重賞ウィナーレポート

2008年05月18日 ヴィクトリアマイル Jpn1

2008年05月18日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エイジアンウインズ

プロフィール

生年月日
2004年03月28日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:11戦6勝
総収得賞金
213,559,000円
フジキセキ
母 (母父)
サクラサクⅡ  by  デインヒル(USA)
馬主
太田 美實
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
藤原 英昭
騎手
藤田 伸二
 今年のヴィクトリアマイルは、JpnⅠ初挑戦となるエイジアンウインズが、並み居るJpnⅠ馬を退けて優勝した。これで第一回以来、3年連続で社台ファーム生産馬の勝利。JpnⅠヴィクトリアマイルは、社台ファームのためのJpnⅠ競争と言う結果になっている。

 「レース当日は、翌日に行われる『千葉サラブレッドセール2008』の準備で船橋競馬場に行っていました。レースも前日に入っていた牧場のスタッフと、携帯電話のワンセグTVで見たんですよ」
とは社台ファーム事務局の長浜卓也さん。ワンセグの画面が小さかったこともあって、ゴール前ではどの馬が勝つのか分からなかったという。それでも赤い勝負服の馬が伸びてきたのを見たときに、ひょっとしたらこの馬はエイジアンウインズなのではと思い、そこからは懸命に声援を送ったとも話してくれた。

 そのエイジアンウインズだが、2004年のセレクトセール上場馬でもあり、1800万円(税抜)にて太田美實さんが落札している。
 「当歳時からあか抜けていい馬だったという印象があります。育成時から高い能力を示していましたが、馬が完成するまでダートのレースを中心に使ったという藤原英昭先生の強い意志に敬服します。また、しっかりとした管理をしてくださった厩舎の皆さんである『藤原組』にも改めて感謝するだけです」(長浜さん)
藤原英厩舎と社台ファームは強いつながりがあり、これまでにもデアリングハート(クイーンS、府中牝馬S2回)、タスカータソルテ(京都新聞杯、中京記念)といった活躍馬を送り出している。それだけに藤原英厩舎にとって初めてのJpnⅠ馬が社台ファーム生産馬であったことも、長浜さんは嬉しいという。

 母のサクラサクⅡは、牝系をさかのぼればスペシャル(ヌレイエフの母)の名前もある名牝系。近親にはジェイドロバリーや、サドラーズウェルズの名前も見つけることが出来る。産駒も総じて堅実な競走成績を見せており、今年、誕生したネオユニヴァースの牝馬にも、半姉に続く活躍が期待されている。また、父フジキセキは昨年のコイウタに続き、2年連続でこのレースに勝ち馬を送り出しているだけでなく、今年はファイングレインが高松宮記念に優勝。また、南アフリカ生産馬のSun Classiqueがドバイシーマクラシックを制するなど、国内外で更に評価を高めている。

 本来ならこのレースに同じ社台ファームの生産馬であるダイワスカーレットが出走していたなら、本命に支持されていたどころか、それまでのレースぶりからしても勝利をおさめていた可能性が高い。しかし、結果的にエイジアンウインズがこのレースで示した強さは、ダイワスカーレットとも双璧だったと言える。いつかこの2頭が対戦するその時が楽しみでならない。