重賞ウィナーレポート

2004年11月28日 ジャパンCダート G1

2004年11月28日 東京競馬場 晴 良 ダ 2100m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タイムパラドックス

プロフィール

生年月日
1998年05月23日 06歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:31戦12勝
総収得賞金
977,865,000円
ブライアンズタイム(USA)
母 (母父)
ジョリーザザ(IRE)  by  Alzao(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
白老ファーム (白老)
調教師
松田 博資
騎手
武 豊

  • レース後日、白老ファームの事務所前にて。
    レース後日、白老ファームの事務所前にて。
  • 競馬終了後、府中駅前にて撮影。前列の4名が応援に駆けつけた牧場スタッフ。
    競馬終了後、府中駅前にて撮影。前列の4名が応援に駆けつけた牧場スタッフ。
【取材先:タイムパラドックス号・ゼンノロブロイ号の生産者・白老ファーム(スタッフ)】
※ジャパンC優勝馬 ゼンノロブロイ号のレポートも合わせてご覧下さい。


――― 同日GⅠ勝利おめでとうございます。それぞれレース前とレース後のお気持ちは如何でしたか?まずJCダート(タイムパラドックス)からお聞かせ下さい。 

 菅沼厩舎長:牧場でテレビ観戦をしたのですが、モニター越しにパドックを見た限りでは、凄く落ち着いていたように思います。レースでも非常によく折り合いがついていました。3コーナーではもたついた様に見え、一瞬「ヒヤッ」としましたが、ジョッキーが上手く内を突いてくれました。あそこで退いたら負けだと思ったので、結果的にそれが非常に良かったです。

 石垣繁殖主任:競馬場で観戦しましたが、レースがスタートしてからゴールするまで、ずっとタイムパラドックスだけを追っていましたね。ゴールした後しばらくしてから2着以下の馬の着順を知りました・・・


――― 実際に競馬場に行かれた人達は非常に興奮されていた様子ですね。反対に牧場で観戦された方々は以外と冷静に見られていたようですが

 石垣繁殖主任:そうですね、とにかく直線抜け出してからは「行け~!行け~!」とただひたすら叫んでましたよ(笑)距離、展開、馬の調子など全てが今回は本馬に味方してくれたように思います。もう一度やっても同じように勝てるかどうかはわかりませんが・・・


――― 続いてJCの方はいかがですか?

 菅沼厩舎長:こちらもテレビでパドックを見ましたが「ものすごくおとなしいなあ」という印象でした

 橋本場長:JCダートを勝ったこともあり期待は高まりました。馬もいつも通り落ち着いており、調教師・騎手を信頼していましたから「早くスタートしてくれ!」という気持ちでした。


――― 1番人気でしたし、勿論ダートに続いての連覇も意識されたかと思いますが?

 石垣繁殖主任:その1番人気というのが逆にプレッシャーでしたね。JCではあまり1番人気が勝った事がないように記憶してましたので・・・

 橋本場長:しかし内容は危なげないものでした。前回の天皇賞よりは余裕を持った勝ち方でしたが・・・「まさか2連勝」ということで、信じられない気持ちでした。

 菅沼厩舎長:前走は窮屈になって少し外を回りましたが、4コーナーを持ったまま上がって行きましたので、今回は安心して見ていられました。


――― さて、タイムパラドックスは今年6歳になってからの活躍されていますね。これが5つ目の重賞勝ちで初のGⅠ勝ちとなりましたが

 菅沼厩舎長:うちの生産馬はステイゴールドもそうですが、遅咲きの活躍が目立つんですよ。まあ実際に本馬は誕生日が5月末ですから、まだ5歳半ってトコでしょうか(笑)

 橋本場長:昔は今のように1月産まれなど殆どいませんでしたからね。この年齢まで活躍できるほど、馬が丈夫になってきてくれたのが嬉しいです。

 石垣繁殖主任:初め無理しなかった分、今の活躍があるのかなあという気もしますね。

 橋本場長:トップホースの活躍も勿論嬉しいですが、生産頭数からしてもコンスタントな生産馬の活躍が出来れば理想だと思いますね。底辺の底上げがこういったトップホースを生み出すことにも繋がりますから。


――― 一方のゼンノロブロイは悲願のGⅠ初制覇から一気に連覇を果たしましたね。

 橋本場長:そうですね、一皮剥けたというか、特に前走の天皇賞を勝ったというのがこの馬にとってはプラスだったのではないでしょうか。


――― 次はいよいよ3冠を懸けての有馬記念ですが・・・

 橋本場長:過去に秋のGⅠを3連勝した馬はテイエムオペラオー1頭しかいませんし、勝つのは容易ではないと思っていますが、是非とも今の勢いを駆ってスーパーホースの仲間入りをしてくれればと期待しています。とにかくまずは無事に走ってくれることが一番の願いですね。


―――ご協力ありがとうございました。今後益々のご活躍をお祈り致します。
第5回ジャパンCダートは、単勝4番人気のタイムパラドックスが、断然1番人気で同厩のアドマイヤドンを抑えて優勝。名手武豊騎手の会心の騎乗に導かれて、大殊勲となるGI初タイトルを獲得した。通算成績31戦12勝。