重賞ウィナーレポート

2010年05月23日 オークス G1

2010年05月23日 東京競馬場 雨 稍重 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:サンテミリオン

プロフィール

生年月日
2007年01月30日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:5戦4勝
総収得賞金
176,741,000円
ゼンノロブロイ
母 (母父)
モテック(FR)  by  ラストタイクーン(IRE)
馬主
吉田 照哉
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
古賀 慎明
騎手
横山 典弘
  • 母馬と今年生まれた半弟(父ハーツクライ)とスタッフの皆さん
    母馬と今年生まれた半弟(父ハーツクライ)とスタッフの皆さん

 「すごく良いレースだったと思いますよ。サンテミリオンも理想的な競馬をしてくれたと思っています」とクラシック史上初の同着決着となったオークス(G1)を社台ファームの斉藤孝調教主任は満足そうにふりかえった。

 降りしきる雨の中、2分29秒9という激闘の末の長い長い写真判定。「正直言って、わかりませんでした。負けてはいないと思いましたが、最近は写真判定に泣かされるケースが多かったから、長引くほどに心配が募りましたよ」と冗談交じりにほっとしたような顔を見せた。

 ちょうど1年前の同じ舞台。十中八九勝利を手中に収めたかに見えたレッドディザイアはブエナビスタの追い込むに屈し、また競馬史に語り継がれるだろう2008年の天皇賞(秋)(G1)ではダイワスカーレットがウオッカの引き立て役になってしまった。「だから、負けなくてよかったですよ」と屈託のない笑顔を見せた。

 牧場時代のサンテミリオンの印象を尋ねると「あまり強い印象には残っていないくらいに順調な馬でした。ただ、ゼンノロブロイの産駒らしく体が柔らかすぎるところがあったので、急ぎ過ぎないように慎重に調教を進めた馬でした」という答えが返ってきた。

 「母のモテックはフランスのフロール賞(G3)(サンクルー競馬場・芝2100m)勝馬で、祖母のシュダカもフランスのクレオパトル賞(G3)(サンクルー競馬場・芝2100m)の勝馬です。期待の大きな馬でしたし、手応えも感じていましたが、それをどうやって競馬場で開花させるかに神経を使いました」という。

 確かに、サンデーサイレンスはじめアグネスタキオン、フジキセキ。モテックの配合相手に選ばれた種牡馬が期待の大きさを物語る。ただ、期待通りにいかないのも競馬の常だ。期待していた半姉が故障に泣かされるケースもあった。サンテミリオンのデビューが3歳1月にまでずれ込んだのも馬本意のスケジュールで調整を進めたからだという。

 「若竹賞で牡馬相手に勝ったとき、改めて能力を感じました。フラワーC(G3)で揉まれる競馬を経験させたことも、今回のレースに生かされたと思います。サンテミリオンはゼンノロブロイに似て、すごくレースが上手な馬です。今回は外枠ということだけが心配でしたが、あっさりとクリアしてくれました」と愛馬を称えた。

 そして「今回、勝てたことはもちろん嬉しいのですが、それと同じくらいに5頭をこの舞台に送り込めたことが嬉しかったです」と白い歯を見せた。「夏は、サンテミリオンはじめ、春に活躍してくれた馬たちが牧場に帰ってきます。またより競馬ができるように送り返したい」と気持ちを秋に切り替えていた。