重賞ウィナーレポート

2010年05月15日 京王杯スプリングC G2

2010年05月15日 東京競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サンクスノート

プロフィール

生年月日
2005年03月19日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:17戦6勝
総収得賞金
133,671,000円
サクラバクシンオー
母 (母父)
スリーソウツ(USA)  by  Halo(USA)
馬主
下河邉 行雄
生産者
下河辺牧場 (門別)
調教師
二ノ宮 敬宇
騎手
蛯名 正義
  • 母のスリーソウツ
    母のスリーソウツ
  • 同

  • 妹のスリーソウツの09(牝、父アフリート)
    妹のスリーソウツの09(牝、父アフリート)
  • 同

 第55回京王杯スプリングC(G2)は、10番人気のサンクスノートが、逃げるアーバニティと直線マッチレースを展開し先頭に立つと、マルカフェニックスの急襲をクビ差抑えて重賞初制覇。勝ちタイム1分19秒8は、これまでのレコードタイムを0秒2更新するコースレコードだった。

 生産した日高町の下河辺牧場は、今年に入り東京新聞杯(G3)のレッドスパーダ、ニュージーランドT(G3)のサンライズプリンスにつづき3頭目の重賞勝ち馬を輩出した。

 「前走阪神牝馬S(G2)の時は前が開かず、脚を余してしまったので敗因ははっきりしていました。それでも10番人気でしたし、男馬に混じってどこまでやれるかな、と思う程度でまさか勝つとは…」当日、競馬場でレースを観戦していた下河辺行雄さんはこう振り返る。

 「気分屋なところがあって、何か嫌なことがあるとレースを辞めてしまうような難しい馬。スタート良く飛び出して、楽に2番手に着けられた時は“掲示板はあるかな”と期待しました。直線向いても後ろから来る馬が気になり半信半疑で、勝利を確信できたのは残り100mくらいでしたね。叫ぶ間もなくゴール板を通過していました」と笑う。

 サンクスノートは米国産の輸入馬、スリーソウツの8番仔としてこの世に生を受けた。
父サクラバクシンオー譲りのしなやかさと力強さを併せ持ち、育成段階に移ってからはバランスの良さが目をひく1頭だったが、重賞を勝つほどの馬に成長するとは、誰も想像していなかったそうだ。

 「スリーソウツは悍性のきつい馬で、牝馬は母の気性を受け継いでしまいそれがネックになっている部分があったのです。テンションが上がりすぎて競馬に行く前に燃え尽きてしまうような状態でした。でも、その悍性のきつさが上手くコントロールできれば、今回のような爆発力に繋がるわけですから。短期放牧を挟み、適度に息を抜きつつ使っていくローテーションがベストですね」と行雄さん。

 彼女の持ち味を発揮する確固たる手段が判明した今、新たな台風の目となり短距離路線を席巻することだろう。