重賞ウィナーレポート

2005年06月05日 愛知杯 G3

2005年06月05日 中京競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マイネソーサリス

プロフィール

生年月日
2001年06月01日 04歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:11戦4勝
総収得賞金
113,106,000円
ブライアンズタイム(USA)
母 (母父)
マイネマジック  by  ギャロップダイナ
馬主
(株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
生産者
コスモビューファーム (静内)
調教師
佐々木 晶三
騎手
安部 幸夫
  • 1歳時のマイネソーサリス~会員カタログより
    1歳時のマイネソーサリス~会員カタログより
  • 母マイネマジック
    母マイネマジック
  • 母マイネマジック
    母マイネマジック
  • コスモヴューファーム事務所
    コスモヴューファーム事務所
本馬のふるさとは新冠町西泊津のコスモヴューファーム。社長は岡田繁幸氏でマイネル・コスモの冠名で名高いビッグレッドファームグループの牧場だ。1996年に繁殖・育成場として開設され、800mの坂路コース・ウォーキングマシン3基・トラックコース600メートル・厩舎90馬房が太平洋を見下ろす丘の上に整然と立ち並んでいる。現在、繁殖繋養馬は35頭、スタッフは11名。同グループ生産馬の重賞制覇はマイネルアムンゼン(’04エプソムカップ)以来となり、本馬の初重賞制覇は同牧場産としては開設以来はじめての快挙となる。

本馬は同グループで運営される(株)サラブレッドクラブ・ラフィアンの所有馬だが、グループとしての昨年からの重賞所有馬を挙げると、マイネルセレクト(ガーネットS)、マイネルデュプレ(共同通信杯)、マイネルブルック(きさらぎ賞)、コスモバルク(弥生賞・セントライト記念)、マイネルイースター(阪神スプリングJ)、マイネルモルゲン(ダービー卿CT・京成杯AH)、マイネルアムンゼン(新潟大賞典・エプソムC)、マイネルレコルト(新潟2歳S・朝日杯FS)、コスモヴァレンチ(小倉2歳S)、マイネルハーティ(ニュージーランドT)と枚挙に暇が無い。

さて、取材は牧場を統括する新冠町明和のビッグレッドファーム事務所に蛯名マネージャーを訪ねた。「スムーズな競馬が出来ましたね。素直な馬で調子が良いと聞いて少し期待をしていたので、掲示板ぐらいは拾えるかと思っていたのですが勝ってしまいました。軽ハンデ(51kg)と、この馬の器用なところが中京のコースに向いて勝てたのでしょうけれど、もともとはクラシックに行って貰いたかった馬です」と、蛯名氏は生まれたときから期待していた本馬の殊勲に嬉しそう。また、本馬は同グループ創設期からの牝系の仔だそうで「この仔の母はオークスで小差5着の実力馬でしたので、産まれた時は牝馬ながら大変良い馬だったのでレースより先に血統後継馬が出来たと喜びました」と初牝馬誕生の当時を語る。

本馬の母はマイネマジック(母の父 ギャロップダイナ)。第1仔にマイネルトリック(父スターオブコジーン)中央3勝などがいて、本馬は第4仔になる。全妹マイネストレーガ3歳は現役活躍中。この3年空胎が続き今年はアグネスタキオンをつけているが現在受胎確認ができずにスタッフをヤキモキさせている。

母マイネマジックを訪ね、昨年開設された同町コスモヴューファーム泊津分場に行った。既に16頭ほどの馬が放牧されている。ここの牧場整備に余念のない中館氏はビッグレッドファームが創設された静内町の浦和時代から繁殖に携わる最も古いスタッフの一人だ。本馬のお産にも立ち会った方で、「ほんとに良い馬が産まれたと思った。(岡田)社長の言う“柔らか”そうで、父親(ブライアンズタイム)にも似ていた。帰って女房にも自慢したのを覚えていますよ」と嬉しそう。
気難しい母は、この日は素直に中館氏にモクシを取らせてくれたが、中館氏は今までのことを思い出すように「本当はうちのグランパスドリーム(’86年ダービー2着・優勝馬ダイナガリバー)の仔で社長の夢でもあるダービーを取りたかったのですが、それの出来ない今、この仔達に期待しています。ぜひダービーに優勝して社長と一緒に喜びたい」と苦楽を共にした社長を思いやる。

今年こそ重賞勝鞍がまだ二つの同グループだが、このまま収まりそうにはない。昨年のダービーに出走後骨折のため休養していたコスモサンビームも、蛯名マネージャーの予測どおり1年を得て回復した。先日はコスモバルクと併せて坂路調教を元気にこなし、関屋記念を目指して復帰の予定を立てていると言う。
生産馬である本馬の重賞制覇にスタッフの意気も上っている様子だ。牝馬限定重賞・第43回愛知杯は、単勝13番人気の伏兵・マイネソーサリス(牝4歳、父ブライアンズタイム)が優勝。公営名古屋所属の安部幸夫騎手とともに中央重賞初制覇を決めた。2着に11番人気チアフルスマイル、3着に14番人気フィヨルドクルーズが入り、3連単は221万4210円の大波乱となった。