2010年05月23日 オークス G1
優勝馬:アパパネ
プロフィール
- 生年月日
- 2007年04月20日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦5勝
- 総収得賞金
- 558,592,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- ソルティビッド(USA) by Salt Lake(USA)
- 馬主
- 金子真人ホールディングス (株)
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 国枝 栄
- 騎手
- 蛯名 正義
G1史上初の同着決着となった今年のオークス(G1)。二冠牝馬となったアパパネの育成を手がけたノーザンファーム空港牧場の窪田淳厩舎長は、「同」の文字が掲示板に踊ったとき、「負けなくて良かった」とほっと胸をなで下ろした。
「ゴール前は桜花賞(G1)の時と一緒ですが、一緒にTVを見ていた子供が、自分の叫び声で驚いたのか、気づいたら泣いていました(笑)。ゴールの瞬間、体勢はサンテミリオンの方が良く見えましたが、スローになってみたらあれっ?と思えるようになりました」(窪田さん)
桜花賞(G1)に続く外枠からの発走、雨でしめった馬場、何よりも桜花賞(G1)より800mの距離延長と、牝馬二冠に望むアパパネには、幾つもの不安要素があった。しかし、窪田さんはパドックに姿を見せたアパパネの馬体を見て、その不安が吹き飛んだ。
「桜花賞(G1)の時は短距離馬だった馬体が、僅か数か月で伸びが出て、胴回りもすっきりとした長距離仕様の馬体になっていました。こんな馬体で出走してくれたらいいなと思っていたイメージ通りでしたね」(窪田さん)
高速馬場、そして前残りのレースが続いていた東京競馬場の芝コースだったが、雨が降ったことで内外の不利も無くなった。外枠は包まれずにレースを進められるというメリットともなった。
スムーズにレースを進めたアパパネが、馬群の中から抜け出した時、レースを見ていた誰もが二冠牝馬誕生の瞬間を思い描いたに違いない。しかし、サンテミリオンが負けじと食らいつき、ゴール前では2頭が並んでゴール。窪田さんも話しているように、体勢ではサンテミリオンがよく見えたが、体を沈み込ませて、首を長く伸ばしていたのはアパパネ。その姿を見たときに、窪田さんはこの世代から重点的に取り組んできた調教方針が生きたのではと感じた。
「この世代から体全体を効率よく使える走りを、育成馬には教え込んできました。それは馬に体の使い方を教え込ませる、4本の脚を効率よく動かすということなのですが、そのためには馬に跨っている僕ら自身も技術を高める必要がありました。僕も改めてホースパークの乗馬スタッフに技術を教わりましたし、また、厩舎のスタッフも様々な苦労をかけたと思います」(窪田さん)
決して800mの距離延長は、マイルG1を2勝しているスピード馬のアパパネにとって、適した条件とは言えなかったはずだ。それでも窪田厩舎で学んだ効率の良い走りが出来たからこそ、スタミナのロスも少なくできただけでなく、体の使い方が上手かったからこそ、ゴール前で体を伸ばすことができたのではないのだろうか。
「勿論、アパパネ自身も能力が高かったからこその、牝馬二冠というタイトルだと思います。でも、この結果に満足するのではなく、まだ、育成馬にとっていい調教があると思うので、それを突き詰めていきたいですね」と窪田厩舎長はこの勝利におごることなく、口元を引き締めた。
「ゴール前は桜花賞(G1)の時と一緒ですが、一緒にTVを見ていた子供が、自分の叫び声で驚いたのか、気づいたら泣いていました(笑)。ゴールの瞬間、体勢はサンテミリオンの方が良く見えましたが、スローになってみたらあれっ?と思えるようになりました」(窪田さん)
桜花賞(G1)に続く外枠からの発走、雨でしめった馬場、何よりも桜花賞(G1)より800mの距離延長と、牝馬二冠に望むアパパネには、幾つもの不安要素があった。しかし、窪田さんはパドックに姿を見せたアパパネの馬体を見て、その不安が吹き飛んだ。
「桜花賞(G1)の時は短距離馬だった馬体が、僅か数か月で伸びが出て、胴回りもすっきりとした長距離仕様の馬体になっていました。こんな馬体で出走してくれたらいいなと思っていたイメージ通りでしたね」(窪田さん)
高速馬場、そして前残りのレースが続いていた東京競馬場の芝コースだったが、雨が降ったことで内外の不利も無くなった。外枠は包まれずにレースを進められるというメリットともなった。
スムーズにレースを進めたアパパネが、馬群の中から抜け出した時、レースを見ていた誰もが二冠牝馬誕生の瞬間を思い描いたに違いない。しかし、サンテミリオンが負けじと食らいつき、ゴール前では2頭が並んでゴール。窪田さんも話しているように、体勢ではサンテミリオンがよく見えたが、体を沈み込ませて、首を長く伸ばしていたのはアパパネ。その姿を見たときに、窪田さんはこの世代から重点的に取り組んできた調教方針が生きたのではと感じた。
「この世代から体全体を効率よく使える走りを、育成馬には教え込んできました。それは馬に体の使い方を教え込ませる、4本の脚を効率よく動かすということなのですが、そのためには馬に跨っている僕ら自身も技術を高める必要がありました。僕も改めてホースパークの乗馬スタッフに技術を教わりましたし、また、厩舎のスタッフも様々な苦労をかけたと思います」(窪田さん)
決して800mの距離延長は、マイルG1を2勝しているスピード馬のアパパネにとって、適した条件とは言えなかったはずだ。それでも窪田厩舎で学んだ効率の良い走りが出来たからこそ、スタミナのロスも少なくできただけでなく、体の使い方が上手かったからこそ、ゴール前で体を伸ばすことができたのではないのだろうか。
「勿論、アパパネ自身も能力が高かったからこその、牝馬二冠というタイトルだと思います。でも、この結果に満足するのではなく、まだ、育成馬にとっていい調教があると思うので、それを突き詰めていきたいですね」と窪田厩舎長はこの勝利におごることなく、口元を引き締めた。