重賞ウィナーレポート

2010年02月20日 クイーンC G3

2010年02月20日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アプリコットフィズ

プロフィール

生年月日
2007年01月26日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
189,736,000円
ジャングルポケット
母 (母父)
マンハッタンフィズ  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
小島 太
騎手
蛯名 正義
 社台ファーム生産馬のワンツースリーフィニッシュとなった、今年のクイーンC(G3)。中でも直線で鞍上を務めていた蛯名正義騎手が手綱を抑えたように、勝ったアプリコットフィズの強さが際だったレースとなった。

 「重賞という舞台で、生産馬が4頭掲示板に乗ってくれたことは、生産者冥利に尽きます。また、期待馬が期待通りの活躍を見せてくれることは、牧場全体も士気が上がります」と社台ファームの長浜卓也さん。その長浜さんが、アプリコットフィズの調教日誌を読み返しながら、こんなことを教えてくれる。

 「こちらにいた頃は全く不安なく進めてきました。念のために調教日誌を読み返してみたのですが、しなやかさについての表記ばかりで、何一つ不安要素は書いていなかったですね」(長浜さん)

 生まれ落ちから中間育成、騎乗鍛錬期と一貫して評価の高かったアプリコットフィズであるが、特に秀でていたのが、長浜さんも話していた動きのしなやかさだった。

 「精神面のコントロールが利けば、必ず大きな舞台に立てる馬だと確信していました。母マンハッタンフィズは能力がありながらも大成させてやることができず、悔しい思いをしました。その分、産駒に賭ける思いが強いのは、この牝系を熟知している小島太厩舎の皆さんも同じだと思います」(長浜さん)

 アプリコットフィズの叔父となるのが、菊花賞、有馬記念、天皇賞(春)とG1レースで3勝をあげ、種牡馬としても大成しているマンハッタンカフェ。小島太調教師に最初のクラシックタイトルを授けた名血から、再びクラシック候補が出てきたことにもなる。

 「完成するまで体重変動の大きい牝系だけに、その特徴を知っている小島太厩舎でお世話になっているのは、この馬にとって大きなアドバンテージだと思います。攻め時と控え時をしっかりと認識しているからこそ、今回も調教を緩めることなく、体重増減が無く出走することが出来たのではないのでしょうか」(長浜さん)

 勝ったアプリコットフィズだけでなく、2着のプリンセスメモリー、3着のテイラーバートン、そして5着のブルーミングアレーと、これからの牝馬クラシック戦線において楽しみな馬が並ぶが、長浜さんの言葉からは奢りのような感情は全く聞かれない。

 「これからも1頭でも多く生産馬を競馬場に送り出して、1走でも多く出走できるように牧場一丸となって頑張っていきたいですね。その中でも、アプリコットフィズの勝利は、春のG1戦線へ向けて、夢の広がる勝利となりそうです」