2008年12月21日 朝日杯フューチュリティS Jpn1
優勝馬:セイウンワンダー
プロフィール
- 生年月日
- 2006年04月30日 02歳
- 性別/毛色
- 牡/青毛
- 戦績
- 国内:4戦3勝
- 総収得賞金
- 231,685,000円
- 母 (母父)
- セイウンクノイチ by サンデーサイレンス(USA)
- 馬主
- 大谷 高雄
- 生産者
- 筒井 征文 (三石)
- 調教師
- 領家 政蔵
- 騎手
- 岩田 康誠
三石稲見の山間にある筒井征文(ゆきふみ)さんの生産馬セイウンワンダーが、ついにGⅠを制した。秋の繁殖セールで1頭増えて、現在繁殖牝馬4頭という夫婦二人で営む小規模牧場の生産馬。
新潟2歳Sで本馬が重賞初制覇を牧場にプレゼントした時に「自分の代で牧場は閉じる予定だ。」と言っていた筒井さんだが、相変わらず語り口には65歳とは思えぬ元気さがある。電話で取材の申し出をすると「もう、しゃべる事も無いよ、ハッハハ」と笑っている。
筒井さんは、地元の温泉通いとお酒はアサヒスーパードライが大好きだ。「GⅠ勝ったので、約束のビールを持っていきますよ。」と言うと「ワッハハ、良く覚えていたな。そんなもんいいから早く来いや。」と元気一杯だ。
本馬の前走は出遅れて最後方から外ラチ沿いに剛脚を繰り出しての勝利だったが、今回は中団で折り合い内ラチ沿いに抜け出た快勝だった。無頓着だと自称する筒井さんは、今回も競馬場には行かずに自宅で応援していた。
「(岩田騎手は)上手く乗ってくれるもんだね。直線で勝てそうな気分になったよ。どういう訳か、俺は変り者で自分の中に感動っていうのが湧かないんだ。どこにも出ないで生産だけやっていて馬主さん(大谷高雄氏)も先生(領家調教師)も知らない。でも、故障を起こした馬をここまで仕上げているんだから大変な苦労だ。面倒を見てくれている人方が凄く喜んでいるようなので、それが何より嬉しい。」と一瞬、真顔を見せる。
今回は、地元の役場に勤める息子の康弘さんが家族サービスを兼ねて中山競馬場に応援に行き晴れの表彰台に立てた。「息子家族が喜んでいた。まあ、良かったよ」と筒井さんは再び笑顔を見せた。
本馬のGⅠ制覇の快挙に、再び注目される父グラスワンダーや母セイウンクノイチ(母の父サンデーサイレンス)と兄弟達だが、母は相変わらず放牧地で元気な姿を見せている。うるさい気性だった母もおとなしくなったようで、放牧直後にも拘らず静かに筒井さんに引き綱を付けさせていた。今年は、新種牡馬ファスリエフ(父ヌレイエフ)を受胎中。
全妹の1歳は、兄に続いてJRA育成馬となり、来年のJRAブリーズアップセールでは注目馬となりそうだ。当歳の半弟(父タニノギムレット)は、既に売却され管内の牧場に移動しているという。
来年のクラシック戦線の有力馬となり、本馬への周囲の期待は高まるが筒井さんは、また首をかしげる。「俺には分らんけど、馬主さん方やファンの為に頑張って欲しいよ。」とさりげない。
筒井さんの胸の内には、昔、知人から言われた「世の中は良い時も悪い時も平然として生きろ」と言う言葉が残っているそうだ。座右の銘となったこの言葉に、自称無頓着者という筒井さんのライフスタイルが伺えるが、浮き沈みの激しい軽種馬生産者の一つの生き方でもあるようだ。
本馬の活躍に「年の暮れのいい時に勝ってくれたよ。」と漏らすが、牧場にとっては生産者賞や繁殖牝馬所有者賞は数少ない貴重な収入源。「お陰でね」と言う言葉に安堵の様子も伺える。
