2009年03月01日 阪急杯 G3
優勝馬:ビービーガルダン
プロフィール
- 生年月日
- 2004年03月10日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/青鹿毛
- 戦績
- 国内:17戦6勝
- 総収得賞金
- 336,571,000円
- 母 (母父)
- オールザチャット(NZ) by Westminster(NZ)
- 馬主
- (有) 坂東牧場
- 生産者
- 坂東牧場 (平取)
- 調教師
- 領家 政蔵
- 騎手
- 安藤 勝己
高松宮記念の前哨戦、阪急杯で重賞初制覇を果たしたのは5歳馬ビービーガルダンだった。持ち前の勝負根性を生かして抜け出し、大一番へ向けて視界良好の結果を残した。本馬を生産した坂東牧場にとってはチョウサン(2007年・毎日王冠)以来となる重賞勝ちで、この上ない結果に牧場を支える80名のスタッフは胸を躍らせた。
坂東牧場総務部の荒木一仁さんはレース当日自宅で声援を送り、ゴール前は思わず声が出たという。
「予想以上に強かったですね。育成の責任者は『距離はもつ』と言っていたのですが、阪神コースに実績がなかったし、レース前はちょっと半信半疑でした。この馬は一頭になると遊ぶ面があるのですが、その辺は安藤勝己騎手が手の内に入れていて、この馬の長所である馬体を併せてからの強さもうまく引き出してくれた」
と、笑顔で復帰戦の内容を振り返る。
坂東牧場は競走馬の生産牧場である一方、馬産地ではデビュー前の若駒を数多く預かる育成牧場として知られている。本馬は坂東牧場で生産から育成された馬で、荒木さんに当時の様子を教えていただいた。
当歳、1歳時は決して目立った馬ではなかったそうだが、乗り始めた1歳暮れ頃から、
「この馬、いいところあるよ」
と、跨っていた育成の責任者の方が素質の片鱗を伝えていたという。
2歳夏の函館で早々とデビュー勝ちしたものの、その後故障。これからという時に休養を余儀なくされた。時折見せる集中力を欠く面や気性の強さを考慮しつつ、我慢強く復帰の準備を進めた。
「2歳時に故障してしまったのが、結果的にそれが馬体の成長につながったのかもしれないですね」
と、荒木さん。塞翁が馬、若駒時代の苦労の結果が今の充実ぶりの一因ともいえそうだ。
本馬の父はマイネルレコルトやマーブルチーフを輩出したチーフベアハート。産駒は中長距離の活躍馬が多いイメージがあるが、短距離で強さを示した本馬のスピードは現役時代に豪州1200mのG3を制した母馬オールザチャットの影響を受けているようだ。
繁殖の責任者の加納さんに母馬オールザチャットについてのお話を聞くと、
「この馬はクセもないし、うるさいところもなくて扱いやすい。子育てもしっかりしています」
と、その母親ぶりに太鼓判を押す。お産も安定しているそうで、繁殖牝馬としても優秀だ。昨年は空胎で、今年はネオユニヴァースとの交配を予定しているという。1歳には父シンボリクリスエスの半妹がおり、
「この馬もオープンまで行けると思いますよ」
と、兄馬の活躍を受けて、加納さんは更に自信を深めていている様子だ。先の話になるが、
「これだけの血統だから、良い跡取りになって欲しいね」
と、繁殖牝馬としての期待も寄せている。
坂東牧場では育成馬の他にも繁殖牝馬や現役競走馬を預かっており、今年に入ってからは育成時に携わったアーバンストリートがシルクロードSで差し切り勝ちを決め、牧場で休養期間を過ごしたサクセスブロッケンがフェブラリーSを制すなど、牧場から巣立った馬が快進撃を続けている。
「競馬場で勝つ喜び、走る喜びをオーナーに味わってもらえるように一頭一頭大切にして、100ある能力を全て出せるようにするのが私たちの仕事です。そのために馬との関わりも大事だけど、スタッフの数も多いですから、人との関わりも重要視しています。スタッフ間の積極的な意見交換や良い雰囲気のもとでの馬づくりが叶えば、人も育つし、馬も育つと思います」
