2005年07月10日 マーメイドS G3
優勝馬:ダイワエルシエーロ
プロフィール
- 生年月日
- 2001年05月11日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:13戦5勝
- 総収得賞金
- 281,754,000円
- 母 (母父)
- ロンドンブリッジ by ドクターデヴィアス(IRE)
- 馬主
- 大城 敬三
- 生産者
- 下河辺牧場 (門別)
- 調教師
- 松田 国英
- 騎手
- 福永 祐一
本馬は、昨年のクイーンC(GⅢ)、オークス(GⅠ)、京阪杯(GⅢ)に続く取材となるが、生産牧場は名門の下河辺牧場(門別町福満)。
今回は、下河辺俊行社長に話をお伺いした。社長の名はファンの方にも広く知られているが、地元や中央の要職を数多く務め、馬産界に大きな貢献をされている。
本馬の応援に阪神競馬場まで駆けつけた下河辺社長は「強い勝ち方をしてくれました。4歳になって(結果が出ずに)心配していたので嬉しいです。GⅠ馬なので、4歳からは牡馬相手でも斤量の差もなくなり負担もありましたからね。今回は牝馬どうしでしたから、精神的にも楽になって自分のレースが出来たのでしょう。この馬は牧場のみんなで最後(出産・中期育成・トレーニング)まで育て上げました。スタッフ全員の思い入れのある仔ですから、喜びも、ひとしおです」と本馬を讃えながら、ホッとした笑みを見せる。
体調は、年が明けてからもずっと順調のようで、心配された“ざ石(蹄底の炎症)”の再発もなさそう。いよいよ復調して、昨年、回路したエリザベス女王杯が目標となる。(8月の札幌競馬クイーンSにも出走の予定が有りそうなので北海道のファンの方も応援を。)
母はロンドンブリッジ(母の父ドクターデヴィアス、‘98桜花賞2着)で、祖母オールフォーロンドン(祖母の父Danzig, 米国産)は米国から輸入した期待の繁殖馬だ。下河辺社長がキーンランドのファシグティプトンのせり市場で購入した馬だが「米国、英国で勝鞍を持ち、日本でも走りそうだった。容量の大きな馬体が気に入りましたね」と振り返る。
本馬は、将来には繁殖として同牧場に戻る予定だそうで、重要な血統後継馬の役も担うことになるが「オーナー(大城敬三氏)と調教師(松田国英氏)も馬を大事にする方ですから心配はしておりません。一つでも勝つように頑張って貰いたい」と、長い付き合いだと言う3者の信頼関係は深い。
本馬の兄弟は、3歳半弟ビッグプラネット(父ブライアンズタイム)は中央デビューして既に2勝、2歳半弟ビッグカポネ(父ブライアンズタイム)は同牧場トレーニングセンターで年内デビューに向けて調教中。1歳の半弟(父アフリート)は夜間放牧などで育成中だという。
今年は、半妹(父ダンスインザダーク)が4月26日に誕生して、今は母親に甘えている。スタッフの明神さんに案内してもらうと、人を信じているように近づいて来て顔を向けた。産まれた時からの馴致が徹底している様子が伺える。
明神さんは「最初からの馴致が大切です。厳しくするのとコミュニケーションを深くするのが必要ですね。この仔は手のかからない方です」と愛馬を優しく見つめる。
今年は、再びブライアンズタイムを配合したそうだが、明神さんは「社長は、きっとブライアンズタイムの女の仔(血統を継ぐ牝馬)が欲しかったのでしょう。産まれたら私も嬉しいですね」と期待する。そういえば、この当歳の牝馬誕生に社長は「本心は嬉しかったよ」と笑っていた。もったいない話だが、これだけの規模の“総合”牧場をつくりながら、「本業が生産牧場だから」(下河辺社長)とマーケットブリーダーを貫く同牧場には、将来を見据えて代表血統後継馬に、サンデーサイレンスとブライアンズタイムの血統は不可欠なのだろう。
本馬の活躍がさらに牧場の夢を大きくしている。
