重賞ウィナーレポート

2007年10月20日 富士S G3

2007年10月20日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マイネルシーガル

プロフィール

生年月日
2004年03月31日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:9戦4勝
総収得賞金
116,535,000円
ゼンノエルシド(IRE)
母 (母父)
エイシンアイノウタ  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
(株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
生産者
小河 豊水 (三石)
調教師
国枝 栄
騎手
後藤 浩輝
  • 小河豊水社長と半妹の当歳
    小河豊水社長と半妹の当歳
  • 母エイシンアイノウタ
    母エイシンアイノウタ
  • 同

  • 父ゼンノエルシド~ビッグレッドファーム
    父ゼンノエルシド~ビッグレッドファーム
  • 同

 生産馬の重賞初制覇となった小河豊水牧場は、新ひだか町の三石川上にある。
 国道235号線から鳧舞(ケリマイ)川沿いに15分ほど奥に入ったところで、向かいにはカワカミプリンセス(オークス、秋華賞)の生産者である三石川上牧場もある。
 同牧場は、先代の亀蔵さんの時代にアングロアラブ種を生産し、同時に水田を耕して、時には建設作業の手伝いを請けながら牧場を営んでいたという。豊水さんも若い時から父親を手伝い、同じことをしながら牧場を支えてきたが、父親から継いだ20年ほど前に水田と請負作業をやめ、サラブレッドの預託繁殖牝馬を扱う牧場に専念する事にしたそうだ。
 現在は9頭の預託繁殖牝馬と、少し夢を見たいと導入した3頭の自己所有の繁殖牝馬を飼養している。本馬はこの自己所有馬の産駒で、一緒に仕事をする豊水さん夫妻、長男の息子さん、お婆ちゃんの4人は預託馬のオーナーに遠慮しながらも喜びは大きい様子。

 「大事な馬を預かっているので、うちの馬の応援に競馬場までは行けませんよ。」と、レース当日も家族と自宅での応援になった小河さん。「幼駒の頃からおとなしい仔だったけれど、パドックではいつもになく元気でしたね。レースも積極的で走る気になっていたのでしょうか、直線に入っても好位置を確保していたので、掲示板(5着以内)はあると安心しました。抜け出て来た時から、お祝いの電話が続きゴールも見られなかったですよ。その電話で勝ったと思いましたが、後は、花やお酒を届けていただいたり、お祝いの準備やらで何がなんだか分からなくなりました。」と笑う。
 重賞優勝の初体験に笑顔の絶えない小河さんだが、落ち着いた今「長年頑張ってきたことに結果が出て嬉しいです。仲間やオーナー(サラブレッドクラブ・ラフィアン)、先生(国枝栄調教師)方に恵まれたものです。皆さんには改めて感謝しています。」と語る。

 本馬の母エイシンアイノウタは、小河さんが、どうしてもサンデーサイレンス(母の父にあたる)の血統が欲しいと、近所の生産仲間から父ゼンノエルシドを受胎している状態で譲ってもらったものだ。仲間が配合して生れた本馬が優勝したが、その友達も小河さんの牧場で産まれて優勝する運命だったと喜んでくれていたそうだ。
本馬の兄には、今も地方で活躍している半兄のブラックウージ(父ミシエロ)や半姉エイシンラブソング(父エイシンワシントン)、同エイシンアモーレ(同、阪神JF4着)がいる。
 本馬の後には半弟の2歳(父コロナドズクエスト)、半妹の1歳(父アグネスデジタル)、半妹当歳(父ロージズインメイ)、そして、今年はロックオブジブラルタルを受胎と注目の種牡馬を父に迎え、今後の兄弟にも大きな期待が掛かる。
「欲しかった血統の母なので無理をしてでも良い種牡馬をつけています。」と小河さんの夢は本馬の活躍に大きく膨らんでいるようだ。

※ 本馬の父ゼンノエルシドも今年から供用されているオーナーのグループ牧場ビッグレッドファームに寄ると、本馬にも乗って調教したというスタッフの松尾さんは「この馬には重賞を取ってもらいたいと、みんなの大きな期待が掛かっていましたから嬉しいです。とにかく調教で本馬の背に跨ぐだけでオープン馬の雰囲気が伝わってきましたし、ずば抜けた走りをしていました。本馬の姿を見て岡田(ビッグレッドファームグループ総帥)がゼンノエルシドをオーナーに頼んでここに連れて来た程です。」と、当初から本馬に掛けてきた期待の大きさが伺われる。 
父ゼンノエルシドは、マイネルラヴの隣の放牧地にいる。おとなしい馬で青鹿毛の馬体を逞しく見せており、すっかり牧場の生活にも慣れた様子だ。
種付にも慣れているようで、今年は66頭に交配したそうです。