1番人気に応えての鮮やかな初重賞勝ち。今年のクラシック戦線に見事名乗りを上げたグレイトジャーニー。皐月賞を勝った兄ノーリーズンに続く兄弟重賞制覇に、オーナーブリーダーであるノースヒルズマネジメントの繁殖マネージャー・川辺氏は「期待通りです。本当に嬉しい。この一言です！」と喜びを隠せない。シンザン記念の当日は、牧場スタッフ20名以上が牧場事務所に集合してテレビ観戦、ゴール後は大歓声が上がったという。
　ちなみに同牧場は昨年、台風10号災害で大きな被災のあった厚別川（あっぺつがわ）の上流に位置しており、放牧地の一部が流される被害を受けた。現在では復興作業も一段落。今は一面雪に覆われていて、丘の上に見事に整備された牧場には雪景色が広がっている。
　グレイトジャーニーの幼駒の頃について尋ねると、「バランスの取れた気品のある仔でした。手も掛からないし、病気や怪我もしない。サンデーの仔にしてはおとなしく、目立たないくらいでした」と川辺氏は振り返る。
　「目立たないくらいのが、結構走るんだ」とは同牧場の取締役・松本氏。「ノーリーズンより行けるかもしれないぞ。やはり当面の目標は皐月賞の兄弟制覇かな」と、両氏は生産馬の活躍に確かな手応えを感じている様子。「多くのファンに応援していただけるのが、本当に嬉しいです」とのメッセージを託されて取材は終了した。