と、荒木さんは話す。
現在、牧場生産馬からはペプチドルビー、アナモリがダート短距離路線で活躍しており、未完の大器アクシオンは故障を克服して美浦に帰厩し、復帰に向けて虎視眈眈だ。ビービーガルダンの勝利で更にスタッフの士気も上がったという。今後も活躍馬を支えた牧場として、そして実績馬を送り出す生産牧場として、坂東牧場がその名を馳せていくことだろう。
坂東牧場総務部の荒木一仁さんはレース当日自宅で声援を送り、ゴール前は思わず声が出たという。
「予想以上に強かったですね。育成の責任者は『距離はもつ』と言っていたのですが、阪神コースに実績がなかったし、レース前はちょっと半信半疑でした。この馬は一頭になると遊ぶ面があるのですが、その辺は安藤勝己騎手が手の内に入れていて、この馬の長所である馬体を併せてからの強さもうまく引き出してくれた」
と、笑顔で復帰戦の内容を振り返る。
坂東牧場は競走馬の生産牧場である一方、馬産地ではデビュー前の若駒を数多く預かる育成牧場として知られている。本馬は坂東牧場で生産から育成された馬で、荒木さんに当時の様子を教えていただいた。
当歳、1歳時は決して目立った馬ではなかったそうだが、乗り始めた1歳暮れ頃から、
「この馬、いいところあるよ」
と、跨っていた育成の責任者の方が素質の片鱗を伝えていたという。
2歳夏の函館で早々とデビュー勝ちしたものの、その後故障。これからという時に休養を余儀なくされた。時折見せる集中力を欠く面や気性の強さを考慮しつつ、我慢強く復帰の準備を進めた。
「2歳時に故障してしまったのが、結果的にそれが馬体の成長につながったのかもしれないですね」
と、荒木さん。塞翁が馬、若駒時代の苦労の結果が今の充実ぶりの一因ともいえそうだ。
本馬の父はマイネルレコルトやマーブルチーフを輩出したチーフベアハート。産駒は中長距離の活躍馬が多いイメージがあるが、短距離で強さを示した本馬のスピードは現役時代に豪州1200mのG3を制した母馬オールザチャットの影響を受けているようだ。
繁殖の責任者の加納さんに母馬オールザチャットについてのお話を聞くと、
「この馬はクセもないし、うるさいところもなくて扱いやすい。子育てもしっかりしています」
と、その母親ぶりに太鼓判を押す。お産も安定しているそうで、繁殖牝馬としても優秀だ。昨年は空胎で、今年はネオユニヴァースとの交配を予定しているという。1歳には父シンボリクリスエスの半妹がおり、
「この馬もオープンまで行けると思いますよ」
と、兄馬の活躍を受けて、加納さんは更に自信を深めていている様子だ。先の話になるが、
「これだけの血統だから、良い跡取りになって欲しいね」
と、繁殖牝馬としての期待も寄せている。
坂東牧場では育成馬の他にも繁殖牝馬や現役競走馬を預かっており、今年に入ってからは育成時に携わったアーバンストリートがシルクロードSで差し切り勝ちを決め、牧場で休養期間を過ごしたサクセスブロッケンがフェブラリーSを制すなど、牧場から巣立った馬が快進撃を続けている。
「競馬場で勝つ喜び、走る喜びをオーナーに味わってもらえるように一頭一頭大切にして、100ある能力を全て出せるようにするのが私たちの仕事です。そのために馬との関わりも大事だけど、スタッフの数も多いですから、人との関わりも重要視しています。スタッフ間の積極的な意見交換や良い雰囲気のもとでの馬づくりが叶えば、人も育つし、馬も育つと思います」
と、荒木さんは話す。
現在、牧場生産馬からはペプチドルビー、アナモリがダート短距離路線で活躍しており、未完の大器アクシオンは故障を克服して美浦に帰厩し、復帰に向けて虎視眈眈だ。ビービーガルダンの勝利で更にスタッフの士気も上がったという。今後も活躍馬を支えた牧場として、そして実績馬を送り出す生産牧場として、坂東牧場がその名を馳せていくことだろう。