重賞ウィナーレポート

2007年06月10日 エプソムC G3

2007年06月10日 東京競馬場 曇 稍重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エイシンデピュティ

プロフィール

生年月日
2002年04月09日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:19戦7勝
総収得賞金
441,045,000円
フレンチデピュティ(USA)
母 (母父)
エイシンマッカレン(USA)  by  Woodman(USA)
馬主
平井 豊光
生産者
栄進牧場 (浦河)
調教師
野元 昭
騎手
田中 勝春
  • 名古屋主任と母エイシンマッカレン
    名古屋主任と母エイシンマッカレン
  • 母エイシンマッカレン
    母エイシンマッカレン
  • 半妹の当歳(父クロフネ)
    半妹の当歳(父クロフネ)
  • 集牧風景~放牧馬の素直な行動にスタッフとの信頼関係が伺われる
    集牧風景~放牧馬の素直な行動にスタッフとの信頼関係が伺われる
  • 栄進牧場繁殖分場の遠景~浦河町絵笛
    栄進牧場繁殖分場の遠景~浦河町絵笛
 オーナーブリーダーの栄進牧場は、えりもに向かい浦河市街の手前の絵笛川流域にある。上流の上絵笛に中間育成を行なう本場と、下流の絵笛に繁殖分場、育成・調教は岡山県に持つ栄進牧場久世育成センターで行なっている。
 繁殖牝馬は現在27頭で、育成馬は約100頭を飼養するが、オーナーは米国などにも良血の繁殖牝馬を預託し、広い選択視の出来る中で良血の種牡馬を配合しながら生産活動をしている。

 本馬の母エイシンマッカレン(USA)は、米、仏国のGⅠ戦線で活躍した牝系の後継馬で、母の父(ブルードメア)がWoodmanという良血馬。生産馬ではないが、繁殖馬としての将来を見通し競走馬として輸入した期待馬だ。
 母は中央で2勝を上げた後に繁殖入りして、2番仔となる本馬が快挙を成したが、この快挙は、平井豊光オーナーのオーナーブリーダーとしての手腕を再認識させた勝利でもあった。
 ‘エイシン’の冠名で活躍する競走馬は多いが、同牧場の生産馬(国内での)としては、父も‘自前’(エイシンサンディ)のエイシンテンダー(チューリップ賞)やエイシンツルギザン(ニュージーランドT)、エイシンサニー(オークス)などの重賞馬がいる。

 絵笛の繁殖分場に行くと名古屋唯男生産主任は「会長(平井氏)も自分の牧場での生産馬の優勝だったので喜ばれているようです。もちろん、私たちも嬉しかったですよ。みんなの努力の結果でもありますからね。実は、明日、また本馬の母を連れて種付に行きます。(種牡馬は)フレンチデピュティで、早くから彼(本馬)の全兄弟が欲しいと会長から言われていましてね。幾度か試みていたのですが、なかなか受胎してくれません。会長は、普段は余り馬に無理をさせないのですが、本馬が勝ってくれたのでまた種付に挑戦します。」と全兄弟の誕生に意欲を燃やす。
 種付シーズンもいよいよ終盤となり、残されたチャンスは少ないが、牧場の気持ちが後押しをしそうだ。

 本馬の兄弟は、エイシンエプシロン(牝 6歳 父エイシンワシントン)、エイシンシテンノー(牡 4歳 父フジキセキ 現役)、エーシンダードマン(牡 3歳 父ダンスインザダーク 現役)と、すべて勝ち鞍をあげて活躍しているが今年は父クロフネの女の仔が生まれている。クロフネの産駒らしく大きく、しっかりとした馬体に競走馬として、また将来の血統後継馬として牧場の期待も掛かる。

 「うちは生まれた時から馴致というか、馬とのコミュニケーションを心がけています。いつも声を掛けて、触ってあげているんですよ。人間に慣れて、次の人の元に行っても、可愛がって貰いたいですからね。」と、名古屋主任は愛馬たちに愛情を注ぐ。
 生産、育成、馴致、調教、競走馬、繁殖とオーナーブリーダーのサイクルは、すべて個々の馬と同体となり家族でもあるようだ。
平井オーナーの良血の導入の努力もあり、これからも優秀な家族の中から活躍馬が続きそうな様相を呈していた。