重賞ウィナーレポート

2008年11月23日 マイルChS G1

2008年11月23日 京都競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ブルーメンブラット

プロフィール

生年月日
2003年02月20日 05歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:24戦8勝
総収得賞金
349,536,000円
アドマイヤベガ
母 (母父)
マイワイルドフラワー(USA)  by  Topsider(USA)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (早来)
調教師
石坂 正
騎手
吉田 豊
 24枚の「花びら」が集まり、大輪の花を咲かせた。 23戦目に待望の重賞制覇、そして24戦目となるマイルCSで見事にG1初勝利を飾ったのが、ドイツ語で「花びら」という名前を与えられたブルーメンブラットだった。

 育成、そして休養と成長の過程を見守ってきたノーザンファーム空港牧場の藤田洋一調教主任は、
「本命に支持されていたわけでは無かったですし、牡馬にも強い馬が揃っていたのでいいレースをしてくれればと思っていました」
 と自宅のTVでレースを見守っていたが、約1分半後、牧場のスタッフから「やりましたね!」という電話がひっきりなしにかかってきたという。

 「吉田豊騎手の好騎乗や、展開が向いていたことも含めて、全てがブルーメンブラットが力を発揮できる条件だったのでしょう。休養明けで重賞(府中牝馬S)を勝ってくれた時は、牝馬育成厩舎のスタッフと『これで勲章を付けることができた』と喜んでいたのですが、マイルCSでそれ以上の大きな勲章を手にしてくれたことは、嬉しいだけでなく、正直、信じられない気持ちもありました」

 藤田さんが信じられないと思うのも無理はない。牝馬は1994年以来14年間勝ち馬が無く、しかも外国馬を含めて4頭のG1馬が出走していたレベルの高いレース。しかし、これまでのレース経験を全て糧としてきたブルーメンブラットには、レベルの高さも格も関係なかった。

 「やはりここまで大きな怪我もせず、コンスタントにレースを続けて来られたことがこの結果に繋がったと思います。牧場にいた頃も賢くて手のかからなかったように、非常に優等生でした」
 と藤田さんは牧場にいた頃の思い出を振り返る。

 重賞初勝利から一気にマイルの頂点に立ったことで、今後の活躍が期待されるブルーメンブラットだが、残念なことにクラブの規定で来年3月での引退が決まっている。それまでの期間で目標とするレースが見あたらないこともあり、このマイルCSがラストランとなる公算が高まった。

 「それでもこれだけのメンバーを相手に優勝したことで、有終の美を飾れたのではないかという気がしています。将来的にはブルーメンブラットの産駒を手がけて見たいですね」
 と藤田さんの気持ちは未来へと飛んでいた。
 「花びら」は来年から母となり、自らのような美しくて強い花たちをターフの上に何輪も咲かせていく。