い出のレースは桜花賞。毎年春が来ると、あの時の感動を思い出しますよ。」
と、語った。今回の勝利で、正和山本牧場にとって思い出の季節がより深みを増したことだろう。