重賞ウィナーレポート

2008年03月30日 高松宮記念 G1

2008年03月30日 中京競馬場 小雨 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ファイングレイン

プロフィール

生年月日
2003年03月07日 05歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:15戦5勝
総収得賞金
290,264,000円
フジキセキ
母 (母父)
ミルグレイン(GB)  by  Polish Precedent(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
長浜 博之
騎手
幸 英明
 春のスプリント王決定戦「第38回高松宮記念」は幸英明騎手騎乗のファイングレイン(牡5歳、父フジキセキ)が好位追走から1分7秒1で快勝。父のフジキセキにとっては、昨年のコイウタ(ヴィクトリアマイル)に続く、芝の国内G1レース優勝となった。

 「G1レースの大舞台で、これまでで一番強い競馬をしてくれたことが嬉しいです。ファイングレインの底力、能力が大舞台で証明できて嬉しいです」と社台ファームの長浜卓也さんはレースを振り返った。
 2歳秋にデビューして、新馬、あけび賞を連勝したファイングレインは距離延びたきさらぎ賞、スプリングSこそ惨敗したが、ニュージーランドトロフィーは果敢に逃げて2着。続くNHKマイルCでは好位のインから抜け出したものの2着。その後、種子骨を骨折して1年にも及ぶ休養を余儀なくされた。
 復帰後は、オープン特別も勝てないもどかしいレースを続けたが、今年に入ってからは淀短距離S、シルクロードSを後方一気で連勝。高松宮記念の大舞台でそれまでの時計を一気に2秒もつめて快勝した。
 「サラブレッドには無限の可能性があるということを改めて教えられました」と長浜さん。「血統面からくる距離の適性もそうですし、種子骨骨折からの復帰もそうです」。
 ファイングレインの父は次代のチャンピオンサイアーを狙うフジキセキ。母のミルグレインは、愛オークスに勝ち、95年のジャパンカップにも出走したピュアグレインの全妹。外国産馬として輸入され、吉田照哉氏の勝負服で特別レースを含む3勝を記録した。「母の3勝はすべて1800mです。血統的には決してスプリンターではないんですけどね」と笑うが、これで1200mは4戦4勝。また、あらゆる骨折の中でも完治が困難といわれている種子骨の骨折からの復帰、G1制覇はある意味で喘鳴症から復帰したダイワメジャー以上の奇跡といってもよい。
 「周りにいる人間が最大限の努力をすることは前提ですが、馬の可能性を信じること。今回はそれがうまくいったのだと思います」ときっぱり。
 個性派スプリンターの誕生は、やや停滞していた短距離路線に新風を吹き込んでくれた。
「まだまだファイングレインには可能性があります。それを信じたいです」と最高の笑顔を見せてくれた。