重賞ウィナーレポート

2005年05月01日 天皇賞(春) G1

2005年05月01日 京都競馬場 小雨 良 芝 3200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スズカマンボ

プロフィール

生年月日
2001年04月28日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:15戦4勝
総収得賞金
292,068,000円
サンデーサイレンス(USA)
母 (母父)
スプリングマンボ(GB)  by  Kingmambo(USA)
馬主
永井 啓弍
生産者
グランド牧場 (静内)
調教師
橋田 満
騎手
安藤 勝己
  • 母スプリングマンボ
    母スプリングマンボ
  • 母スプリングマンボ
    母スプリングマンボ
  • 育成施設の整った本場
    育成施設の整った本場
  • 優勝に喜ぶ牧場関係者(前列中央左が幸子夫人、右が紀子夫人)
    優勝に喜ぶ牧場関係者(前列中央左が幸子夫人、右が紀子夫人)
天皇賞・春のGⅠを制覇した本馬のふるさとは静内町真歌のグランド牧場。朝日チャレンジC(昨年9月11日、当ホームページ掲載)に続くが、今回のGⅠのタイトルは待ちに待った初の快挙だけに同牧場の喜びは弾ける。

優勝レース直後には、同町の伊藤佳幸社長の自宅へ地元道議員や町長など関係者がぞくぞくとお祝いに訪れ、留守をあずかる母親の幸子さん、紀子夫人と3人のお子さんを囲んで歓喜の渦となる。間もなく京都競馬場に応援に行った伊藤社長から「最高です」と電話が入ると、集まった人たちの喜びも頂点となった。

後日の取材だが、伊藤社長はレース前より橋田満調教師から「このレースの◎は本馬だよ」と言われ、安藤騎手からも調子の良さを聞いて、期待を持って応援に行ったようだ。
 混戦模様の本レースでは、“強いのは俺だ”と言わんばかりに抜け出て後続馬群に1馬身半の差をつけ獲得したGⅠタイトルだけに、伊藤社長の笑顔は絶えない。

グランド牧場は真歌の丘の上に広がり、本場は施設の整った育成専用で、約100頭の繁殖牝馬は真歌分場と新冠分場に飼養されている。40名ほどのスタッフがおり、良く管理された生産・育成体制で育てられた競走馬の活躍馬は多く、かつてスマートボーイ(‘03平安Sなど重賞5勝)、イシノオウカン(’77関屋記念)等を輩出している。

本馬の母スプリングマンボは、イギリスのニューマーケットのセリ市場で落札され1997年に輸入されたが、「滅多に出ない良い血統で、近親のダンシングキイからはエアダブリン、ダンスパートナー、ダンスインザダークなどがいて、日本に合う血統の裏づけがあるから是非欲しかった」と伊藤社長期待の繁殖牝馬。この血統の牝馬は仔作り血統を継ぐらしく、母も輸入時は少し薄かった(細身)そうだが、繁殖に入りふっくらとして見事な繁殖馬に変身している。

本馬の半兄に6歳現役のキセキスズカ(中央2勝、現役)などがいて、本馬は第3仔。半弟に3歳スズカブランチ(父ブライアンズタイム)、2歳半妹(父ブライアンズタイム)1歳半弟(父アグネスタキオン)と続く。今年は間もなく昨年の新種牡馬シンボリクリスエスの初産駒が誕生予定。

真歌分場の繁殖担当のスタッフは「(母スプリングマンボが)繁殖で来た時は、大事な馬なので緊張しました。今はここの生活にもすっかり慣れて元気ですよ」と、お産を控えて腹を大きくした母親を優しそうに見つめる。

本馬の活躍に母スプリングマンボ導入の手ごたえを掴んだ伊藤社長は、「この後は宝塚(記念)となりますが、無事に古馬GⅠ戦線で活躍して立派な種牡馬になってもらいたい」と期待を膨らます。

近親のレース、ダンシングキイで、同じ偉大な父親サンデーサイレンスの仔(上記の他アドマイヤレース、エアギャングスター、ダンシングオン、ダンスインザムードなど)がこれだけ日本で活躍をしているのだから、今更ながら血統の重さを感じる。既に、この良血の血統後継馬も視野に入れている伊藤社長だった。激しい雨のなか行われた第131回天皇賞(春)は、単勝13番人気の伏兵・スズカマンボが終始内々を回るロスのないレース運びから、直線でも最内を突いて鮮やかに抜け出して優勝、GI初Vを飾った。2着に14番人気のビッグゴールド、3着に4番人気アイポッパーが入線し、3連単は193万9420円の大波乱となった。