重賞ウィナーレポート

2006年01月15日 日経新春杯 G2

2006年01月15日 京都競馬場 晴 稍重 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アドマイヤフジ

プロフィール

生年月日
2002年03月01日 04歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:12戦4勝
総収得賞金
406,331,000円
アドマイヤベガ
母 (母父)
アドマイヤラピス(IRE)  by  Be My Guest(USA)
馬主
近藤 利一
生産者
辻 牧場 (浦河)
調教師
橋田 満
騎手
福永 祐一
  • 可愛い瞳の母
    可愛い瞳の母
  • 母アドマイヤラピス
    母アドマイヤラピス
辻牧場は創業が明治43年で、かつて、ニホンピロムーテー(菊花賞他)、インターグロリア(桜花賞、エリザベス女王杯他)など数多くの重賞馬を輩出してきた名門牧場。現在は、浦河町東幌別、様似町岡田などにある多数の分場で生産から育成・馴致・調教までを兄弟、親戚が分担して行なっている。最近では‘03年に本馬の半兄アドマイヤホープ(父フォーティナイナー、5歳)の全日本5歳優駿GI、北海道5歳優駿GII(共に中央交流)と’04年メイショウキオウ(父コマンダーインチーフ)の中京記念GIIIに生産馬の勝鞍を持つ。
分場を駆け回り忙しい辻弘毅社長は「最近は、長男の助(たすく)がほとんどやっていますから」と近況を語るが、助さんは米国などの牧場で長い間修行を重ねたようで、逞しく思っている様子が伺える。

レースを自宅のテレビで親子揃って観戦したそうだが、本馬がクラシック戦線を盛り上げながらの惜敗が続いただけに、今回の快挙には嬉しそうだ。「調教師(橋田満)さんがレース前に、“太めだけどきっちり仕上がった”と連絡が入ったので期待はしていました。ゴール前の接戦には、さすがに力が入りましたよ。
ゴールでは勝ったと確信しましたので、家中大騒ぎでした。間もなく沢山のお祝いの電話を頂き、ビデオでレースを振り返ったのは落ち着いてからでしたね」と優勝時の喜びを語る。

本馬の母アドマイヤラピス(母の父Be My Guest)は、本馬の馬主の近藤利一氏が愛国より輸入したという期待馬で、現役時にもステイヤーズS2着など活躍している。繁殖入り後は7仔をもうけているが、半姉にロイヤルカード(父サンデーサイレンス)、半兄に前出のアドマイヤホープとアドマイヤロッキー(父マヤノトップガン、中央3勝)が現役で活躍中、本馬は第4仔となる。半妹のアドマイヤカンナ(父ブライアンズタイム、3歳)は既に中央で1勝をあげ、2歳の半妹(父アドマイヤコジーン)、1歳の半妹(父アドマイヤベガ)も周囲の期待を集めているという。

辻社長は、本馬を「生まれた時から風格を持った馬体で、オ-ナーと調教師さんも絶賛してくれました。育成・調教の段階でも評価は高く、みんなの期待を背負っていました。惜敗が続きましたが馬が成長したようですね」と、これからの古馬戦を楽しみにしている。

名牝系の母は、仔出しも良く活躍馬が生まれている。同牧場では既にサンデーサイレンスやブライアンズタイムを導入した血統後継馬を確保しており、牧場の代表牝系としての期待は大きい。重賞馬を再度出し始めたことに辻社長は「特に変わった事はしていません。昔から大事にしてきたことを、また振り返ってきちんとやっているだけですよ。良く運動させて良い草を食べさせる基本は変りません」と控えめだが、研究熱心な社長だけに、新しいノウハウを導入する息子さんとの二人三脚で大きな夢は膨らむ。
名門牧場の復活は地域の励みにもなっているようだ。