重賞ウィナーレポート

2006年07月02日 函館スプリントS G3

2006年07月02日 函館競馬場 曇 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ビーナスライン

プロフィール

生年月日
2001年03月12日 05歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:27戦6勝
総収得賞金
160,840,000円
フジキセキ
母 (母父)
ホクトペンダント  by  パークリージエント(CAN)
馬主
(有) ターフ・スポート
生産者
酒井牧場 (浦河)
調教師
堀 宣行
騎手
秋山 真一郎
  • 一馬さんと母ホクトペンダント
    一馬さんと母ホクトペンダント
  • 半弟の当歳(父キングカメハメハ)
    半弟の当歳(父キングカメハメハ)
  • 授乳~撮影に母は迷惑そうな表情
    授乳~撮影に母は迷惑そうな表情
  • ホクトベガやマックスビューティの入るお墓
    ホクトベガやマックスビューティの入るお墓
 今年、新設されたサマースプリントシリーズの初戦でもある本レースに重賞初参戦での快勝は、12年ぶりの中央重賞制覇という事でもあり酒井牧場は喜びに沸き立っている。

 同牧場は、浦河の堺町から山に向かって市街地を抜けた所の向ヶ丘地区にある。3代目となる酒井公平社長夫妻と4代目に予定される一馬さん夫婦、それにスタッフ2名で10頭の繁殖牝馬を飼養している。ホクトベガ(エリザベス女王杯)マックスビューティ(桜花賞・オークス)、ハクホウショウ(安田記念)、チトセホープ(オークス)、ハクショウ(日本ダービー)他活躍馬を多く輩出している名門牧場だが、酒井社長は「この世界は、1年ごとの結果ですよ。名門なんて考えた事もありません。」と受け流す。

 レースの日には、酒井社長は函館競馬場に行っていた。
 福島競馬場に行った堀調教師からも依頼されたからだが、愛馬の応援に「馬券でだいぶ儲けたようですよ。」(奥さん談)と本馬の最低人気での快挙は、社長にも嬉しいプレゼントとなったようだ。
 レースは、画面で観ていると、先団3頭の競り合いを尻目に、見えない後方から直線一気の末脚での追い込み勝ち。あっという間の出来事に牧場では、ゴールの時、拍手はしたものの、唖然とした状態だったという。
 酒井社長は「私は競馬場で望遠鏡を使って見ていましたから、4コーナーで良い状態で動いたのが分かりました。着ぐらいはいけると思い嬉しくなりましたが、そのまま行ってしまいビックリしましたよ。2馬身半も差をつけていたことも分からなかった。頭の中も真っ白になっていたのでしょうね。このレース、たまたまツボにはまったのでしょう。」と満面の笑みを浮かべる。

 本馬の馬主は、生産者の運営する会員制のターフスポート。会員の買う株が満口にならない時は、生産者が自ら株を持つ事になるが、横にいた娘さんは「父の嬉しそうな顔を見たら分かるでしょう。」と、社長に悪戯っぽく笑う。どうやら馬主としても多くの株を持っているようだ。
 サマースプリントシリーズの優勝ボーナスは5000万円。2勝して、あと着を拾えば可能性が高まるだけに社長の楽しみは続きそうだ。

 一馬さんも「この馬は、育成場でも覚えが良いと評判は良かったです。今回の体のつくりを基本に次のレースも使っていくでしょう。良い展開になりましたので頑張って貰いたい。今年はキングカメハメハの半弟が産まれたので、こちらも期待しています。無事に競馬場まで送り出したいですね。」と、これからの生産活動に夢を膨らましているようだ。

 本馬の母は父パークリージェントのホクトペンダント(桜花賞5着)。本馬は第3仔となるが、半弟の4歳チョウカイモンド(父サンデーサイレンス)、3歳チョウカイファイト(父アグネスタキオン)が現役で活躍中です。