先月、馬産地ニュースの北海道の夏競馬開催で、アドマイヤボスのファーストクロップ・アリババシチーのデビューを紹介させて頂きましたが、この馬の生産牧場も同牧場となる。仕上がり途中のデビュー戦をアドマイヤカリブの3着に惜敗した後、次走で難なく勝ち上がり、来年のクラシック戦線を賑わせてくれる一頭になりそうだ。第10回マーメイドS(GIII)は、2番人気に推されたダイワエルシエーロ(牝4歳、父サンデーサイレンス)が鮮やかな逃げ切り勝ちを決めた。重賞は昨年秋の京阪杯(GIII)以来となる4勝目。鞍上の福永祐一騎手は、シーザリオで日米オークス制覇を達成。凱旋レースとなる本重賞で、昨年のオークス馬の復活劇を演出した。
今回は、下河辺俊行社長に話をお伺いした。社長の名はファンの方にも広く知られているが、地元や中央の要職を数多く務め、馬産界に大きな貢献をされている。
本馬の応援に阪神競馬場まで駆けつけた下河辺社長は「強い勝ち方をしてくれました。4歳になって(結果が出ずに)心配していたので嬉しいです。GⅠ馬なので、4歳からは牡馬相手でも斤量の差もなくなり負担もありましたからね。今回は牝馬どうしでしたから、精神的にも楽になって自分のレースが出来たのでしょう。この馬は牧場のみんなで最後(出産・中期育成・トレーニング)まで育て上げました。スタッフ全員の思い入れのある仔ですから、喜びも、ひとしおです」と本馬を讃えながら、ホッとした笑みを見せる。
体調は、年が明けてからもずっと順調のようで、心配された“ざ石(蹄底の炎症)”の再発もなさそう。いよいよ復調して、昨年、回路したエリザベス女王杯が目標となる。(8月の札幌競馬クイーンSにも出走の予定が有りそうなので北海道のファンの方も応援を。)
母はロンドンブリッジ(母の父ドクターデヴィアス、‘98桜花賞2着)で、祖母オールフォーロンドン(祖母の父Danzig, 米国産)は米国から輸入した期待の繁殖馬だ。下河辺社長がキーンランドのファシグティプトンのせり市場で購入した馬だが「米国、英国で勝鞍を持ち、日本でも走りそうだった。容量の大きな馬体が気に入りましたね」と振り返る。
本馬は、将来には繁殖として同牧場に戻る予定だそうで、重要な血統後継馬の役も担うことになるが「オーナー(大城敬三氏)と調教師(松田国英氏)も馬を大事にする方ですから心配はしておりません。一つでも勝つように頑張って貰いたい」と、長い付き合いだと言う3者の信頼関係は深い。
本馬の兄弟は、3歳半弟ビッグプラネット(父ブライアンズタイム)は中央デビューして既に2勝、2歳半弟ビッグカポネ(父ブライアンズタイム)は同牧場トレーニングセンターで年内デビューに向けて調教中。1歳の半弟(父アフリート)は夜間放牧などで育成中だという。
今年は、半妹(父ダンスインザダーク)が4月26日に誕生して、今は母親に甘えている。スタッフの明神さんに案内してもらうと、人を信じているように近づいて来て顔を向けた。産まれた時からの馴致が徹底している様子が伺える。
明神さんは「最初からの馴致が大切です。厳しくするのとコミュニケーションを深くするのが必要ですね。この仔は手のかからない方です」と愛馬を優しく見つめる。
今年は、再びブライアンズタイムを配合したそうだが、明神さんは「社長は、きっとブライアンズタイムの女の仔(血統を継ぐ牝馬)が欲しかったのでしょう。産まれたら私も嬉しいですね」と期待する。そういえば、この当歳の牝馬誕生に社長は「本心は嬉しかったよ」と笑っていた。もったいない話だが、これだけの規模の“総合”牧場をつくりながら、「本業が生産牧場だから」(下河辺社長)とマーケットブリーダーを貫く同牧場には、将来を見据えて代表血統後継馬に、サンデーサイレンスとブライアンズタイムの血統は不可欠なのだろう。
本馬の活躍がさらに牧場の夢を大きくしている。
先月、馬産地ニュースの北海道の夏競馬開催で、アドマイヤボスのファーストクロップ・アリババシチーのデビューを紹介させて頂きましたが、この馬の生産牧場も同牧場となる。仕上がり途中のデビュー戦をアドマイヤカリブの3着に惜敗した後、次走で難なく勝ち上がり、来年のクラシック戦線を賑わせてくれる一頭になりそうだ。第10回マーメイドS(GIII)は、2番人気に推されたダイワエルシエーロ(牝4歳、父サンデーサイレンス)が鮮やかな逃げ切り勝ちを決めた。重賞は昨年秋の京阪杯(GIII)以来となる4勝目。鞍上の福永祐一騎手は、シーザリオで日米オークス制覇を達成。凱旋レースとなる本重賞で、昨年のオークス馬の復活劇を演出した。