2007年02月11日 ダイヤモンドS Jpn3
優勝馬:トウカイトリック
プロフィール
- 生年月日
- 2002年02月26日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:21戦5勝
- 総収得賞金
- 550,388,000円
- 母 (母父)
- ズーナクア(USA) by Silver Hawk(USA)
- 馬主
- 内村 正則
- 生産者
- 土田 扶美子 (三石)
- 調教師
- 松元 省一
- 騎手
- C.ルメール
生産者・土田扶美子さんの牧場は新ひだか町三石美野和の静かな山間にある。
土田さんの御主人が他界された後、両親の昭司さん夫妻と、その当時は中学生ながら手伝いをしてきた息子の陽司さんと力を合わせて牧場を盛り立て、現在も繁殖牝馬6頭を飼養している。
2002年には、愛知杯を制したトウカイパルサーで産駒の重賞初制覇を遂げているが、その父トウカイテイオーの配合を決めていたのが亡くなった御主人(勇司さん)だったそうだ。取材に参加してくれたおばあちゃんは「息子が思っていたことだからね。すべてが息子まかせだったので慣れないトラックを運転して社台さん(社台スタリオンS)まで種付に行きましたよ。」と想い出を語る。陽司さんの「親父のやれなかったことをやってやりたい。」という言葉に、明るい扶美子さんとおばあちゃんは目を細めるが、3世代親子の家族経営の牧場には、亡き御主人の勇司さんが今も精神的な支えとなっている様子だ。
今回の本馬の重賞初制覇には、当然、牧場の喜びも大きい。重賞戦線に好走を続けながら惜敗を重ねていた本馬の応援に、急きょ東京競馬場に応援に行った陽司さんは「今まで何度となく応援に行っていたけれど、負けていましたからね。一番人気でも自分としては奇跡でも起きてくれ、という気持ちでした。直線に入ってゴチャついていたので心配していたら、パッと前が開いたので、そこをかわすまでは怒鳴り声のような感じで叫んでいました。ファン席に居たので周りの方はどう思ったのでしょうかね。」と笑う姿には喜びが溢れている。ゴール後は初めて訪れた広い東京競馬場に戸惑い表彰式に間に合わず、口取りの写真撮影に参加できなかったという。
本馬には特に思い入れがあるという陽司さん。「あの仔は外で産まれたんですよ。お産が近づいて来た日に、いつもどおり引き運動をするため放牧地に入ったらもう産まれていました。急いで厩舎に入れようと抱き上げて雪を踏みしめながら必死に歩きました。重かったですよ。母馬も後について来て厩舎に入れてからは面倒を見て元気そうになったので安心しました」。誕生時の馬の赤ちゃんの重さは55キロ前後とも言われますので、積雪の中、生まれたばかりの大切な当歳をそっと運ぶのは相当な苦労だったと思われます。
その母ズーナクア(米国産 母の父Silver Hawk)は米国でGⅠ、GⅢなど5勝をあげて、繁殖馬として同牧場に導入された。本馬は日本での3番仔になるが、半弟には4歳のレオハンター(現役 父ピルサドスキー 地方1勝)や、育成・調教中の2歳の半妹(父 ダンスインザダーク)がいる。今年は、あと半月もするとキングカメハメハの仔が誕生の予定となるが、陽司さんも「ようやく本馬が勝ってくれて、兄弟たちも楽しみになりました。」と期待を膨らます。
本馬の今後の目標は春の天皇賞となりそうだが、扶美子さんは「出られるだけでも幸せです。怪我の無いように頑張って貰いたいですね。」という。
しかし、亡くなったご主人を継いでいく陽司さんの思いが叶うように本馬の更なる活躍を期待したい。今回の本馬の活躍は、陽司さんへの恩返しのようでもあった。
土田さんの御主人が他界された後、両親の昭司さん夫妻と、その当時は中学生ながら手伝いをしてきた息子の陽司さんと力を合わせて牧場を盛り立て、現在も繁殖牝馬6頭を飼養している。
2002年には、愛知杯を制したトウカイパルサーで産駒の重賞初制覇を遂げているが、その父トウカイテイオーの配合を決めていたのが亡くなった御主人(勇司さん)だったそうだ。取材に参加してくれたおばあちゃんは「息子が思っていたことだからね。すべてが息子まかせだったので慣れないトラックを運転して社台さん(社台スタリオンS)まで種付に行きましたよ。」と想い出を語る。陽司さんの「親父のやれなかったことをやってやりたい。」という言葉に、明るい扶美子さんとおばあちゃんは目を細めるが、3世代親子の家族経営の牧場には、亡き御主人の勇司さんが今も精神的な支えとなっている様子だ。
今回の本馬の重賞初制覇には、当然、牧場の喜びも大きい。重賞戦線に好走を続けながら惜敗を重ねていた本馬の応援に、急きょ東京競馬場に応援に行った陽司さんは「今まで何度となく応援に行っていたけれど、負けていましたからね。一番人気でも自分としては奇跡でも起きてくれ、という気持ちでした。直線に入ってゴチャついていたので心配していたら、パッと前が開いたので、そこをかわすまでは怒鳴り声のような感じで叫んでいました。ファン席に居たので周りの方はどう思ったのでしょうかね。」と笑う姿には喜びが溢れている。ゴール後は初めて訪れた広い東京競馬場に戸惑い表彰式に間に合わず、口取りの写真撮影に参加できなかったという。
本馬には特に思い入れがあるという陽司さん。「あの仔は外で産まれたんですよ。お産が近づいて来た日に、いつもどおり引き運動をするため放牧地に入ったらもう産まれていました。急いで厩舎に入れようと抱き上げて雪を踏みしめながら必死に歩きました。重かったですよ。母馬も後について来て厩舎に入れてからは面倒を見て元気そうになったので安心しました」。誕生時の馬の赤ちゃんの重さは55キロ前後とも言われますので、積雪の中、生まれたばかりの大切な当歳をそっと運ぶのは相当な苦労だったと思われます。
その母ズーナクア(米国産 母の父Silver Hawk)は米国でGⅠ、GⅢなど5勝をあげて、繁殖馬として同牧場に導入された。本馬は日本での3番仔になるが、半弟には4歳のレオハンター(現役 父ピルサドスキー 地方1勝)や、育成・調教中の2歳の半妹(父 ダンスインザダーク)がいる。今年は、あと半月もするとキングカメハメハの仔が誕生の予定となるが、陽司さんも「ようやく本馬が勝ってくれて、兄弟たちも楽しみになりました。」と期待を膨らます。
本馬の今後の目標は春の天皇賞となりそうだが、扶美子さんは「出られるだけでも幸せです。怪我の無いように頑張って貰いたいですね。」という。
しかし、亡くなったご主人を継いでいく陽司さんの思いが叶うように本馬の更なる活躍を期待したい。今回の本馬の活躍は、陽司さんへの恩返しのようでもあった。