重賞ウィナーレポート

2010年02月21日 フェブラリーS G1

2010年02月21日 東京競馬場 晴 良 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エスポワールシチー

プロフィール

生年月日
2005年04月22日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:18戦10勝
総収得賞金
1,023,197,000円
ゴールドアリュール
母 (母父)
エミネントシチー  by  ブライアンズタイム(USA)
馬主
(株) 友駿ホースクラブ
生産者
幾千世牧場 (門別)
調教師
安達 昭夫
騎手
佐藤 哲三
  • エスポワールシチーの母、エミネントシチー
    エスポワールシチーの母、エミネントシチー
  • お腹にはゴールドアリュールの子供の受胎している
    お腹にはゴールドアリュールの子供の受胎している
  • たくさんのお祝いの花
    たくさんのお祝いの花
  • 地元門別農協に貼られたお祝いの幕
    地元門別農協に貼られたお祝いの幕
  • 幾千世牧場にいる繁殖牝馬達
    幾千世牧場にいる繁殖牝馬達
 2010年のG1レース開幕を告げる第27回フェブラリーS(G1)は、圧倒的1番人気に支持されたエスポワールシチーが2番手から直線後続を突き放し、2着テスタマッタに2馬身半差をつけて完勝。昨年のかしわ記念(Jpn1)からG14連勝を飾り、圧倒的な強さを見せつけた。

 レース当日、東京競馬場で愛馬を見守った鹿戸照美代表は「ダートを走って来た馬たちの相手関係は見当が付くけど、先行馬の多い芝の重賞勝ち馬たちの参戦は未知の怖さがありましたね。それでも調教師はかなり自信があると言っていたし、昨春から積み上げて来た実績、馬の力を信じました」と振り返る。

 JRA国内ダートG1を完全制覇したエスポワールシチーの選択肢には、当然のように海外遠征プランも持ち上がった。世界最高賞金を誇るドバイワールドカップ(G1)へ登録し、正式に招待を受けていたが、今回が初となるオールウェザーコースへのリスクを考慮して回避。年内は国内に専念することが決まり、次走は5月5日、船橋競馬場で開催されるかしわ記念(Jpn1)に向かうローテーションが濃厚で、同レース連覇を目指す。

 「年間の生産頭数が10頭に満たない小さな牧場ですから、世界に挑戦できる馬が生産できるなんて夢のような話。チャンスがあるならぜひ行ってみたいですね」正式な招待を受け、生産馬が世界レベルだということを改めて実感していた。

 殊勲の母・エミネントシチーは、4月上旬の出産に備え大きなお腹を揺らしていた。初仔であるエスポワールシチーを難産の末に出産後、子宮を痛め種付を見送っていたが、昨年獣医師から種付け許可がおり、迷わずゴールドアリュールを配合。5年振りの出産が実現しようとしている。エスポワールシチーの活躍は、牧場にたくさんの奇跡を起こしているようだ。

 「初産と同じ感覚なのでワクワクしますね。個人的には繁殖牝馬として残したいので牝馬がいいかな。とにかく無事に生まれてくれればそれでいいです」と鹿戸代表は声を弾ませる。

 国内レースに照準を定めたエスポワールシチー。ダート界を席巻していく姿を楽しみにしたい。