2009年02月08日 シルクロードS G3
優勝馬:アーバンストリート
プロフィール
- 生年月日
- 2004年04月04日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/芦毛
- 戦績
- 国内:22戦6勝
- 総収得賞金
- 169,577,000円
- 母 (母父)
- タイキクリスティー(USA) by Theatrical(IRE)
- 馬主
- 後藤 繁樹
- 生産者
- 曾田農園 (静内)
- 調教師
- 野村 彰彦
- 騎手
- 福永 祐一
アーバンストリートが故郷・曾田農園に初の重賞勝ちをもたらした。
新ひだか町静内にある曾田農園(現・レキシントンファーム)は静内川中流域の広い河川敷に位置し、本馬の馬主である後藤繁樹氏が所有している。繁殖牝馬は17頭、スタッフ7名の牧場だ。
場長の正入木(しょういりき)健次さんはかつて働いた牧場でウインターSの勝ち馬ソダカザンやNHK杯を制したユートジョージの生産に携わり、GⅠ馬サニングデールを手掛けた経験も持つ。
「ここは川沿いで下が石の固い地盤だから、そこを馬が歩くことで脚元がしっかりするんですよ。だから、ウチの馬は脚元が丈夫な馬が多い。“エビ”(=屈腱炎。脚部の病気)にもならないですよ」
と、川辺を指さしながら、牧場環境の強みを教えてくれた。
レースの感想について伺うと、
「野村調教師から『調子は良いですよ。馬場さえ良ければ勝ち負けできる』と聞いていたので、ある程度上位争いができるのではと思って見ていました。差し馬だけに、道中包まれないか心配でした。平坦コースが合う馬なので、次走出走を予定している中京競馬場(高松宮記念)でのレースも楽しみですね」
と、目下の充実ぶりに期待を寄せていた。
本馬の当歳時については、
「瞬発力がある馬だと思いました。ちょっと小ぶりかなと思ったけど、馬の形は良かった。脚もまっすぐで、特に扱いに苦労することはなかった」
と振り返る。母系は実績馬が並ぶ活力あるファミリーで、短距離での優れたスピードは父スウェプトオーヴァーボードが伝える良さだ。
当歳、1歳時を無事に過ごしたものの、その後、思わぬアクシデントに見舞われた。3歳春のレースで惨敗が続き、馬の状態も良くなってこない。立て直しを図るために生まれ故郷へ帰ってくることとなった。そこで、経験豊富な正入木場長は異変に気付いた。
「牧場へ帰ってきて馬が歩いていると、首を使わないのですよ。何でこの馬は首を使わないのかな、おかしいなと思った。それで、首さしのあたりを触ってみると、何かコロコロするものがあったのですよ」
レントゲンを撮ってみると、異物が入っていることがわかった。何かの拍子で牧柵の破片(トゲのようなもの)が体に入ってしまっていたのだ。すぐに手術し、その後は別馬のように快進撃が始まった。かくしてアーバンストリートは重賞制覇へ昇りつめた。栄光の陰に隠れたエピソードだ。
最後に、正入木場長に牧場を切り盛りする中で重要視することは何か尋ねてみた。
「やっぱりスタッフの力だと思います。人間がしっかり扱わなければ、馬は良くなっていきませんから。それから、エサも大事です。スタッフにはとにかく『手まめに、食わせて。それが一番だよ』と言っています」
本馬は今回優勝したシルクロードSの出走馬中、2番目に馬体重が軽い馬だったが、最後の直線ではパワフルな大型馬たちを相手に瞬時に抜き去った。その爆発力は中身の詰まった実りある馬体から生み出されたものなのだろう。頼もしい育ての親の後押しを受けて、アーバンストリートの道は更なる高みへとつながっていく。
新ひだか町静内にある曾田農園(現・レキシントンファーム)は静内川中流域の広い河川敷に位置し、本馬の馬主である後藤繁樹氏が所有している。繁殖牝馬は17頭、スタッフ7名の牧場だ。
場長の正入木(しょういりき)健次さんはかつて働いた牧場でウインターSの勝ち馬ソダカザンやNHK杯を制したユートジョージの生産に携わり、GⅠ馬サニングデールを手掛けた経験も持つ。
「ここは川沿いで下が石の固い地盤だから、そこを馬が歩くことで脚元がしっかりするんですよ。だから、ウチの馬は脚元が丈夫な馬が多い。“エビ”(=屈腱炎。脚部の病気)にもならないですよ」
と、川辺を指さしながら、牧場環境の強みを教えてくれた。
レースの感想について伺うと、
「野村調教師から『調子は良いですよ。馬場さえ良ければ勝ち負けできる』と聞いていたので、ある程度上位争いができるのではと思って見ていました。差し馬だけに、道中包まれないか心配でした。平坦コースが合う馬なので、次走出走を予定している中京競馬場(高松宮記念)でのレースも楽しみですね」
と、目下の充実ぶりに期待を寄せていた。
本馬の当歳時については、
「瞬発力がある馬だと思いました。ちょっと小ぶりかなと思ったけど、馬の形は良かった。脚もまっすぐで、特に扱いに苦労することはなかった」
と振り返る。母系は実績馬が並ぶ活力あるファミリーで、短距離での優れたスピードは父スウェプトオーヴァーボードが伝える良さだ。
当歳、1歳時を無事に過ごしたものの、その後、思わぬアクシデントに見舞われた。3歳春のレースで惨敗が続き、馬の状態も良くなってこない。立て直しを図るために生まれ故郷へ帰ってくることとなった。そこで、経験豊富な正入木場長は異変に気付いた。
「牧場へ帰ってきて馬が歩いていると、首を使わないのですよ。何でこの馬は首を使わないのかな、おかしいなと思った。それで、首さしのあたりを触ってみると、何かコロコロするものがあったのですよ」
レントゲンを撮ってみると、異物が入っていることがわかった。何かの拍子で牧柵の破片(トゲのようなもの)が体に入ってしまっていたのだ。すぐに手術し、その後は別馬のように快進撃が始まった。かくしてアーバンストリートは重賞制覇へ昇りつめた。栄光の陰に隠れたエピソードだ。
最後に、正入木場長に牧場を切り盛りする中で重要視することは何か尋ねてみた。
「やっぱりスタッフの力だと思います。人間がしっかり扱わなければ、馬は良くなっていきませんから。それから、エサも大事です。スタッフにはとにかく『手まめに、食わせて。それが一番だよ』と言っています」
本馬は今回優勝したシルクロードSの出走馬中、2番目に馬体重が軽い馬だったが、最後の直線ではパワフルな大型馬たちを相手に瞬時に抜き去った。その爆発力は中身の詰まった実りある馬体から生み出されたものなのだろう。頼もしい育ての親の後押しを受けて、アーバンストリートの道は更なる高みへとつながっていく。