重賞ウィナーレポート

2006年08月27日 キーンランドC G3

2006年08月27日 札幌競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:チアフルスマイル

プロフィール

生年月日
2000年04月09日 06歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:30戦8勝
総収得賞金
209,413,000円
サンデーサイレンス(USA)
母 (母父)
ゴールデンカラーズ(USA)  by  Mr. Prospector(USA)
馬主
(株) アカデミー
生産者
清水 克則 (新冠)
調教師
池江 泰郎
騎手
岩田 康誠
  • 母ゴールデンカラーズと半弟の当歳
    母ゴールデンカラーズと半弟の当歳
  • 名血の母ゴールデンカラーズ
    名血の母ゴールデンカラーズ
  • 期待される半弟の当歳(父ダンスインザダーク)
    期待される半弟の当歳(父ダンスインザダーク)
  • 床の間に飾られた優勝肩掛けと使用された記念のゼッケン
    床の間に飾られた優勝肩掛けと使用された記念のゼッケン
  • 清水克則牧場
    清水克則牧場
 待ちに待った産駒の重賞初制覇に清水克則牧場は喜びに沸き立っている。
 レース翌日の28日には、競馬場に応援に駆けつけた長男の清水弘昭さんと、馬主(株式会社 アカデミー)の関係者の方が持ち帰った優勝の肩掛けとゼッケンを前に、一家の明るい笑顔は絶えない。
 同牧場は、新冠町万世にあり、牧場見学者の多いビッグレッドファーム明和の手前3キロの所と言った方が分かりやすいかもしれない。現在、飼養する繁殖牝馬は12頭で御夫婦と弘昭さん、パート1名で営む家族経営の牧場。

 喜びの清水社長は「まさか勝てるとは思いませんでしたからね。4コーナーで前の方にいたけど不安でしたよ。それが一完歩毎に前に出てきて、ひょっとしたらと思いました。勝った瞬間は実感が無かったけど、お祝いの電話や花が届いて重賞に勝った嬉しさがじわっときました。本馬のお母さんが大変な名血で、馬主さんからも周囲からも大きな期待をされていただけに、ようやく重賞を取れてホッとしましたね。」と安堵の表情を見せる。
 実は、このレースの始まる時、2番牧草の作業で本場と離れた採草地にいたため、近くの牧場でテレビを見せてもらったそうだ。その牧場の方も一緒に喜んでくれたそうだが、家族の方が実感できたのは、作業を終えて家に戻った時のようだ。

 本馬の母はゴールデンカラーズで祖父はミスタープロスペクター、祖母のウイニングカラーズ(祖母の父カロ)はケンタッキーダービーなど米国GⅠを3勝している名血馬、キーンランドのジュライセールで落札し導入され、当時、注目された期待馬だ。近親にはタップダンスシチーの名も見受けられる。
 居合わせていた馬主の関係者の方は「私どもにとっても、重賞制覇は初めてのことで喜んでいます。母がキーンランドで落札された馬だけに、第1回のこのレース名に相応しかったですね。」と記念すべき第1回キーンランドC制覇に喜ぶ。

 本馬の兄弟もやはり活躍しているが、1番仔の半姉ダブルネーム(父ナリタブライアン)は木津川特別など4勝をあげ、現在、同牧場で繁殖生活中。ナリタブライアンの数少ない血統後継馬だけに、ブルードメアサイヤーの活躍としても興味が持たれる。
 本馬は2番目で、4歳の半弟には現役で活躍中のエレスサール(父パントレセレブル)が既に中央で3勝、2歳の半妹マザーズウィッシュ(父タイキシャトル)も間もなく中央にデビュー予定、一歳半弟(父ファルブラヴ)は同牧場で育成中、と続く。
 今年は、本馬の父親の産駒ダンスインザダークの牡馬が誕生し、名血の母から父親2代の重賞馬の期待もかかる。

 本馬も将来は同牧場に戻り血統を継いで行くことになるようだが、今回の殊勲とファミリーの期待に、馬主さんの関係者の方と清水一家の話題は膨らんでいく。家族同様の信頼関係を感じさせる会話の中に、今回の快挙は、馬主さんと生産者の執念で勝ち取ったもののように感じた。