「最近、膝が痛むんだ。」と苦笑いする筒井さんは、少しでも負担を軽減しようとして黒毛牛の繁殖に切り替えようと試みてきたが、お産が思いの外きつい作業だった。今は慣れたサラブレッドと黒毛和牛のどちらを選ぶか迷っている様子だ。
本馬のクラシック戦線での活躍には、益々、周囲の期待も掛かる。
「もう、話すことは何もないよ。ワッハハ」という筒井さんの高笑いが来年も続いて貰いたい。
新潟2歳Sで本馬が重賞初制覇を牧場にプレゼントした時に「自分の代で牧場は閉じる予定だ。」と言っていた筒井さんだが、相変わらず語り口には65歳とは思えぬ元気さがある。電話で取材の申し出をすると「もう、しゃべる事も無いよ、ハッハハ」と笑っている。
筒井さんは、地元の温泉通いとお酒はアサヒスーパードライが大好きだ。「GⅠ勝ったので、約束のビールを持っていきますよ。」と言うと「ワッハハ、良く覚えていたな。そんなもんいいから早く来いや。」と元気一杯だ。
本馬の前走は出遅れて最後方から外ラチ沿いに剛脚を繰り出しての勝利だったが、今回は中団で折り合い内ラチ沿いに抜け出た快勝だった。無頓着だと自称する筒井さんは、今回も競馬場には行かずに自宅で応援していた。
「(岩田騎手は)上手く乗ってくれるもんだね。直線で勝てそうな気分になったよ。どういう訳か、俺は変り者で自分の中に感動っていうのが湧かないんだ。どこにも出ないで生産だけやっていて馬主さん(大谷高雄氏)も先生(領家調教師)も知らない。でも、故障を起こした馬をここまで仕上げているんだから大変な苦労だ。面倒を見てくれている人方が凄く喜んでいるようなので、それが何より嬉しい。」と一瞬、真顔を見せる。
今回は、地元の役場に勤める息子の康弘さんが家族サービスを兼ねて中山競馬場に応援に行き晴れの表彰台に立てた。「息子家族が喜んでいた。まあ、良かったよ」と筒井さんは再び笑顔を見せた。
本馬のGⅠ制覇の快挙に、再び注目される父グラスワンダーや母セイウンクノイチ(母の父サンデーサイレンス)と兄弟達だが、母は相変わらず放牧地で元気な姿を見せている。うるさい気性だった母もおとなしくなったようで、放牧直後にも拘らず静かに筒井さんに引き綱を付けさせていた。今年は、新種牡馬ファスリエフ(父ヌレイエフ)を受胎中。
全妹の1歳は、兄に続いてJRA育成馬となり、来年のJRAブリーズアップセールでは注目馬となりそうだ。当歳の半弟(父タニノギムレット)は、既に売却され管内の牧場に移動しているという。
来年のクラシック戦線の有力馬となり、本馬への周囲の期待は高まるが筒井さんは、また首をかしげる。「俺には分らんけど、馬主さん方やファンの為に頑張って欲しいよ。」とさりげない。
筒井さんの胸の内には、昔、知人から言われた「世の中は良い時も悪い時も平然として生きろ」と言う言葉が残っているそうだ。座右の銘となったこの言葉に、自称無頓着者という筒井さんのライフスタイルが伺えるが、浮き沈みの激しい軽種馬生産者の一つの生き方でもあるようだ。
本馬の活躍に「年の暮れのいい時に勝ってくれたよ。」と漏らすが、牧場にとっては生産者賞や繁殖牝馬所有者賞は数少ない貴重な収入源。「お陰でね」と言う言葉に安堵の様子も伺える。
「最近、膝が痛むんだ。」と苦笑いする筒井さんは、少しでも負担を軽減しようとして黒毛牛の繁殖に切り替えようと試みてきたが、お産が思いの外きつい作業だった。今は慣れたサラブレッドと黒毛和牛のどちらを選ぶか迷っている様子だ。
本馬のクラシック戦線での活躍には、益々、周囲の期待も掛かる。
「もう、話すことは何もないよ。ワッハハ」という筒井さんの高笑いが来年も続いて貰いたい。